プーチン大統領が20年近く支配するロシアも、他の資本主義国家と同じく拝金主義、貧富の差が蔓延している。
元教師で周りから尊敬されているエレーナは突然、死の宣告を受ける。
今までなんでも自分で決めて来たわ。火葬にされちゃたまらない。
と、担当者をけむに巻いて自分の死亡診断書を勝ち取り、買った棺桶と共にバスで家に帰る。
その奮闘ぶりに狂っちゃったのかこのばっちゃんは。と思わないでもないが、
この母は都会に行ったきり5年も顔を見せない息子のオレクに恨み言ひとつ言わない。母倒れるの一報で駆け付けた息子に
「ここには年寄りとアル中しかいない。」と告げ、都会で生きている息子を肯定する。
最後はきれいすぎるけど、
「アントニア」の「今日は私の死ぬ日」と共に幕引きはかくありたいもんやわ。(まだ何も考えてないけど)
鯉は生命力を表わしているように感じる。エレーナの終活も死のうとするのも最後まで自分らしく生きたいという力だと思う。