2018年 110分 スウェーデン／デンマーク
監督 アリ・アッバシ（イラン系デンマーク人）
原作 ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト『ボーダー 二つの世界』短編（「ぼくのエリ」）
キャスト エヴァ・メランデル（ティーナ）／エーロ・ミロノフ（ヴォーレ）
メモ 2019.10.19（土）シネ・リーブル梅田
あらすじ
スウェーデンの境界線、港の税関で働くティーナは並外れて優秀だった。愚鈍そうな外見とは裏腹にするどい嗅覚で不正持ち込みを百発百中で摘発する。
その独特の容貌とともに同僚から気味悪がられるくらいの能力だ。
感想
「似て非なるもの」というのは、
ロバート・Ｊ・ソウヤーのネアンデルタール・パララックス三部作（「ホミニッド ―原人―」「ヒューマン ―人類―」「ハイブリッド ―新種―」）や
「シェイプ・オブ・ウォーター」とあい通じるものを感じる。
容貌ゆえにいじめられ利用され孤独に生きるティーナが、内に持つ秘密と葛藤にも関わらず、その穏やかな立ち居振る舞いから魅力的に見えてくる不思議。
とても善良でシャイで優しいティーナ。
醜さとは何か。
容姿の整った人たちの怖気をふるう実態。その性根の卑しさ内面の醜さとティーナは対極にある。
また、世界を変えるのは革命やテロ攻撃なのか、それともひとつひとつを積み重ねて地に満ちていくことなのかという問いかけでもある（ように感じる）。
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メランコリック
メランコリック
2018年 114分 日本 ユニット「One Goose」
監督・脚本・編集 田中征爾
出演 皆川暢二（鍋岡和彦)／磯崎義知（和彦の同僚・松本）／吉田芽吹（よしだめぶき 和彦の同級生・副島百合）／羽田真（「松の湯」の主人・東）／矢田政伸（金貸し・田中）／浜谷康幸（「松の湯」の元従業員・小寺)／山下ケイジ（和彦の父）／新海ひろ子（和彦の母）／ステファニー・アリエン（田中の愛人アンジェラ）／大久保裕太（実業家・田村）
メモ 2019.10.5（土）九条シネ・ヌーヴォＸ
あらすじ
東京大学を出たものの派遣仕事の日々を過ごしている鍋岡和彦は、家の湯をおとされてしまい銭湯「松の湯」にでかける。そこで同級生だった百合と遭遇した。
感想
監督さんと主演おふたり（皆川暢二と磯崎義知）のユニット「One Goose」による低予算映画（だそうです）。
アットホームで平和な日常（アットホームは強かった）と異常な非日常が併存することになったお話で、出演者は調和があるような不調和なようなで、それぞれの個性を出してはりました。
中でも小柄でかわいいようなそうでもないようなフランス人のキュートなピュアさと男の夢の実体化「寛容さ」を合わせもった百合により映画に後光がさす。
アンジェラと女ふたりのルックスが対照的なのもいい。そうか、対照の妙の映画なんやね。
自分で言ってはった「夢追い系」のロックバンドのちょっと太目のドラマーみたいな松本もなかなかで銃をかまえて前進するシーンに密かに笑う。演じてみたかったんやろね。
見ている途中はちょっと冗長で編集のキレがないんかなって思ったけど、この恐いんだか恐くないんだかたゆたゆ漂っているのが味と思う。
そして、
解体ショーがあるのかと思っていましたが、効率的な処理でした。「OUT」のような風呂場ではなく風呂屋というのがなるほど。
九条シネ・ヌーヴォＸは初めて。シネ・ヌーヴォの２階にある24席の国名小劇以来のちっちゃな映画館でした。
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ゲーム・ナイト GAME NIGHT
ゲーム・ナイト GAME NIGHT
2018年 100分 米国
監督 ジョン・フランシス・デイリー
キャスト レイチェル・マクアダムス（アニー「きみに読む物語」）／ジェイソン・ベイトマン（夫マックス）／カイル・チャンドラー（マックスの兄ブルックス）／ビリー・マグヌッセン（ライアン）／シャロン・ホーガン （同僚サラ）／カイリー・バンバリー（ミシェル）／ラモーン・モリス（ミシェルの夫ケヴィン）／ジェシー・プレモンス（不気味な隣人ゲイリー「バトルシップ」）
メモ 2019.10.4（金）WOWOW録画
感想
ノーキッズの夫婦と友達のカップル２組はみんなゲーム狂。毎週末あきもせずゲームに興じている。ゲームならボードゲームでもゼスチャーでもRPG、将棋崩しなんでも来いだ。
そこにふってわいた誘拐事件とてんやわんやの大騒動。
という巻き込まれ型のサスペンスコメディでこれがなかなかの拾い物やってん。映画のちっちゃなネタがあちこち散らばっているのも楽しい。
屋敷内アメリカンフットボールのボールがなんとインペリアルエッグ（ロシア皇帝ツアーの高価な卵）。卵を抱えて走り転げ パス→キャッチ→パス→キャッチ→ローングパス→キャッチに笑った。
黒人カップルのティーン・エイジャーまんまのノリもいいな。
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