2018年11月の映画  戻る


復讐のトリック 
2017年 108分 韓国
監督 キム・フィ/チョン・シク(脚本)
原作 ビル・S・バリンジャー「歯と爪」
出演 コ・ス/キム・ジュヒョク(資産家ナム・ドジン)/パク・ソンウン(検事)/ムン・ソングン(弁護士)
メモ 2018.11.23(金)シネマート心斎橋
あらすじ
1947年の韓国ソウルで起こった殺人事件の公判が始まる。事件は匿名の一報で発覚した。
感想
数年前の出来事と現在、法廷での争いが交互に描かれる。
ぼんやり見ていたら誰が容疑者なのかよくわからない。だいたい被害者はどなたさんなん? 
殺人があったのかすらはっきりしない。惑う。。
 
レトロな雰囲気がいい。ロマンティックでもある。
国を植民地化した大日本帝国が負けた後の混乱に乗じて金儲けするよからぬ人々。滅んでしまえ。そやのに。
そういうやからと私怨で戦ったがこの後朝鮮戦争でこんどは同族で争いまた国は焦土と化す。
その狭間の時代。ラストは「この世はうたかたの夢」
 
敵役のキム・ジュヒョクという方は2017年12月に交通事故で亡くなられたそうです。
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鈴木家の嘘 
2018年 133分 日本
監督・脚本 野尻克己
出演 岸部一徳(鈴木幸男)/原日出子(鈴木悠子)/木竜麻生(きりゅうまい・鈴木富美)/加瀬亮(鈴木浩一)/岸本加世子(幸男の妹・君子)/大森南朋(悠子の弟・博)
メモ 2018.11.17(土)シネ・リーブル梅田
あらすじ
引きこもりの鈴木家の長男、浩一は自室で首を吊る。買い物から帰ってきて息子を発見した母、悠子はショックのあまり気を失う。夜、家に帰ってきてふたりを発見した長女富美は救急車を呼び母は病院に搬送されるが意識不明のまま。
感想
意識を取り戻したが「息子の死」の記憶を失っている悠子。
とりあえず悠子の回復のため、夫の幸男、娘の富美、義理の妹君子、悠子の弟博の4人は浩一はアルゼンチンで博の事業を手伝っているという架空の話をでっちあげる。
母がショックを受けるのを避けるためソ連崩壊を隠す「グッバイ、レーニン!」と同じやけどもっと事は深刻。
 
子供に先立たれる悲しい話をコミカルに綴る。それでも家族は命つきるまで生きていかないといけない。前半がいいな。
 
富美役の木竜麻生(きりゅうまい)っていう方の運動能力の高さにびっくり。新体操してはったのかな。
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日日是好日 (にちにちこれこうじつ) 
2018年 100分 日本
監督・脚本 大森立嗣(おおもりたつし)(「まほろ駅前多田便利軒」「さよなら渓谷」
原作 森下典子(「日日是好日」 「「お茶」が教えてくれた15のしあわせ」)
出演 黒木華(典子)/樹木希林(武田先生)/多部未華子(典子の従姉妹・美智子)/郡山冬果(典子のお母さん)/鶴見辰吾(典子のお父さん)
メモ 2018.11.10(土)なんばパークスシネマ
あらすじ
大学生の典子は母に薦められ近所の武田先生のところに従姉妹の美智子とお茶を習いにいく。
不思議な世界で覚えることがいっぱいある。ふくさを広げたりたたんだり。所作の意味は・・・わからない。「お茶ってそんなもんなの」
感想
昔からの知り合いの中に娘時代からずっとお茶を続けている人がふたりいる。お茶はいいと言う。
そのうちの一人の話ではお茶の先生が成人した娘さんを病気で亡くされた後、稽古を再開された時に「お茶に救われた」と言われていたとか。
お稽古のしがらみを越えてがんばった先に、人を永く支える力があるんやね。
 
映画の最初に小学生の典子が家族と一緒にフェデリコ・フェリーニ監督の「道('57)」を見たという話がされる。
小学生にはモノクロ映画で時代が違うしさっぱりわからん。
お茶のお稽古を始めた二十歳の典子と美智子が海岸で海を見ているシーンで典子が棒を持って唐突に踊りだす。
  「道」でジェルソミーナが道化のかっこをして踊るシーンの再現らしい。
典子がお父さんを想って海岸で泣く。
  棄てたジェルソミーナを想うザンパノの慟哭らしい。
この演出はどうなん?  
と思って見ていたけどお茶の静と心の内の動、春夏秋冬、わかりにくい人生の道を表す演出やったのかもしれぬ。
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累-かさね- 
 
2018年 112分 日本
監督 佐藤祐市(「キサラギ」
原作 松浦だるま(コミック)
出演 土屋太鳳(丹沢ニナ)/芳根京子(淵累)/横山裕(演出家・烏合零太)/浅野忠信(マネージャー・羽生田釿互)
メモ 2018.11.1(木)TOHOシネマズ梅田
感想
なんかもやもやする。大きな疑問が。
土屋太鳳(つちやたお)はそんなに演技がうまいのか?(けっしてへたではないけど) いれかわったように見えない。
・・・熱演なのはわかるけど。横山裕がうまくないのはわかるけど(標準語が違和感ばりばり)。
 
これはニナと累(かさね)が入れ替わる話やから主役ふたりは正反対の役柄も演じる。
 
そのうえ土屋太鳳は、舞台で演技もするわけやから
  素の自分(ニナ)
  舞台で素人の様な演技をしているニナ
  中身は累のニナ
  中身は累で天才肌の演技をしているニナ
とひとり四役の大役なわけ。
そやねんけど最後の狂ったサロメ役が何かが憑依とか降臨したように見えない。踊れるから熱演が過ぎるのかもしれない。
丸顔で目鼻立ちも派手なので憂いを帯びた演技が難しそう(ドヤ顔なのね)。負の役で雰囲気出している芳根京子が得している。
 
歌舞伎の醜女(しこめ)の「累」なのか唇を累ねるから「累」なのかはわからへんけど、ビジュアル的に累は顔に傷があるだけで
美人なのね。ここも限界なのかもしれない。
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