2017年11月の映画  戻る


ブレードランナー 2049 BLADE RUNNER 2049
2017年 163分 米国
監督 ドゥニ・ヴィルヌーヴ(「灼熱の魂」「複製された男」「プリズナーズ」
キャスト ライアン・ゴズリング(K)/ハリソン・フォード(リック・デッカード)
メモ 2017.11.18(土)なんばパークスシネマ
あらすじ
人類にとって危険なレプリカントを狩るのは従順なレプリカントだった。
感想
ライアン・ゴズリングはSFが似合う。映像も雰囲気があり壮大で美しい。
「人類にこんな(科学技術の発達した)未来は来ないんやろな」と思って見ていた。
 
うっとりするような、どこか物悲しいような映像をぶち壊すのはハリソン・フォード。
この人はもはやハン・ソロでありインディー・ジョーンズ。この映像に合っていない。
まあ元々「ブレード・ランナー」は私にはルドガー・ハウアーの映画やから。ハリソン・フォードに思いはないの。
 
人型人工知能のお話では映像ははるかに及ばないが、アントニオ・バンデラスの「オートマタ」(2014年)の方がインパクトが強かった。
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ゴッホ 最期の手紙 LOVING VINCENT
2017年 104分 英国/ポーランド
監督 ドロタ・コビエラ(ポーランド)/ヒュー・ウェルチマン(英国)
キャスト  ダグラス・ブース(アルマン・ルーラン)/ジェローム・フリン(ガシェ医師)/ロベルト・グラチーク(フィンセント・ファン・ゴッホ)
メモ 2017.11.14(火)大阪ステーションシティシネマ
あらすじ
1890年にファン・ゴッホがフランスで亡くなってから1年。郵便局長はファン・ゴッホが弟のテオに宛てた手紙を配達できずにいた。息子のアルマンに手紙を届けるように託す。そこからアルマンの旅が始まる。
感想
125人の画家の手による6万2450枚の(えっひとり500枚描きはったの!)油絵を元にしたアニメーションというたいへんな労力の特異な映画。画家のみなさんはゴッホのタッチで絵が描けるの。
37才で亡くなった絵書きの苦悩と人々を驚かす突飛な行動、どう扱っていいかわからない周囲の戸惑い。
そして彼の絵に惹かれた人たちがアニメで語る。
亡くなってから高く評価された絵たちに圧倒される。10年間で800枚も描きはってんて。5日に一枚やよ。
描かずにはいられないという何かが降臨したさま。
 
「濃い画」なので見続けているといささか疲れてくる。そのためにところどころ水彩が挟まれる。物語の事の真相よりも絵を眺めていた。どうしてこんな絵が描けるんやろね。
 
   「我々は自分たちの絵に語らせることしかできないのだ」
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ゲット・アウト Get Out
2017年 104分 米国
監督・脚本 ジョーダン・ピール
撮影 トビー・オリヴァー
編集 グレゴリー・プロトキン
キャスト ダニエル・カルーヤ(主人公クリス・ワシントン)/ リーレル・ハウリー(クリスの親友・ロッド)/アリソン・ウィリアムズ(クリスの恋人・ローズ・アーミテージ)/ブラッドリー・ウィットフォード(ローズの父・ディーン・アーミテージ)/キャサリン・キーナー(ローズの母・ミッシー・アーミテージ)/ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ(ローズの弟・ジェレミー・アーミテージ)/スティーヴン・ルート (画廊のオーナ)/レイキース・スタンフィールド(アンドリュー)/ベッティ・ガブリエル(召使ジョージーナ)/マーカス・ヘンダーソン(庭師ウォルター)
メモ 2017.11.11(土)TOHOシネマズ梅田
あらすじ
空港で警備の仕事をしているクリスは恋人のローズにメロメロ。
ローズは白人でいいところのお嬢さん。今時でも身分違いはわかっている。しかしローズは「うちの一家に偏見はないわ。オバマに3期目があればパパは投票していた。」と言う。それで週末に彼女の実家を訪れることを承知したんだ。
感想
何を書いてもネタバレになると思う。日本人にはわかるとは言い切れない根源的な怖さかもしれない。
ホラーなんだかコメディなんだか・・・風変わりな作品。過激でもある。
確かに黒人への偏見はなかったな・・・そこは嘘じゃなかったな。
なにはともあれ親友のロッドが最高
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ノクターナル・アニマルズ 夜の野獣 NOCTURNAL ANIMALS
第73回ヴェネチア国際映画祭審査員グランプリ
2017年 116分 米国
監督・脚本 トム・フォード「シングルマン」
原作 オースティン・ライト「ミステリ原稿」
撮影 シーマス・マッガーヴェイ
編集 ジョーン・ソーベル
キャスト エイミー・アダムス(スーザン・モロー)/ジェイク・ギレンホール(トニー/スーザンの元夫エドワード)/マイケル・シャノン(警察官ボビー)/アーロン・テイラー=ジョンソン(レイ)/カール・グルスマン(ルー)/アーミー・ハマー(スーザンの夫ハットン・モロー「コードネーム U.N.C.L.E.」
メモ 2017.11.4(土)大阪ステーションシティシネマ
あらすじ
アート・ディレクターのスーザンの元に前の夫から小説が送られてくる。彼が書いた小説はスーザンに捧げられていた。19年前に別れた元夫は今も独身で教師をしているはず。今頃なぜ?
その小説は暴力に満ちた衝撃的な内容だった。
感想
テーマが何なのかまったくわからへんねんけど圧倒される「現代アート」で映画は始まる。
   (しょっぱなからついていけない予感)
スタイリッシュながら空虚な現在と若く苦い19年前の過去、そして土埃の舞う激しい小説の世界が交互に現れ話は進行しカットバックと言うのかな、技巧に満ちている。
そして「これで終わり?」というエンド。ここでやっと元夫の意図とその果てが明らかになる。
 
いい人なのか悪い人なのか都会人にはちょっと得体のしれない田舎の警官ボビー役のマイケル・シャノンという人がよかった。テキサスの人らしく、ゆったりとかみしめるように話をする。
(人間のクズのレイ役の人(アーロン・テイラー=ジョンソン)がゴールデングローブ賞の助演男優賞を受賞しはったらしいです。)
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