2017年7月の映画  戻る


Playback
2012年 113分 日本
監督・脚本・編集 三宅唱(みやけしょう)
撮影 四宮秀俊
出演 村上淳(役者ハジ)/渋川清彦(旧友1)/三浦誠己(旧友2)/河井青葉(旧友1の妹)/山本浩司(結婚する旧友)/テイ龍進(監督)/汐見ゆかり(母と元嫁)/小林ユウキチ(付き人)/渡辺真起子(先生)/菅田俊(映画のプロデューサ)脚本家)
メモ 2017.7.30(日)日本映画専門チャンネルHD録画
あらすじ
俳優のハジはやる気がない。40才を前にスランプなのか、なにもかも興味をもてない。
感想
風変わりな映画やった。高校時代の友人たちがこの世の人なのか黄泉の人たちなのかみなさんどこか影が薄い。
村上淳が友人の車に乗っていたはずが、いつのまにか学生服に変わってバスに乗っているシーンがとてもいい。
   (おいおい、村上淳がそのまま高校生するんかいと驚く)
見ながらなぜか「業界受けする映画ちゃうかな」と感じる。(まあ業界の話やし)
 
主演の村上淳が三宅唱という監督さんの「やくたたず」という映画が気に入って映画を作ろうという事になり12日間で撮った作品だそうです。
東日本大震災から3か月後の水戸でロケを行い、村上淳がスケボーで下る道の陥没は地震の爪痕そのまま。
インタビューで監督さんは「何度もテイクを繰り返し、残るのは1つだけ」の”俳優さん”というキャラクターに興味があったとか。
村上淳が(年のわりに)えらくスケボーがうまいと思ったら昔ボーダーやったらしいです。映画にスケボーが登場するのは「バックトゥザフューチャー」へのオマージュみたい。
 
何ゆえこの映画を見ることになったかというと、ケーブルTVの番組表をなんとはなしにめくっていたら「密使と番人」という番組の「森岡龍」という名前に目がいって。「この人「ろんぐ・ぐっどばい〜探偵 古井栗之助〜」の人やん」と思って軽く調べたら三宅唱(みやけしょう)っていう若い監督さんの映画ってわかって。「Playback」っていう作品で高い評価を受けはったらしい。続けてケーブルTVで放映するやんという訳で録画しました。
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ブルックリン BROOKLYN
2016年 112分 アイルランド/英国/カナダ
監督 ジョン・クローリー
原作 コルム・トビーン
脚本 ニック・ホーンビィ
撮影 イヴ・ベランジェ
衣装デザイン オディール・ディックス=ミロー
キャスト シアーシャ・ローナン(エイリシュ)/エモリー・コーエン(トニー)/ジム・ブロードベント(神父)/ジュリー・ウォルターズ(下宿のキーオ夫人)/ドーナル・グリーソン(アイルランドのジム)
メモ 2017.7.23(日)WOWOW録画
あらすじ
1950年初めのアメリカ、東海岸ニューヨークのブルックリンにアイルランドの田舎から移民してきた娘がいた。名前はエイリッシュ。故郷アイルランドには職がなく、姉の知り合いの神父を頼ってやってきた。アイルランドの女子寮に住み高級デパートの売り子の職につく。激しいホームシックにかられるがブルックリン大学の夜間コースで簿記を学び始め徐々にニューヨークに慣れていく。
感想
「雨に唄えば」が公開された1952年頃、米国に明るい未来と希望が満ちあふれていた時代のお話。
ロマンティックなストーリーと映像にはまり繰り返し見る。
 
特にダンスパーティで知り合ったイタリア系の「友達以上恋人未満のトニー」がエイリッシュを家族の夕食に招くシーンが絶品。
イタリア系のパパとママのあうんの呼吸。末っ子で8才のフランキーがジョブを繰り出してエイリッシュの様子を探る。
名シーンと思う。
 
山本周五郎先生の「柳橋物語」を昔読んだとき思ったんやけど、男子たるもの意中のおなごがいる時は、常にライバルの動向に目を光らせ
チャンスを逃さずツバをつける 絆を結んどかんといかんわ。トニーはえらい。
おすすめ度★★★★★戻る

ありがとう、トニ・エルドマン TONI ERDMANN
第69回カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞
2016年 162分 ドイツ/オーストリア
監督/脚本 マーレン・アデ
ホイットニー・ヒューストン「GREATEST LOVE OF ALL」
キャスト ペーター・ジモニシェック(ヴィンフリートとトニ・エルドマン)/ザンドラ・ヒュラー(娘イネス)
メモ 2017.7.8(土)シネ・リーブル梅田
あらすじ
ドイツで暮らす音楽教師のトニ・エルドマン。ふざけるのが大好きで精神年齢は10歳。彼には年老いた母、年老いた愛犬、別れた妻とひとり娘がいる。
ひとり娘は音楽家にはならず、ルーマニアのブカレストで石油業界の経費削減コンサルタントをしている。(まあ、ありていに言うと首切り人員削減が仕事)
感想
伯父(確か丑年やったから、92才か)の介護をしている従姉が言う。「男親とは話がないねん。世間話もでけへんねん。」従姉は父親っ子やったのにねえ。流行の話だめ、アイドルの話だめ、芸能人のゴシップだめ、確かに話ないねえ。
 
父ヴィンフリートは男親で娘と話題がない上に、小学校の音楽教師でありビジネスで成功したい娘イネスに語る話もない。笑わない娘に心配のしすぎで娘が子供の頃(6歳ごろか)喜んだだろうおふざけを始める。力いっぱいやる。それしかできないから。
 
      もう立てなくなった老犬を抱きかかえるヴィンフリートに、老母が言う。
         「安楽死させたら」
                     「親にもできないのに?」
 
おすすめ度★★★★戻る

パトリオット・デイ PATRIOTS DAY
2016年 133分 米国
監督 ピーター・バーグ(「バトルシップ」
キャスト マーク・ウォールバーグ(ボストン警察巡査部長トミー・サンダース)/ジョン・グッドマン(ボストン警察警視総監エド・デイヴィス)/ケヴィン・ベーコン(FBI特別捜査官リック・デローリエ)/J・K・シモンズ(ウォータータウン警察巡査部長ジェフ・ピュジリーズ)/ミシェル・モナハン(トミーの妻)
メモ 2017.7.6(木)イオン・シネマ茨木
感想
2013年4月15日14時45分ごろ第117回ボストンマラソンのゴール付近で手製爆弾が爆発。50万人の観客が集まるお祭りでの惨事。8才の男の子を含む3人が死亡。およそ10人が手足を切断。後に逃走中の犯人に警官ひとりが射殺される。ボストン警察とFBIは現場のかけらと監視カメラの映像をかき集め大きな倉庫ですぐに現場をテキパキ再現する。リーダを決め初動で大量の物と人を投入する捜査。パソコンの映像に目を凝らしていた捜査官のひとりが、爆発時に他の観客とは違う動きをする男を見つける。突破口だ。
不眠不休で働いていた地元の警官トミーが呼ばれる。地元を知り尽くしている彼が犯人の動きを推理し次々と映像を見つけていく。
このシーンがとってもスリリング。
 
当時、犯人の特定がとても早く映像も公開され驚いた覚えがある。最後にあんな激しい銃撃戦だったとは知らなんだ。
しかしアメリカの人ってあんな大きな家に住んで庭に自家用ヨットもあるねんね。。。。(まあそれぞれ色々やろけど)
世界中の人がこの映画を観たらアメリカの底力、助け合いの精神に感じいるとともにその物量の豊かさ、空間の豊かさに圧倒されため息をつく映画でもあるような気がする。
おすすめ度★★★1/2戻る