小野寺家の朝は、炊きたて白いのご飯から始まる。姉より子40才は商店街のメガネ屋に努めている。弟の進33才は日用品化粧品メーカの調香師。今は「ありがとう」の香り作りに四苦八苦している。そもそも「ありがとう」の香りってなんなん?
商店街の福引に当たって無駄にするのはもったいないとふたりで遊園地に行く姉と弟だ。姉は週に一回店にやってくる営業マン(及川光博)を密かにステキだと思っている。平穏で変化のないある日、休みの日に紛れ込んでいた手紙を姉より子は届けに行くと言う。「もちろんあんたも一緒に行くのよ」
感想
男女の出会いって就職してからはなかなか無い。人の多い大企業でも1年目。特に研修期間中か最初の懇親会が勝負と言われている(・・・さぼてんの勤めている会社では)。後は部内の「釣り堀の恋」を釣るのがチラホラ。
かくも難しい。オクテの人間には至難の業。
「幸せってなんやろな」と感じさせる映画やった。結婚しても幸せになれるとは限らない。それがわかっていても「幸せになれる」夢みるんやろね。日常からの変化やし。年取って「おじいちゃん!おばあちゃん!」と呼ばれながらあの世に行けるかもしれへんし。
「おもろうてやがて哀しき」片桐はいりさん、タクシーから街並みを眺める姿が絶品やった。