2011年8月の映画  戻る


大鹿村騒動記
2010年 中国 98分
監督・脚本 阪本順治
原案 延江浩
脚本 荒井晴彦
主題歌 忌野清志郎『太陽の当たる場所』
出演 原田芳雄 (風祭善)/岸部一徳 (能村治)/大楠道代 (風祭貴子)/冨浦智嗣 (ディア・イータアルバイト・大地雷音らいおん)/佐藤浩市 (バスの運転手・越田一平)/松たか子 (町役場の総務・織井美江)/瑛太 (郵便屋さん・柴山寛治)/石橋蓮司 (土建屋・重田権三)/三國連太郎 (保存会会長・津田義一)/小倉一郎 (白菜農家・柴山満)/でんでん (食料品店店主・朝川玄一郎)/加藤虎ノ介 (平岡健太)/小野武彦 (旅館の主人・山谷一夫)
メモ 2011.8.15(月) なんばパークスシネマ
あらすじ
長野県の大鹿村は、南アルプスの谷間にある村。その村でシカ料理店「ディア・イーター」を営む風祭善は、とてもいそがしい。後5日で、村に300年続いている大鹿村歌舞伎の日なのだ。毎日稽古に余念がない善におもいがけない事態が振りかかる。幼なじみの治と、治と駆け落ちした妻の貴子が18年ぶりに帰ってきたのだ。認知症で脳みそに不安があり、治の事を「善ちゃん」と呼ぶ貴子を治は「たぶん、駆け落ちした事を後悔してるんだと思う」から、「善ちゃんに返す。」と言う。すったもんだのあげく、大鹿村歌舞伎「六千両後日文章 重忠館の段(ろくせんりょうごじつのぶんしょう しげただやかたのだん:6人の千両役者が登場する平家滅亡の後日談)」の上演やいかに。
感想
7月に亡くなった原田芳雄さん主演の群衆コメディ。グランドホテル形式と言うんかな。
ええかげんそうで、根っこのところはこの村に根をはっている風祭善(原田芳雄)と、柳に風で根無し草のような能村治(岸部一徳)がいい。面白い。ため息もれそう。原田芳雄さんの「ちょいワルおやじ」「一匹狼的気質」がもう見れないのは、とてもさみしい。
 
2週間のロケで、映画の製作そのものが「騒動記」やったらしい。そんなこんなの現場の臨場感と歌舞伎のケレン味が混じり合ってる。
お薦め度★★★★戻る

海洋天堂
2010年 中国 98分
監督・脚本 シュエ・シャオルー
撮影 クリストファー・ドイル
美術 イー・チュンマン
編集 ウィリアム・チャン/ヤン・ホンユー
音楽 久石譲
キャスト ジェット・リー(王心誠:ワン・シンチョン)/ウェン・ジャン(大福:ターフー)/ジュー・ユアンユアン(隣人チャイ)/グイ・ルンメイ(リンリン)/カオ・ユアンユアン(ターフーの母)/ドン・ヨン(水族館館長)
メモ 2011.8.10(水) 梅田ガーデンシネマ
あらすじ
青島の水族館に勤めるワンさんは、思いつめていた。
ワンさんは21歳になる一人息子大福(ターフー)と二人で暮らしている。大福(ターフー)は、「魚に生まれてきた方が幸せだったろう」とお父さんが言うくらい泳ぎは達者だが、自閉症で知的障害があり、面倒を見てくれる人が必要だ。せやのに、医者に肝臓がんで余命3ヶ月と告げられたワンさんには、時間がなく身よりもなく息子を託せる人がいない。
感想
ジェット・リーは、ええ映画に出たなぁ。りっぱないいお父さんだった。大きなザルの使用方法にびっくり。ただ者ではない。ザルの使い方がうまくて、おかしくて、そして哀しい。
 
あー泣いた、泣いた。しみじみ泣いた。
不憫な息子を思うお父さんに、ぽろり。ひとりで出来るように、卵のゆで方やバスの乗り降り、掃除の仕方を何度も何度も繰り返し、根気よく教えるお父さんの姿にぽろり。親海亀になって懸命に泳ぐお父さんに、ぽろぽろ。
 
自分としては、「えーお湯やったわ」と言いながらお風呂から上がってきて、アイスキャンデー食べながらころっと逝くのが理想やけど、以前新聞に「がんは優しい病気」と書いてはる人がいてはった。身の回りを整理して別れを告げる時間があるからやって。なるほどなあ。やねんけど、そういう境地になれるかなぁ。できる限りちゃんと終活できたらえーねんけど。
お薦め度★★★★★戻る

チョン・ウチ 時空道士
2009年 韓国 136分
監督・脚本 チェ・ドンフン
撮影 チェ・ヨンファン
キャスト カン・ドンウォン(チョン・ウチ)/キム・ユンソク(ファダム「チェイサー」)/イム・スジョン(ソ・インギョン)/ユ・ヘジン(チョレン)
メモ 2011.8.3(水) シネマート心斎橋(ビッグステップ)
あらすじ
500年前、封印されていた妖怪が手違いで蘇った。妖怪を退治したり、笛を取り合ったりすったもんだのあげく主人公のチョン・ウチは、掛軸に封印されてしまう。そして、現代、妖怪たちがまた蘇る。
感想
もう終わるんかと思ったらまだ続く。面白いねんけど、なんだか、ストーリーがごちゃごちゃしてよくわからん。日本人にはようわからんのかも。笛をめぐる話なんか、妖怪退治なんか、純★愛なんか、どれやねん。136分を100分くらいに、ばっさり切っちゃった方がすっきりしていいと思うねんけど。このごちゃごちゃ感がいいんかね。女優さんはいらないと思うし、ぶっちゃけ、ヒロインもいらないかも。男ばっかりでええと思うねんけど。面白いのは仙人の3人と、チョン・ウチの相棒のチョレン。馬になったり、犬になったり、人間になったりおいしい役。この4人はいいな。そう、脇がええねん。
チョレンが言う「きたない人間として生きるより、清い犬として死ぬっ」が笑えるセリフだった。
 
たぶん、カン・ドンウォンのアイドル映画やと思うの。「義兄弟」の弟役やった人。平日昼間水曜日の映画館シネマート心斎橋は、3割程度の入り。ひとりを覗いて全員女性。それも昔女の子だった風の人たちが連れもってこられてた。「面白かったわぁ」と感想が聞こえたけど、まあ、そう言うより他ないけど、劇中劇は、たぶん「抗日戦」で、日本に輸出する映画で、日本には韓流ファンも多いし、娯楽映画でも日の丸の軍旗がバラバラになるという内容が入るのか、といささかがっかりした。
お薦め度★★1/2戻る