2011年12月のミステリ 戻る

フランキー・マシーンの冬
2006年 ドン・ウィンズロウ著 角川文庫 (上)318頁(下)323頁
あらすじ
サンディエゴのオーシャン・ビーチ・ピア(埠頭)で釣り餌店を営んでいるフランク・マシアーノの朝は早い。釣り餌店だけではなく、副業に魚介販売業、リネン・レンタル業、不動産管理で走り回っている上に、日々サーフィンも楽しんでいる。フランクは、62歳。昔の通り名は、”フランキー・マシーン”。元マフィアの殺し屋だった。足を洗ったはずのフランキーは突如、命を狙われる。覚えがあるような、ないような。追っ手から逃げながら、フランキーは過去のあの事件この事件を回顧しまくり、過去の中にいるはずの”敵”を探る。
感想
面白かった。刺激的。
主人公のフランキー・マシーンだけでなく、登場人物の悪人、善人、白黒付けないカフェオレさんも描き方が魅力的だ。相棒だったマイク・ペッラが単純なような、複雑なような人物で、「青いドレスの女」のドン・チードルを思い出させるような所があったな。
 
「ゴットファーザー」「黄金の腕」「我は海の子」(知らない映画なの)のタイトルやセリフがでてくる所も楽しい。フランキーの元妻パティーが「ヒッチ・ハイカー」「二重結婚者」のアイダ・ルピノに似ているねんて。(アイダ・ルピノは、刑事コロンボの「白鳥の歌」(セスナからパラシュートで歌手が降りる話)で、宗教団体の教祖でもある歌手の年上の妻役の人。「死の方程式」では甥(ロディ・マクドウォール)に大甘の叔母役だった人。)
 
ずーっと前にTVでハワイの伝説のサーファーの話を見たことがある。デューク・ カハナモクって人なのかな。
常夏の楽園で生まれ育ち、毎日海で大波に乗り、心の底から「なんて幸せな一生なん」と思ったな。
お薦め度★★★★★戻る