2010年11月の映画  戻る


義兄弟 SECRET REUNION
2010年 韓国 116分
監督 チャン・フン(「映画は映画だ」)
原案 チャン・ミンソク
キャスト ソン・ガンホ(イ・ハンギュ)/カン・ドンウォン(ソン・ジウォン「彼女を信じないでください」「オオカミの誘惑」)/チョン・グクァン(影)
メモ 2010.11.19(金)シネマート心斎橋
あらすじ
韓国の情報員イ・ハンギュ(ソン・ガンホ)は、北朝鮮が送り込んだ工作員"影"を追うため上を無視して暴走した結果、ソウル市内で白昼銃撃戦となる。亡命者は殺され、ターゲットには逃げられ、かわいい部下も殺されとさんざん。結局免職となり、6年後の今は、失踪した外国人花嫁を探すというしがない探偵の毎日。そんなある日、人買いの一味にふくろにされそうなところを、ひとりの男に救われた。その男は、6年前、どでかいへまをした現場で見た顔だった。北朝鮮の工作員だ。イ・ハンギュは、"影"への手がかりをつかむため、そ知らぬ顔で「仕事を手伝わないか」と男をリクルートする。
感想
こんな結末とは思わなんだ。意外やった。
相棒ムービーの異色作。休戦中の敵対している隣国やのに、民族が同じやねんね。同じ言葉をしゃべるねん。ながーいこと同じ国やってんから。ふたりは、お互いに相手は自分の素性を知らないと思い込んでいる。探り合いしていく内に、なんだか仲良くなっていく。
 
いい映画やと思う。思うねんけど、期待してたほど熱くなれなかった。ぶつぶつ文句を言ったり、おいしそうにご飯を食べるソン・ガンホは好きやのに。なんでやろ。家族を国に人質にとられ、はからずも裏切り者になってしまったソン・ジウォン(カン・ドンウォン)に、感情移入があまりできなかったせいかもしれない。幼く見えて、かわいすぎるねん。
・・・・
というより、ウチがこのやるせなさや哀しみがわかるはずがない。わかったなんて思ったら隣国に申し訳ないと思ってしまったのだな。
お薦め度★★★★戻る

最後の忠臣蔵
2010年 日本 ワーナー
監督 杉田成道
原作 池宮彰一郎
出演  役所広司(瀬尾孫左衛門)/佐藤浩市(寺坂吉右衛門)/桜庭ななみ(可音かね)/安田成美(ゆう)/笈田ヨシ(茶屋四郎次郎)/山本耕史(茶屋修一郎)/柴俊夫/伊武雅刀/片岡仁左衛門(大石内蔵助)/風吹ジュン(きわ)/田中邦衛/佐川満男
メモ 2010.11.15(月)御堂会館試写会
あらすじ
赤穂浪士四十七士は、主君の仇を打ち、切腹して散った。ただひとりだけ大石内蔵助の命を受け、生き続けている男がいた。その男、寺坂吉右衛門は、浪士の遺族を訪ね歩いて16年やっと大役をおえ、十七回忌法要に参列すため京都へ向う。その道でひとりの男を見かける。竹馬の友の瀬尾孫左衛門によく似ている。瀬尾孫左衛門は、大石家の用人であったが、討ち入り前夜に逃亡したのだ。
感想
原作はとてもいいんやと思う。映画化されるくらいなんやから。 主役三人、役所広司さん(瀬尾孫左衛門)、佐藤浩市さん(寺坂吉右衛門)、桜庭ななみさん(可音)の頑張りが、さぼてんには気の毒に思えてしまう。
侍の生き様やねんから、もっとストイックなはずやのに。音楽がしょっぱなから甘い。甘すぎる。 そうやねん。全体になんかしら、甘ったるいねん。・・・合わない。
許されぬ恋はいつまでも美しいんやね。などと思ってしまう。大石さん、そんな大変なときに何してはったんですか、という話である。まあ江戸時代の話やねんから、「現代の感覚」から見てはいけないのである。最後は、関係者がケータイもないのにどこから聞きつけたのか、わらわらと馳せ参じてくる姿に会場では笑いが起きてた。
 
そやねんけど、「忠臣蔵」というのは日本人の心に魂に触れる話なんやとは思う。一緒に言った連れは、ぽろぽろ泣いていた。
お薦め度★★1/2戻る

パララックス・ビュー THE PARALLAX VIEW
1974年 米国 103分
監督・制作 アラン・J・パクラ(「コールガール」「大統領の陰謀」「推定無罪」「ペリカン文書」「デビル」
原作 ローレン・シンガー
脚本 デヴィッド・ガイラー/ロレンツォ・センプル・Jr
撮影 ゴードン・ウィリス
音楽 マイケル・スモール
キャスト ウォーレン・ベイティ(フレイディ)/ウィリアム・ダニエルズ(タッカー)/ヒューム・クローニン(新聞社リンテル:ジェシカ・タンディの夫)/ポーラ・プレンティス(リー)
メモ 2010.11.7(日)レンタルDVD
あらすじ
シアトルの展望台で、次期大統領候補のキャロル上院議員が撃たれる!
半年後調査委員会は、「狂信的愛国者の単独犯」と断定した。3年後ロサンゼルスの新聞記者ジョー・フレディの元に、事件当時リポータだったリーが訪ねてくる。彼女は、次に殺されるのは自分だと怯えている。暗殺時に近くにいた人間が6人死んでいるというのだ。そして数日後、リーは睡眠薬の飲み過ぎで死んだ。
感想
ツタヤの「発掘良品 100人の映画通が選んだ本当に面白い映画」のコーナーに並んでいた。「デビル」後、事故死されたアラン・J・パクラ監督作品。
パララックスという耳慣れぬ言葉は、「視差」だそうです。左目で観た時と右目で観た時とは見えるものが違うと言う事なのかな。この映画の「大統領候補の暗殺」は、調査委員会によると個人の単純な犯行とされ、探りを入れる主人公には大きな陰謀が見えてくる。
 
セリフの少ない静かな映画やった。映画なんやから、映像でちゃあんとわかるように見せてるねん。カット割りがクールで、少しずつ主人公が追い詰められ、辺りの暗さが増してくる演出が巧みやと思う。静かでスリリングな展開が好み。 怖い映画は静かだと思う。
お薦め度★★★★1/2戻る