2011年4月の映画  戻る


キッズオールライト THE KIDS ARE ALL RIGHT
2010年 米国 107分
監督・脚本 リサ・チョロデンコ
撮影 イゴール・ジャデュー=リロ
脚本 スチュアート・ブルムバーグ
キャスト アネット・ベニング(ニック)/ジュリアン・ムーア(ジュールス)/ミア・ワシコウスカ(ジョニ「アリスインワンダーランド」)/ジョシュ・ハッチャーソン(レイザー「ダレン・シャン」)/マーク・ラファロ(ポール「シャッター アイランド」)/ヤヤ・ダコスタ(タニヤ)
メモ 2011.4.30(土)シネ・リーブル梅田
あらすじ
ニック(アネット・ベニング)は、産婦人科医。ジュールス(ジュリアン・ムーア)は、大学では建築を学び家事をしながら家具の輸入をしたりなんやかや、今は造園士を目指している芸術家。ふたりは同性愛のカップルで、それぞれひとりずつ子供がいる。ニックの子は女の子でジョニ(ミア・ワシコウスカ)。成績優秀で奨学金を得て、9月から大学の寮に入ることになった。ジュールスの子は男の子でレイザー(ジョシュ・ハッチャーソン)。勉強は得手ではなさそうだが、運動万能。ふたりの子供の父親の精子は同じなので、母親違いの兄弟となっている。ママがふたりいる四人家族は、賢くけなげに暮らしてきた。そこに異分子が侵入(ニックの心境)。
思春期になり、友達が父親とプロレスしている姿がちょっと羨ましいレイザーは、父親を知りたいと探し出す。ジョニとふたりで会いに行った父親は、30代後半。独身でレストランを経営している野性味あふれたちょっといい男だった。バイカーでもあるんだ。わぉ、かっこいい!
感想
ネタバレあり。
 
 
TVドラマ『Lの世界』の監督さんだそうだ。
ニックが言い放つ「家族が欲しいなら、自分でつくるのねっ」の言葉。すごいな。
男は(現在の医学では)ひとりでは家族を作れないってか・・・・。女に頭さげて子供を産んでもらわなきゃいけないってか・・・・。まぁ。
確かにポールは、おしめを替えてないし、夜泣きでこっちが泣きそうになってもいないけど。10代の何も問題のないとてもいい子が自分のDNAをわけた子供となると、戸惑いとともに有頂天!にもなるだろうて。
家族を作るのは大変やし、その後、パートナー同士も、親と子も、お互い良好な関係を維持していくのも一筋縄ではいかへんしなんやかやあって。ほんで家族ってとってもプライベートで閉鎖的なもんやねんね。第三者の侵入を許さない。許し難い。一度去ったら戻るのも難しい。結婚するってその閉鎖的な空間にわけ入っていくことなんやわ・・・この年になってわかったわ。
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神々と男たち
カンヌ国際映画祭グランプリ
2010年 仏 120分
監督・脚本 グザビエ・ヴォーヴォワ
脚本 エディエンヌ・コメ
キャスト ランベール・ウィルソン (クリスチャン修道院長)/マイケル・ロンズデイル(医者リュック)/オリヴィエ・ラブルダン(クリストフ)/フィリップ・ローデンバック (セレスタン)/ジャック・エルラン(アメデ)/ロイック・ピション(ジャヤン=ピエール)/ザヴィエ・マリー (ミシェル)/ジャン・マリー・フリン (ポール)/オリヴィエ・ペリエ (ブリュノ)/アブデルハフィド・メタルシ (ヌルディン)/サブリナ・ウアザニ (ラビア)/ファリド・ラービ (アリ・ファヤテイア)
メモ 2011.4.22(金)梅田ガーデンシネマ
あらすじ
アルジェリアには、豊富な石油や天然ガスがある。1830年から1962年の130年にも及ぶ間、フランスに植民地化支配されアラビア語教育は禁止、イスラム教は制限されていた。1954年からは、豊富な資源を手放そうとしないフランスからの独立戦争(民族解放戦線とフランス軍とのアルジェリア戦争)で多くの血を流し、1962年に独立をはたしアルジェリア民主人民共和国となる。(映画「ジャッカルの日」はアルジェリア独立戦争が元やった)。が、1986年の石油天然ガスの大暴落により経済は破綻。20代の男性の失業率は60%に達した。そして始まる「イスラム原理主義」の台頭。国は内戦状態に陥る。政府側の反撃によりGIA(武装イスラム集団)は、都市から駆逐され農村に移り、テロの標的は、一般市民や外国人など無差別となる。
一般市民を虐殺した論理は、「われわれGIAの戦いは神アッラーの道に従う「正義の戦い」である→正義の戦いは勝利し、窮地に陥るはずがない→だが、われわれは窮地に陥っている。なぜなのか?→真のイスラム教徒であれば、正義の戦いに参加する義務があるのに、市民はわれわれの戦いに加わらない。そのため、われわれの戦いは窮地に陥ったのだ。→故に、最大の責任と罪は、真のイスラム教徒としての義務をはたさない、一般市民にある。彼らは処刑されるべきである。」
 
そんな時代、アルジェリアの人里はなれた小さな村にキリスト教のチビリヌの修道院があった。布教活動を許されていない彼ら(フランス人)の毎日は、シトー会(トラピスト会)の戒律を守り、祈り、聖歌を朗誦し、黙想し、耕し、奉仕する日々だ。フランス人に対し、良い感情をいだかない村人も医療をほどこし、村人とともにある修道士を大事に思っていた。ところが、村の近くでクロアチアの労働者が惨殺される事件が起こる。そして、イスラム過激派グループが修道院に乱入し、医者のリュックを連れ去ろうとする。負傷した仲間のためだったが、院長のクリスチャンは、キリスト教徒とイスラム教徒は隣人であると説得し、拉致を防ぎ、怪我をした過激派の手当をする。しかし、このテロリストを介抱した「みな兄弟」の行為が軍の反発をまねく。
非常事態の中、フランスへ帰国するように県知事から強く要請され、修道士たち8人の心もそれぞれゆれる。
感想
仲間たちとの連帯感と共に、結局はアルジェリアの村の人々を見捨てなかったという事とちゃうかなぁ。
 
この春、会社の同じ部門の人で、60才で定年になりはって一年嘱託として残る前に、2週間の休暇を取りはった人がいてはるの。奥様と共に念願のイタリア旅行にいくはずが、帰ってきはってからのおみやげがハワイみやげ。
なんで? と思ったところ、ルフトハンザ航空で出発するはずが、震災と原発事故でドイツへの帰国命令とやらがでていたルフトハンザの職員に席をとられ 確保され、しかたなく行き先がハワイとなったらしい。
そりゃあ、奉仕や神に人生を捧げている修道士やあるまいし、日本にはビジネスで来てはるだけなんやから、逃げる帰国するのもしゃーないやろうけど、その割り切り様がすごいなあ。客の席をとるか・・・。
それにつけても、この震災で日本に帰化することにしはったドナルド・キーンさんにはとても感謝だ。世界の人々から好感をもたれる魅力ある国にならなくては・・・・。
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ツーリスト
2011年 米国 107分
監督 フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク(「善き人のためのソナタ」)
撮影 ジョン・シール
キャスト ジョニー・デップ(フランク・トゥーペロ)/アンジェリーナ・ジョリー(エリーズ)/ポール・ベタニー(アチソン警部)/ティモシー・ダルトン(ジョーンズ主任警部)/スティーヴン・バーコフ(ショー)/ルーファス・シーウェル
メモ 2011.4.14(木)梅田TOHOシネマズ
あらすじ
アメリカ人の旅行者フランクは、数学の教師。3年前に妻を亡くし傷心を抱かえてのヨーロッパの旅だ。そんなフランクは、ベニスへ向かう列車の中で、突如話かけられる。それはお金のかかってそうな服を着こなした、目も口もおおきなゴージャスな女だった。人生初めての経験! 引きこまれたフランクは、謎めいた妖艶な美女に導かれるまま、リッチなホテルにインする。
謎めいた美女エリーズは、英国の警察に監視されていた。その捜査を撹乱するため、生贄の子羊を探していたのだった。
感想
「北北西に進路を取れ」のような、巻き込まれ型ロマンチックサスペンス。
ベニスの風景は昼も夜も息を飲むほど美しくロマンチックやし、アンジェリーナ・ジョリーは、ゴージャスやし、ジョニデは、しまりがなくプニプニでもやっぱりいい男やし。よかったぁ。 14日TOHOの日、千円で映画館で見れてさらによかったな。
甘い映画やねんけど、適度な緊張もあって、楽しいねん(^^)ww。
 
謎の美女にも上司にも翻弄されるポール・ベタニー扮する警部がかわいそうやら面白いやら。そのうっぷんをしょぼくれたフランク(ジョニー・デップ)をいたぶって晴らすシーンが楽しいっ!!。 もはや「追う」嗅覚をなくし、警察官ではなく官僚にすぎない上司ティモシー・ダルトン、あんたが悪いねんよ。
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婚前特急
2011年 日本 107分
監督・脚本 前田弘二
脚本 高田亮
撮影 伊藤寛
美術 谷内邦恵
出演 吉高由里子(池下チエ)/浜野謙太(田無タクミ26才)/杏(浜口トシコ)/石橋杏奈(奥田ミカ)/加瀬亮(西尾みのる33才)/青木崇高(出口道雄29才)/吉村卓也(野村健二19才)/吉岡睦雄(浜口トシコの夫)/宇野祥平(池下チエの後輩)/白川和子(田無のお隣)/榎木孝明(三宅正良54才)
メモ 2011.4.1(金)テアトル梅田
 
 
 
あらすじ
池下チエ24才は、広告代理店の営業をしているOL。仕事もバリバリこなせるようになり、私生活も充実している。それは5人も彼氏がいるからだ。若くて初々しい年下の彼、金持ちのぼんぼんの彼、バツイチだが同じ営業職の彼、美容室3店舗のオーナの彼とは不倫だ。そしてもうひとり、パン工場の工員の彼とよりどりみどり。でも、このパン工場の彼とはなんでつきあっているのかわからない。一緒にいると楽だしポンポンなんでも言えるけど、お金はないし、汗かきだし、鈍感だし、えーかげんだし、顔面大きいし、いいとこなし。
そんなこんな今を楽しんでいるチエに転機が訪れた。親友の浜口トシコが、「できちゃった婚」をしたのだ。ながーく付き合ってて現状維持満足の彼を、はめて、結婚に持ち込んだ。
ちょっと羨ましくて私も結婚しよっかなーと5人をひとりに絞るべく査定をはじめ、もちろん一番初めに落ちたのはパン工場の田無タクミ。別れ話を切り出したところ、あっけらかんとした田無タクミから言われる。「ボクタチって付き合ってたっけ?」
ショックを受けたチエは、このままでは次には進めないと「私にぞっこんにさせてから、思いっきりふってやる」計画を始める。
感想
「5人の査定に、『うちは誰が好きなのか?』やなくて、条件から入るんや」と思って見ていた。そうか気まぐれに気持ちよい事ばかりに傾いていて、自分のココロを静かに確かめたことがなかったんや。池下チエは、その本能のままに突き進むのが、強みやねんね。今、「話を聞かない男、地図が読めない女」を読んでんねんけど、あてはまる話やわぁ。