映画っぽくはなかったけど、阿部寛が伊良部一郎を演じたTVドラマ「空中ブランコ」より100倍よく出来ていた。松尾スズキが伊良部一郎のイメージとはちょっと違うねんけど、これはこれでいいかも。オダギリジョーの元妻が「てっちゃんが結婚してくれると、私の気持ちが楽になるの」などとのたまい、文字通り
怒髪天となる伊良部一郎。おもろかった。こやつめは浮気してサッサと離婚して、元浮気相手とラブラブの毎日というジコチューなのだ。伊良部、もっともだ。
言うたれーもっと言うたれーと心の中で声援を送る。そやねんけど、こういう所が原作より真面目に感じるのよ。
強迫神経症のルポライター・市川美和子のカブトムシ・イラブが燃える妄想も面白かったな。カーテンを閉め忘れた!→かんかん照り→窓際に置いてあるカブトムシの籠の虫眼鏡に日光があたる→
発火→燃えたカブトムシが飛ぶ→部屋が火事〜〜。心配しだすとキリがない〜。想像は悪い方に悪い方に転がる〜。すごくわかる〜。
昔、織田信長のTVドラマで近藤正臣が明智光秀役だったのがあった。織田信長と知り合う前のわかーい明智光秀は敵に囲まれている中ひゅんひゅんを弓を射る。家来から「ここは危ないので」と言われても逃げない隠れない。なぜなら大きい事をしようとしている光秀は、「ここで命を落とすのなら、それまでの運命だったのだ」と考えているから。ナーバスな時に思い出す。アレコレ悩んでもジタバタしてもしゃーない時はあるのだ。