作者の書きたかった事がわかるという事は、ない。人生は暗く辛いものなのだという事を言っているのでもないと思う。それは言われなくてもわかっている。人ができることは小さい。ただ小さなものでも希望を持って生き抜けという事なのかもしれない。それとも
自分の大切な物を見失うなという事なのか。映画ではわかりにくかったラストシーンが原作を読んで幾分わかった(ような気がする)。
映画を先に見ていたせいかもしれないが驚くほど原作の雰囲気に忠実だった。役者さんたちも掘り下げた人物像を演じきっている。アナベス役のローラ・リニーとシレスト役のマルシア・ゲイ・ハーデンの力も大きい。原作も読み映画も見る事をお薦めする。どちらも完成されておりどちらの味も苦いがふたつでひとつだ。