2002年4月のミステリ

戦争映画名作選−第2次大戦映画ガイド−

1995年作 柳沢一博/大内一憲/近藤雅和 集英社文庫 337頁
紹介・感想
この本はさぼてんにとって戦争映画のバイブル。5、6年前に買いちびちびひろい読みしている。いまだ読み終わらない。特に日本映画は読むのがつらい。

第I部はファシズムの台頭からニュールンベルク裁判までの<ヨーロッパの戦い>
第U部は満州事変から東京裁判までの<アジア・太平洋の戦い>
第V部は海戦、空戦、市民生活、収容所物がテーマ別にまとめられている。

第T部は10章にわかれ時系列に並べられている。<第1章 第2次世界大戦前夜>には「メフィスト」 「地獄に堕ちた勇者ども」 「キャバレー」他。<第2章 フランス・レジスタンス>には「影の軍隊」 「抵抗」等が写真付きでコンパクトに紹介されている。
映画の紹介だけではなく、章の始めにはイタリア、ロシア、北アフリカ戦線の全体的な説明が半頁、章の終わりには「チャーチル」や「ヒトラー」「チトー」の話が半頁さかれていてこちらも興味深い。巻末にはアジア、ヨーロッパ激戦地の地図までついている。著者達が選んだ名将ナンバーワンは? エルウィン・ロンメルなのだ。ロンメルの傑出した指揮はエル・アラメインの撤退戦でもっとも発揮されたとか。撤退戦なん。
戦闘だけではなく銃後の生活、たとえば「サン・ロレンツォの夜」 「追想」 「ミニヴァー夫人」も載っており、人類史上最大の事件・第二次世界大戦に対し、多面的な見方が出来るように構成されている優れモノ。学ぶべきものは多い。

表紙絵の真ん中の写真は何故かピーター・オトゥールの「将軍たちの夜」。戦争は狂気のなせるわざという所か。それとも軍服姿がかっこいいから? 右上からスティーヴ・マックィーンの「大脱走」 デイヴィット・ボウイの「戦場のメリークリスマス」(と思う)。次が「シンドラーのリスト」。左上は「パットン大戦車軍団」のジョージ・C・スコット。次が「ラストエンペラー」。左下がヴィヴィアン・リーとロバート・テイラーの「哀愁」。決まっている男の写真が多いですね。

144作品紹介されている中でさぼてんは何作見ているかと言うと・・・。言えない。それは言えない数字。「まだまだだね。」なん。
おすすめ度★★★★★
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桜姫

2002年作 近藤史恵作 角川書店 234頁
あらすじ
愛人の子だった私笙子を引き取って育てた父と義理の母。それは兄の音也が病死したから。母は優しかったけれど悲しそうだった。父は私に無関心だった。普通の家でも難しいのにここは梨園。父は跡継ぎの兄を失った事をあきらめきれないのだと思う。周りのみんなは「兄が亡くなってから引き取られた」というが、私は兄の記憶があるのだ。何故? そして兄の首を絞めている夢を見る。どうして?

「ねむりねずみ」「散りしかたみに」の歌舞伎界というフツーなじみのない特別な世界が舞台の作品。寡作な作家が名作を発信。やってくれました。
感想
さぼてんは女の代表ではない。断じてない。そやねんけど、この時代やねんけど女と生まれたからにゃ一生に一度は言われてみたい言葉というのはある(と思う、たぶん。)。

その言葉というのは、、、、、その言葉ってえのは、、、イケてる男じゃなくてもいい、「男はハートだ」の運命の男(ストーカーは論外)に・・・・・言われてみたい(と思う、たぶん。さぼてんが、じゃない<強調)。
 
  「おまえは俺のために生まれてきたんだよ。」と。 (ぎゃー)。

この作品は「桜姫東文章(さくらひめあずまぶんしょう)」という歌舞伎をお題にしているのでもっと主体的なお話で、ずれた感想と思う。でもそう感じたのだ。 
おすすめ度★★★★1/2
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