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南山王祭(四月四日、日枝神社・日野町大窪・松尾)
 琵琶湖の東南部、鈴鹿山系の西麓に位置する日野町。近江商人の発祥地として知られ、今もその屋敷が残る。鈴鹿山系の麓の鎌掛は、約二万本の石楠花が自然に群落しており、国の天然記念物に指定されている。四月になると「ほいのぼり」という手作りの美くしい幟を氏神に奉納するところがあります。大窪と松尾の南山王地区では毎年四月四日、日枝神社境内に二十数本の幟が立てられる。「ほいのぼり」は、薄紅の紙花を結びつけた四十八本の細く長い竹ひごを軸竿に挿し、頂きに御幣をつける。「ほいのぼり」は神の依代で、地区の人たちは、この下で酒を酌み交わし、ご馳走を食べるのである。
 「ほいのぼり」は農耕作業を始めるにあたっての予祝行事であり、また春に流行る疫病を鎮めるという鎮花祭でもあろう。

「ほいのぼり」は単に宴会のためのこしらえものではない。氏神に奉納されるもので、午後二時より祭儀が行なわれる。式の終わったあとはこの「ほい」は持ち帰ることができ、これを丸めて掛けておくと蛇除けの護符になるという。
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