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「しし座」
ネメアの谷に住んでいて、そのしし(ライオン)の体は大きく、硬いウロコで覆われております。その上、しし(ライオン)の頭はとんでもないくらい石頭なのです。 |
しし(ライオン)の生活は昼も夜もかまわず、森の中をうろつき回って、そこにいた牛や羊を食べて生活をしています。 |
そして、たまたま人間と出くわすと、その人間をひっ捕まえて、ムシャムシャと食べてしまうという、非常に恐ろしい人食いライオンなのです。 |
そのしし(ライオン)の父親は、化け物のテュフォンであり、母親は上半身が女性で、下半身が蛇であるという怪物なのです。 |
英雄ヘルクレスの冒険物語に登場した中で は、しし(ライオン)が一番最初の犠牲者なのです。 |
ヘルクレスは大神ゼウスとアルクメーネとの間に生まれた子供であったために、大神ゼウスの后である女神ヘーラの憎しみを受けて呪いをかけられ て、ヘルクレスは発狂してしまい、自分の妻を殺してしまって、その上、子供たちを火の中へと次々に投げ込んだこともあったのです。 |
そのヘルクレスはその罪滅ぼしのためにアルゴス王のエウリステウスの元へおかれて、王の命令によって危ない冒険を 十二回もやらされることになってしまうのです。 |
ヘルクレスの第一回目の冒険が、この大きなしし(ライオン)退治なのです。 |
アルゴス王の命令を受けたヘルクレスは、怖いもの知らずで だったので、弓矢を肩にぶら下げてネメアの谷にしし(ライオン)退治に出かけました。 |
ネメアの谷に行く途中にあるヘリコン山のふもとでは、カンランの大木があって、その木の表面が、ぼこぼこのコブだらけで覆われていたので、「これは、こん棒にするのにちょうどいいぞ。」とヘルクレスはこの木を地面から引き抜いて、自分用の大きなこん棒を作ってから、目的地のネメアの谷へと入り込みました。 |
ヘルクレスは周りの人たちに、しし(ライオン)がどこにいるのかを尋ねようとしましたが、牛飼いや羊飼いたちはみんな恐れて逃げ出しているためか、どこを見ても見当たりませんでした。ヘルクレスは仕方が無いために、この森の中でしし(ライオン)を待ち伏せをすることにしました。 |
一週間後(七日目)の夜になると、ようやく待っていた、あの化けしし(ライオン)に出会ったのです。そのしし(ライオン)を見ると、何を食ってきたのかはわかりませんが、顔やたてがみは真っ赤な血にまみれており、舌でペロリペロリと口の周りをなめておりました。ヘルクレスは「この化け物は、うわさ以上に恐ろしそうだ。」と思いました。 |
その時、しし(ライオン)がヘルクレスを見つけて、近づいて来ました。ヘルクレスは弓矢が届く距離になっても、しばらくそのままで待っており、充分に近づいた距離になると、力いっぱい弓矢を引いて、目がけて矢を放ちました。 |
矢はしし(ライオン)の頭に命中したのですが、石頭のために矢は簡単に折れてしまいました。しし(ライオン)はヘルクレス目がけて襲い掛かりました。 |
その時、手に持っていたこん棒をしし(ライオン)の頭めがけて、ありったけの力で一撃を加えました。しかし、そのこん棒もあっさりとバラバラになってしまいました。でもギリシャで一番の力持ちに目いっぱいの力で、たたかれたのですからしし(ライオン)は一瞬ひるんでしまいました。 |
その隙にヘルクレスはしし(ライオン)の首を両手でつかんで、力いっぱい締めつけました。 すると、とうとう化けしし(ライオン)は息ができなくなって、息が途絶えてしまいました。 |
ヘルクレスは退治したしし(ライオン)の皮をはいで、それを肩に引っ掛けて、しし(ライオン)の頭は自分の頭にかぶってアルゴス王の元へと帰って 行きました。 |
エウリステウスはヘルクレスの話を聞くと、剛勇ぶりに びっくりしてしまって、ヘルクレスを市中には入れないようにし、城門の外で獲物の検分をさせました。 |