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「おひつじ座」
テッサリアの国王アタマスは、最初の妻、雲の精であるネフェレーとの間にプリクソス(兄)とヘレー(妹)の二人の子供をもうけましたが、やがて離婚してしまいます。 |
国王の後妻としてイーノを迎え入れて、その間には、レアルコスとメリケルテスの二人の子供をもうけました。後妻のイーノは 、自分の子供が生まれると、前妻の子供たちが憎らしくなって、自分の手を汚さずに二人を殺してしまおうと考えました。 |
その悪知恵とは、まず、麦の種を火であぶってから、それを村の農民たちに分けて蒔かせました。 |
それは芽の出るはずのない種だったので、その年は村中、大凶作になってしまいました。 |
そこで、国王アタマスが使者を送り、その原因を追求するために行かせました。 |
後妻のイーノは送り込まれた使者をうまくだましこんで、国王に告げさせました。その言葉とは、「プリクソス王子とヘレー王女を大神ゼウスに、いけにえとして二人を捧げれば、凶作はすぐに無くなるようになる であろう。」と国王に告げさせました。 |
しかし、国王は自分の子供たちをいけにえとしては、出さなかったのです。 |
そこでイーノは次の案を考えました。 「農民たちの凶作をなくすためには、いけにえを出すしかないのだ。」 と農民たちに伝えました。そうすると、農民たちは 「二人のいけにえを出せ !!。いけにえを出せ !!。」 とアタマス国王におしかけました。 |
自分の子供たちが殺されようとしているのを知った実母ネフェレーは、大神ゼウスに 「私の子供たちをどうか、守り助けてください。」 と祈り、願い出ました。 |
ゼウスはそのことを哀れに思って、伝令神ヘルメスに 「金色の毛が輝き、空飛ぶおひつじを二人のもとへ送るように。」 と命じ ました。 |
おひつじは二人の子供を背中に乗せてコルキスへと向かいました。 あまりに飛ぶ速度が速すぎたために、移動している途中で妹のヘレーは、ヨーロッパとアジアの間にある海に落ちしまい、溺れ死んでしまいました。そこで、ヘレーが落ちた海を、ヘレスポントス(現在のマルマラ海)と名付けられました。 |
落ちなかった兄のプリクソスはなんとか無事にコルキスに到着しました。 |
コルキスでは、そこの国王アイエテニスからもてなされて、後に王女であるカルキオペを妻としました。プリクソスは感謝のしるしとして、そのおひつじを大神ゼウスにいけにえとして捧げて、おひつじの金の毛皮は国王アイエテニスに送りました。王は非常に喜んで、軍神アレースを祭る森の中にある樫の木にそれを掛けて、昼も夜も眠らないという火竜セコヴィアに、この金の毛皮を守らせるようにしました。 |
そしておひつじは、この金色の毛皮が大神ゼウスによって天空に掲げられて、星座となりました。 |