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マンドリン悠々(2004年5月12日)
指揮者兼アレンジャーの呟き
2004年5月12日(水) 晴
トレモロ
イタリアのトレモロっていうふうに、ひとまとめにしてしまうのは、もちろん乱暴なことだけど、このあいだ、といってもちょっと前になっちゃうんだけど巨匠と拝められている方のそれを聴いたら、誰だってあれが理想だなんて絶対に思わないだろう。もし「さすが、素晴らしい」などと言っているひとがいたとしたら、ぼくは率先してハダカの王様!!って叫んでもいい。でも、それがいいんだと、ほんとうに思っているのなら、それもひとつの価値観でしょうから、それはそれでいいのだ、という具合に素直に鉾先を納めるといたしやしよう。気をつけないと、やたらに回転数ばかりが速くて、速ければ速いほどいいんだみたいな錯角が横行しているかもしれない。
さてと、それならトレモロの理想を掲げなければならないだろう。ぼくの愛するトレモロは「揺らぎ」の技法だ。トレモロは気象条件などによっても揺らぐし、手首の硬さ、柔らかさによっても揺らぐ。もちろん楽器の性能によっても揺らぐし、音楽会場の残響の長さによっても、音楽の正確によっても、また、なにより気分によっても揺らぐであろう。揺らぎというのは、最適な響きを追求することによって生じるきわめて前向きな行動であり、基本は音の響きを持続する、その持続のありかた、すなわち求める響きの理想を実現するための揺らぎであるはず。トレモロの密度という概念も大いに着目すべし!でも、そういうことは理論上のことで、じつは最適な響きや、音楽の方向性を実現しようと自然に弾けばちゃんとそうなっているもの。だんだんトレモロの回転数が高まっていく。たとえば焦燥感を出したいときなんかは、そんなふうになるだろう。ある音に向かっていくようなとき、そういうときも、そういう感じになるかもしれない。音の立ち上がりを早めたいときのトレモロ、こんなのは拍よりちょっと前から弾きはじめる、準備助走トレモロみたいな弾きかたもあるだろう。拍のタイミングのところで最適な響きが伝わるように、早めに弾きはじめる、みたいのもあるだろう。そういう自由な音楽、柔らかい音楽をやりたい。これ、アメデオの今年のテーマにしよう!「揺らぎのトレモロ」
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