実践的コミュニケーション
ホーム 上へ 教室で STUDY NOTE 選択英語

           

ホーム
上へ
教室で
STUDY NOTE
選択英語

             


 

 

    Statlib2.wmf (7856 バイト)

 

 

作者 松本 光正
所属:








埼玉県中学校英語教育
研究会広報部

 

更新日:99/06/13

 

平成10年12月の学習指導要領の改訂によって、「実践的コミュニケーション」という言葉が浮き彫りにされた。

「実践的コミュニケーション」の「実践的。。。」とはいままでのコミュニケーションとどう違うのか?

 私なりの解釈でいけば、今までが'Real_world'を追及しつつも、'Pedagogical'な粋を踏み出せなかったのに対し(言語材料の「理解から運用」そして、「クラス内コミュニケーション活動」まで)、これからは「生徒が実際に英語をどうしても使用しなければならない場面・状況を考え、臨場感あふれるコミュニケーション活動をRealに設定していく」ことだと思う。

 言葉を変えれば、指導案を作成するにあたり今までは言語材料が中心的内容であったが、これからは「こんなときどう言うか、どうするか」という場面・生徒活動が中心になると思う。つまり、指導案の中心項目は「場面・状況設定」でありTopicが中心事項になるということだ。そこから必要とされる言語材料を生徒の発達段階に応じて、精選して提示していくこととなるだろう。学習者に「どんなときにどんなところで、どんな英語を必要とするのか」をしっかりと認識してもらうことが大切だろう。学習者側に"English-Needs"が感じられればよりAuthenticなReal-worldを教室内でも実現していけるのである。

 

(学習指導要領、抜粋) 第9節 外 国 語

第1 目 標

 外国語を通じて,言語や文化に対する理解を深め,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り,聞くことや話すことなどの実践的コミュニケーション能力の基礎を養う


第2 各言語の目標及び内容等

 英 語

1 目 標

(1) 英語を聞くことに慣れ親しみ,初歩的な英語を聞いて話し手の意向などを理解できるようにする。

(2) 英語で話すことに慣れ親しみ,初歩的な英語を用いて自分の考えなどを話すことができるようにする。

(3) 英語を読むことに慣れ親しみ,初歩的な英語を読んで書き手の意向などを理解できるようにする。

(4) 英語で書くことに慣れ親しみ,初歩的な英語を用いて自分の考えなどを書くことができるようにする。

2 内 容

(1) 言語活動
 英語を理解し,英語で表現する能力を養うため,次の言語活動を3学年間を通して行わせる。

ア 聞くこと
 主として次の事項について指導する。

(ア) 強勢,イントネーション,区切りなど基本的な英語の音声の特徴をとらえ,正しく聞き取ること。
(イ) 自然な口調で話されたり読まれたりする英語を聞いて,具体的な内容や大切な部分を聞き取ること。
(ウ) 質問や依頼などを聞いて適切に応じること。
(エ) 話し手に聞き返すなどして内容を正しく理解すること。

イ 話すこと
 主として次の事項について指導する。

(ア) 強勢,イントネーション,区切りなど基本的な英語の音声の特徴に慣れ,正しく発音すること。
(イ) 自分の考えや気持ちなどが聞き手に正しく伝わるように話すこと。
(ウ) 聞いたり読んだりしたことについて,問答したり意見を述べ合ったりすること。
(エ) つなぎ言葉を用いるなどいろいろな工夫をして話が続くように話すこと。

(ア)は言うまでもなく、音声面でのAccuracy-Workである 

(イ)はSpeech, Prezentationなどの指導が該当するかと思う

(ウ)はDiscussion, Debateなどの指導が該当するかと思う

(エ)はFree-talkingなどでのCS(Communicative-Strategies)の指導が該当するかと思う



ウ 読むこと
 主として次の事項について指導する。

(ア) 文字や符号を識別し,正しく読むこと。
(イ) 書かれた内容を考えながら黙読したり,その内容が表現されるように音読すること。
(ウ) 物語や説明文などのあらすじや大切な部分を読み取ること。
(エ) 伝言や手紙などから書き手の意向を理解し,適切に応じること。

エ 書くこと
 主として次の事項について指導する。

(ア) 文字や符号を識別し,語と語の区切りなどに注意をして正しく書くこと。
(イ) 聞いたり読んだりしたことについてメモをとったり,感想や意見などを書いたりすること。
(ウ) 自分の考えや気持ちなどが読み手に正しく伝わるように書くこと。
(エ) 伝言や手紙などで読み手に自分の意向が正しく伝わるように書くこと。

(ア)は言うまでも無く、Accuracyであり文法、構文指導である

(イ)(ウ)はFluencyであっても"WHAT-TO-WRITE"の重要性を知ることであろう

(エ)は"Message"としてのWriting内容指導のことであろう


(2) 言語活動の取扱い

ア 3学年間を通した全体的な配慮事項
 3学年間を通じ指導に当たっては,次のような点に配慮するものとする。

(ア) 実際に言語を使用して互いの気持ちや考えを伝え合うなどのコミュニケーションを図る活動を行うとともに,(3)に示す言語材料について理解したり練習したりする活動を行うようにすること。
(イ) コミュニケーションを図る活動においては,具体的な場面や状況に合った適切な表現を自ら考えて言語活動ができるようにすること。
(ウ) 言語活動を行うに当たり,主として次に示すような言語の使用場面や言語の働きを取り上げるようにすること。
〔言語の使用場面の例〕

a 特有の表現がよく使われる場面

・ あいさつ      ・ 自己紹介   ・ 電話での応答

・ 買い物        ・ 道案内       ・ 旅行

・ 食事 など

実際に海外旅行や英語使用環境で、生徒が英語を必要に迫られて使う場面であり、この状況(a)がもっとも臨場感を生みやすいと考えられる。(実践的コミュニケーションには有効)



b 生徒の身近な暮らしにかかわる場面

・ 家庭での生活     ・ 学校での学習や活動
・ 地域の行事 など

(b)の状況であると生徒に英語使用の必要性がないため、実際にはAETや外国人を相手に紹介する場面がもっとも有効であると考えられる。



〔言語の働きの例〕

a 考えを深めたり情報を伝えたりするもの

・ 意見を言う   ・ 説明する      ・ 報告する

・ 発表する      ・ 描写する など


b 相手の行動を促したり自分の意志を示したりするもの

・ 質問する       ・ 依頼する     ・ 招待する

・ 申し出る       ・ 確認する     ・ 約束する

・ 賛成する/反対する   ・ 承諾する/断る など


c 気持ちを伝えるもの

・ 礼を言う     ・ 苦情を言う  ・ ほめる
・ 謝る など

a,b,c,どれも人間が生活を営む上で必要な表現であり、Non-verbalな形での指導も有効であるし、大切。臨場感あふれる場面・状況設定が必要であり、それは上述の表現を必要とするものでなければならない。また、扱うTopic自体が深まりのあるものが必要なものも多い。

場面設定や状況設定をうまく行わないと臨場感あふれるコミュニケーションにはなりにくい。

DiscussionやDebate、または感想文などには有効であろう。



イ 学習段階を考慮した指導上の配慮事項
 生徒の学習段階を考慮して各学年の指導に当たっては,次のような点に配慮するものとする。

(ア) 第1学年における言語活動
英語を初めて学習することに配慮し,コミュニケーションに対する積極的な態度の育成を重視するとともに,身近な言語の使用場面や言語の働きに配慮した言語活動を行わせること。その際,自分の気持ちや身の回りのできごとなどの中から簡単な表現を用いてコミュニケーションを図れるような話題を取り上げること。
(イ) 第2学年における言語活動
第1学年の学習を基礎として,言語の使用場面や言語の働きを更に広げた言語活動を行わせること。その際,第1学年に加え,特に,事実関係を伝えたり,物事について判断したりした内容などの中からコミュニケーションを図れるような話題を取り上げること。
(ウ) 第3学年における言語活動
第2学年の学習を基礎として,言語の使用場面や言語の働きを一層広げた言語活動を行わせること。その際,第2学年に加え,特に,様々な考えや意見などの中からコミュニケーションが図れるような話題を取り上げること。

"How_to_speak"から"What_to_speak"への転換、そして個性的で高度な情報やメッセージの伝達のやりとりを考えていかねばならない。

 *実践的コミュニケーションの実現とは、「学習者側にEnglish_Needsが感じられるReal_worldな場面状況を提供し、より高度に精選された個性的でuniqueなInformationのやりとりを実現していく」ことだと私は感じている。

 

[ ホーム ] [ 上へ ] [ 教室で ] [ STUDY NOTE ] [ 選択英語 ]

 

【個人研究内容】
- 平成8年4月より -
グローバル英語教育の導入〜異文化理解教育からのアプローチ〜
@メディアの活用A相互依存B参加型協同学習C国際交流・体験学習D英語・実践的コミュニケーションの必要性

Bcity1.wmf (1404 バイト)
上記詳細は mail にて: mitsumasa@saitama.email.ne.jp