9月19日 「幸運(?)な一日」

今日は5回目の結婚記念日だ。「今日は早よ帰ってきーや」とダンナに念を押された。早く帰りたいのはやまやまだが、一つでも子どものいる巣を発見すれば、いつもどおり泊まりの調査になる。

前回子どもの巣立ちを確認した巣の近くをガサガサ探していると、目の端をちらっとオレンジ色の生き物がかすめた。「カヤだ。」咄嗟に動きを止め、首だけゆっくりとねじってその方向を探る。いた。私からほんの1m程離れたセイタカアワダチソウの葉の上に、カヤがバッタみたいにしがみついている。驚かさないようにそろそろと体の向きを変え、観察する。

カヤは、背中を向け、出来るだけ小さく縮こまってぶるぶる震えていた。大きさから言って、まだほんの子どもだ。この前巣立った子どもの内の一匹に違いない。暫くすると、安心したのか、ごそごそ動き出した。カヤネズミはネズミの仲間だが案外動きはのろい。ゆっくり茎を伝って降りていき、よっこらせと隣のススキの葉に移ってそのまま株の間に姿を消した。

それを見届けて、私はハーッと溜めていた息を吐き出した。ほんの5分ほどの出会いだったが、子カヤが巣立ち後も元気にしているのが見届けられて、満足だった。

他の巣も調査したが、子どものいる巣は発見できなかった。今日は久しぶりに早じまいということで、運よく(?)家に帰って結婚記念日を祝うことが出来た。