2005/02 熊本 阿蘇 - 1日目

初日の天気は雨でした。 夜まで降り続く予報だったので自転車で走るのは断念し、 熊本市内を観光してから宿泊地の高森に向かうことにしました。


熊本空港には昼少し前に到着しました。 天気が良ければ、ここから宿のある高森にバスで直行し、宿の近辺を走る予定でしたが、 冷たい雨の中を無理して走ることはないと、熊本市内の観光に切替えました。 ちなみに、自転車は事前に宿に送ってあったので、 予定を変更しても自転車の運搬や保管に煩わされずにすみました。


昼食は熊本ラーメンにしました。 沢山の店があったのですが、上通りのアーケードにある 「山水亭」 で食べました。 熊本ラーメンにしては、比較的あっさりした味で、私の好みに合っていました。 なぜか店頭で豚饅が売られていて、そちらも人気があるようでした。


午後になると雨は止みました。 そこで、昼食後は熊本城を見学に行きました。 2年前に来た時には外から見ただけだったので、中に入るのは初めてです。 繁華街に近い側の入口、須戸口門から入りました。 入園料は500円でした。


須戸口門から天守閣まではかなりの距離があります。 その途中で石垣の間を通るのですが、優美な曲線を描く石垣は素晴らしいものでした。 石垣の上には幾つかの櫓があって、それは重要文化財に指定されています。


本丸では御殿の復元工事が行われていました。 2007年が築城400周年にあたるので、それを記念しての事業のようです。


あちらこちらを見学しながら30分ほど歩いて天守閣に到着しました。 天守閣は南西戦争の際に焼失していて、 現在の建物は鉄筋コンクリート造りで、内部は史料館になっています。


天守閣の最上階は展望台になっています。 天気が良ければこの写真の方向に阿蘇山が見えるはずです。 しかし、雨が上がったとはいえ、まだ雲が低く山は全く見えませんでした。


天守閣の最上階からは本丸御殿の復元工事現場も良く見えました。 本丸御殿は木造で復元しているようで、木の柱が途中まで組み上がっていました。


天守閣のすぐ裏には、その小型版という感じの宇土櫓があります。 こちらは焼失を免れていて、昔からの建物です。 重要文化財に指定されています。 この内部も見学できるようになっていましたが、残念ながら時間切れで断念しました。


熊本駅までは市電で移動しました。 市電の最新車両は2両連結の低床車で、白いスマートなものです。 割りと良く見掛けたので、何台も走っているようです。


2両連結の後部車両には女性の車掌が乗務していて、 車内アナウンスと後部出入口での料金徴収をしていました。 料金は均一制でなく距離により変わるもので、 乗車時に整理券を取って、下車時に支払う方式になっていました。 熊本城前から熊本駅前までで150円でした。


市電の一般車両は全体が広告になっているものばかりで、 白色でスマートな低床車とは対照的でした。


JR熊本駅は綺麗にリニューアルされているように見えますが、 かなり古い建物をそのまま使っている感じでした。 そして、4階の窓を良ーく見てみると、向こうに空が見えます。 実際には3階しかないのに壁だけ作って外観は4階にしたという、 なんともユニークな造りになっているのでした。 新幹線が開業すれば改築するので、それまでは我慢ということでしょうか。


熊本駅の内部は思い切りレトロでした。 石を積んで作ったホーム、大きな屋根を支える木の柱、うどん屋などなど。 奥のほうには煉瓦造りの車庫も健在でした。 文化財に指定したいようなものばかりでした。


熊本駅から高森駅までは、JR豊肥本線で立野駅まで行き、南阿蘇鉄道に乗り換えて行きます。 熊本駅の豊肥本線ローカル電車の乗り場は隅にある「0A」と「0B」番線でした。 0番線というのは幾つかの駅にあったと思うのですが、 ここには0番が2つあって、AとBを付けて区別していました。 この0B番線から乗った電車はJR九州だけで走っている新型でした。 この電車は立野駅までは行かずに、途中の肥後大津駅でディーゼルに乗り換えなければならず、 高森駅までは、結局2回の乗り換えが必要でした。 ただ、連絡は比較的良かったので、所要時間は1時間半ほどでした。


南阿蘇鉄道はレースバスで運行していました。 普通の電車よりも小型ですが、バスよりは大きい車両でした。 ワンマン運転で、後乗り、前降りになっていました。 前後のドアの間はとても長いロングシートの座席になっていました。 立野駅ではJRから数十人が乗り換えたので、席がかなり埋まりましたが、 途中でどんどん降りてゆき、高森駅まで通して乗ったのは私だけでした。 なんか経営は苦しそうな感じでした。


南阿蘇鉄道の高森駅は唯一の有人駅ですが、改札は無く、 ここでも料金箱に料金を入れてから下車するワンマン方式でした。 「高森駅」 の他に 「高森町産業観光館」 という看板も出ていて、 産業観光館が主で駅はおまけという感じでした。

今回利用した宿は 「はなしのぶ高原ペンション村」 にあるペンション 「ばあどこーる」 です。 高森駅からは4Kmほど離れているので、宿から迎えに来てもらいました。 阿蘇山の南東側の国道265号線沿いにあり、標高は600mほどです。 標高が高いので夏は涼しくて良いのですが、冬は寒すぎて訪れる人は少なく、 初日を除いて宿泊客は私一人だけでした。

宿に到着したのは午後4時半ごろだったので、夕食までに自転車を組み立てました。 玄関を借りて作業ができたので、寒い屋外で震えることもなく翌日からの準備が出来ました。 この時、外は冷たい雨が降っていて、気温は0度近くに下がっていました。


夕食はコース料理でしたが、自家製のハーブを使った美味しいものでした。 魚と肉の両方が出され、量的にも十分なものでした。 洋食なのですが、阿蘇らしく、高菜漬けが添えられていました。