ビッグオーダールーム

   GGGベイタワー基地メインオーダールームの直下、水深約80mに位置する点に機動部隊隊員、すなわち勇者ロボット達と、メインオーダールームスタッフが合同で会議を行うため設けられた巨大会議室。機動部隊隊員の全高は20m以上に及ぶ者が大半であるが、その彼らにとっても空間的にゆとりのあるものになっている。会議用の立体スクリーン、機動部隊員のための専用座席とそれに付随してデータ出入力用端子などが設置されている。
   このビッグオーダールームの存在は、機動部隊隊員であるAIロボット達にもGGGの作戦運用の中核に位置する権利を与えていることの証明であり、AIといえども、GGGの「一人の隊員」としての人格を認めていることを意味する。彼らには常に前線において作戦に従事する者としての義務が課せられているが、同時にその権利も保証されなくてはならない。限りなく人間に近い思考を行い得るGGG機動部隊のAIロボット達に人格を認め、その人格を尊重してこそ人間とAIロボット達の間の相互の信頼を築き得る。大河長官の以上のようなスタンスに基づき、GGGではAIロボット達に対して、一般の隊員とほぼ同等の権利を保障している。これまでに例は見られないが、AIロボット達は立案された作戦が不服であるならばこれを拒否し、代替案を提出する権利も認められているのである。これによって、AIにかかるストレスを軽減し、より円滑な作戦行動を実現しようという意図がある。
   GGGのAIロボット達は、生まれながらにその生き方をある程度決定されてしまっている存在である。彼らのメンタリティにおいて、そのことは疑問視されることが少ない事実であるが、自らの意志次第で生き方をある程度自由に選択できる人間に常に接触している彼らが、自らの境遇に対して何らかの疑問を抱くことが無いとは言いきれない。なぜ自分たちは生き方を選べないのか。望むと望まざるとに関らず、人間を守るために戦い傷つかねばならない彼らにアイデンティティを与えるためにも、ビッグオーダールームの存在は必要不可欠なのである。