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1975年 カラー80分 監督、出演者、失念。
75年は昭和50年。当時、クーラーのない部屋に住んでいた。西武新宿線鷺宮駅前で夏。妙正寺川からボウフラが湧いて蚊が飛来。私の避暑地は映画館だった。
暑さしのぎが目的なので興味のない映画もたくさん観た。今でも夏になるとB級映画が観たくなるのはそのせいか。夏のせいか。
「細切れマン、ぶちぶち」もそういった映画の一本で、もはやこのタイトルで合っていたかも怪しく、特に「ぶちぶち」がもっと嫌悪を感じる言葉選びがされていた気がするが覚えてないから分からない。「じゅぷびち」だった。今、思い出した。
青春ホラーアクションエロス。馬鹿な邦題を付けられてしまっていたが、なかなか美麗な造形の細切れマンが、巨大なコマ切れマシーンを担いで、のろのろと主人公の巨乳ティーンを襲い、巨乳ティーンはサヴァイバル。代わりに彼氏や保安官やカウボーイや超デブが血飛沫とコマ切れ。映画の中も夏だった。私の生活も夏だった。映画館を出ようとするとマレーシア風の夕立ち。普段なら濡れても帰るところだったが、干しっぱなしの布団のことを思い出すと絶望して館内に引き返し、もう一度最初から観たのだ。
二回目の細切れマン。一回目とストーリーが変わっていた。細切れマン2?、今日は二本同時上映かしらんと、場内と同じくガランとしたロビーに出て、日頃の横柄な態度に密かに腹を立てていた従業員に、そんなそぶりも見せずに丁寧に尋ねたが、返ってきた横柄な返事は先程と同じだとの事。
寝てたからだった。さっきは半分寝てたからな。ちゃんと観たら知らないストーリーがいっぱい。違う映画かと思った。妹がいるとは細切れマン。恋もしてたよ細切れマン。就職も。レンタルビデオ屋の店員だった。あとまだ無名の頃のバルケス・ケストラーダも出ていて、今と同じ大袈裟な演技で太い眉を強調していた。細切れマンはほうれん草とサーモンのパニーニが好物です。外国映画の食い物はうまそうだ。
2回目が観終わってもまだ雨が降っていて少し辟易したが、今度は濡れて帰った。その夜、蒸し暑くて眠れなかった。部屋が汚くて少し泣いた。よく覚えている。もう忘れたい。
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