世界初のテレビゲーム・ODYSSEY

【寺町】 はじめまして。寺町電人と申します。

【ベア】 どうもはじめまして。

【寺町】 たいへん失礼な質問もさせていただくと思うのですが、ODYSSEYに対する真実を知りたいだけで、決して他意はないということをご了承ください。まず、世界初のテレビゲーム・オデッセィですが、この名前の由来は?

【堀江】 名前はマグナボックス社が決めました。

【寺町】 たいへん失礼ですが、ODYSSEYで遊べるポンテニスゲーム(詳しくはオデッセィとほぼ同仕様のブラウンボックスのコーナーをご覧ください)は私にとって、かなりおもしろくないゲームでした。それはサウンドがないとか、得点が出ないという理由からではありません。ラケットにボールが当たっても、球の動きが自動的に変化しないからです。

そこで私は思いました。ベアさんは本当はボールを自動変化するように作りたかったのだけど、予算や'60年代の当時の技術的問題で、断念したのではないか、と。つまり、ベアさんが本当につくりたかったのは、あのアタリ社のPONGのようなゲームではなかったのですか?

ODYSSEY(1972年)。
ボールの方向は自動的に変わらない

アタリ社アーケードゲームPONG(1972年)。
ボールの方向は自動的に変わる


【ベア】 まあ・・・(笑)。ODYSSEYのピンポンゲームは横と縦の動きができますよ。PONGはできないでしょ?(笑)ODYSSEYピンポンみたいに、ボールの方向の動きを変化できるようにするほうがコンプレックス(複雑)なんです。その方が難しいかもしれないしね。

【寺町】 あのオーバレイは、ODYSSEYの弱いゲーム性を補うために付属されたものだと、これまた勝手に思っていたわけですが・・・。

【ベア】 バックグランドグラフィックをつくるテクノロジーがなかったため、オーバーレイが必要だと思いましたが、PONGやコンピュータースペースなんかは使いませんでしたね。



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