<インタビュー補足>

クラシックテレビゲームに関しては、当時の開発者へのアクセスがわからないことが多く、取材を行わずにレポートが組み立てられていることが少なくありません。こんな部品をつかっているから、こうだろうみたいな状況証拠的レポートです。語る人が少ないだけに、それが誤認であろうが、事実として後世につたわるということが、これまでにもよくありました。考えてみればひどい話なのですが、実はこのインタビューを行う直前、聞き手(寺町)はそのポカをやってしまいました。某フリーペーパーへODYSSEYの原稿を執筆した時、1Pにあるように「ODYSSEYは当時の技術的乏しさ問題で、ボールの動きが自動的に変わらないのだろう」と書いてしまいました。ベアさんすいません、こちらのホームページ版のほうが伝達力があると言うことで、水に流してください。(^^;

(2003年5月補足加筆)
このインタビューでODYSSEYは自分のゲームデザイン通りに製品化されたとおっしゃっています。これは後の内容から、
ケーブルテレビで背景画を送ろうと計画されていたように、バックグラウンドを変えることにより広がるゲーム(デザイン)を重点的に考えられていた、ととらえることもできます(実際、私は数年来、この場所でそう公表してきました)。しかし、2003年5月にこの件を確認したところ、ベア氏にとって大切だったのは、背景のオーバーレイを必要としないポンテニスや光線銃ゲームの方だという証言をいただきました。

このオーバーレイ重視の考え方を打ち出したのは、ベア氏ではなくマグナボックス社でした。ODYSSEYはよくあるポンテニス機とは一線を画し、背景とゲームボードやチッピ、コインなどを組み合わせてパーティゲームのバリエーションを楽しむテレビゲームなのですが、ベア氏はむしろ、そういうものを減らしてコストを下げた方が、オデッセィはもっと売れたはずだと思ったそうです。
とはいえ、マグナボックスのこの荒削りなアイデアを、少なくとも私は評価したいと思います。いくつもの歴史を重ねてきた現在では絶対考えられないようなシステムは、やはり前例がない創生期だからこそかかげられた”可能性”であると思うからです。それに実際にプレイしてもおもしろいんですよ。持続性はないかもしれませんが。(^^;


世界一のクラシックゲームイベントCGE99にて、寺町はついにベア氏と対面しました。手に持っているのはもちろん初代ODYSSEY。今から考えれば日本人形のひとつも持参すればよかったですねえ。
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