市川市堀之内 北国分駅(整形外科・内科・外科・小児科)

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開業9ケ月の経緯 クリニックのマーク(藤の花) 整形外科 内科 外科 小児科

拝啓 齋藤 佳治先生

先生が逝かれてから約9ヶ月が過ぎました。その間今年は日本全体が落ち着かない年でした。

世の中の変化について:

 3月11日東日本大地震が起こり、津波が来て2万人近い方が尊い命を奪われました。今もなお多くの方々が避難所生活を強いられており、テレビで映像を見ると食卓を囲んでいられる自分たちがとても申し訳なく思えます。

 戦後の復興と高度成長を成し遂げた我々日本人ですから、破壊されたとしても復興する力はあると信じておりますし、いくらでもがんばることは出来ると思います。原発が停止しているにも関わらず一般への電力供給が保たれている企業の努力は賞賛に値します。しかし放射能の問題は頑張ればすむ問題でなく、この美しい日本が汚染された事に深い悲しみを感じると共に、食べ物、水、土壌、空気という生活する上で必須の要因に不安が生じ、今後子供達が安全に暮らしていけるのか憂える世の中となりました。

 円高はとどまる所を知らず、海外旅行には最適ですが日本の技術が海外に流出し、日本製品が海外で売れなくなり、電力消費削減による国内生産力低下とあいまって今後国内の経済が停滞するのでないか懸念されます。
混迷を極めた内閣は菅総理から野田内閣へと変わりました。今後日本はどうなるのでしょうか?

いざなぎクリニックについて:

 勤務医として過ごしてきたこれまでと、経営者としての自分にはかなりのギャップがあり、戸惑いも多くありました。医院の運営、職員の勤務、給与についても最初はどうしたらよいか全く分かりませんでした。
 そんな中支えとなり、励みになったのは先生の生前の言葉でした。「地域に根ざしたクリニックにするために自分の名前をつけず、いざなぎ神社の名前をいただき、いざなぎクリニックと名づけた。これからも地域の為に尽力してほしい。」
 自分がどのように地域に貢献できるか、考え、方向性を決定すれば間違いがないと気がつきました。

地域連携について:

 1人で出来ないことも皆の力を合わせれば可能となります。総合病院(一条会病院、国府台病院、市川総合病院、松戸私立病院、鎌ヶ谷総合病院、千葉大学病院、千葉中央メディカルセンター)との連携を強化しました。緊急時の入院要請や精査依頼をスムーズに行い、在宅緩和ケア等の特殊外来が必要な方のコンサルトも順調に行っております。
 石井薬局様も含め近隣の薬局様との連携も良好で、処方箋内容のダブルチェック機能が働いております。

診断・治療レベル向上への努力:

 非常勤医師2名(呼吸器専門医、外科専門医)もお迎えしました。

 呼吸器専門の高田医師によりCOPDおよび喘息患者様の治療効果改善およびレントゲン読影のレベルアップによる肺がんの早期発見を開始しました。又、厚生局の喘息治療機関の認可を受け、呼吸機能検査、呼吸器機能訓練、吸入ステロイドの服薬指導と超音波吸入器2台で吸入療法も行なっております。

 近々外科専門医の枝医師により経鼻胃内視鏡検査を開始します。採算度外視ですが富士フィルムメデイカルの最新機器を導入致しました。先生が亡くなられる原因となった胃がんの撲滅を目指します。

 先生の始められたトリガーポイント治療も効果は良好です。腰部筋膜炎による急性腰痛は通常1〜2回のトリガーポント治療で劇的に改善します。多くとも4〜5回のトリガーポイントで通常は腰痛が改善するのですが、治りが悪い方は大概は変形性腰椎症などの異常を持っていることが多いので、総合病院のMRI予約を当院で行い、撮影後の説明を写真を見ながらご本人に丁寧に説明する事で、変形性頚椎症及び腰椎症、脊柱管狭窄症の正確な診断と病態把握、手術が必要な患者様のご紹介が出来るようになりました。

 宣伝はしておりませんが、こども病院での経験を生かして小児科の標募を行いました。他院で小児漢方は探してもやっているところは少ないと思いますが、千葉大学病院での和漢診療部との連携もあり、東洋医学会会長である寺澤先生のご指導により少しずつ著効症例を重ねております。院内薬局の認定も受けましたので、またもや採算度外視ではありますが、院外処方を受け付けてくださる大丸薬局様への院外処方と共に、患者様の生薬での漢方処方のご希望に答えたいと思います。

医療事務業務に関しても大幅改善を行いました:

 以前は行っていなかった診療情報提供書の交付を開始し、診療費を明瞭化致しました。シュレッターを購入し個人情報保護への取り組みを本格化。受付事務佐藤さんをお迎えし、事務内容の効率化を推進中です。これにより患者様の診察待ち時間を極端に減らせるようになりました。

安全性への配慮:

 スタッフが女性ばかりのクリニックでしたが、セコム遠隔警備システムを導入し、男性医師が来て患者様及び職員の安全確保がより確実になりました。

院内設備について:

 より良いホスピタリティをもたらすため、院内の大規模模様替えを行いました。自動ドア入り口の清潔不潔部分を明確にし、マットを高級なものに変えました。仕切りを取り払って待合室を見通しよく、風通しよく致しました。いざなぎ神社の神棚からの見晴らしもよくなったと思います。院長室も職員の休憩室に変更し、災害緊急時の入院利用、医師の当直体制がしけるように致しました。いつも水が流れっぱなしになっていたトイレも工事し節水を実践しております。

 昨年の10月頃「ここはいいクリニックだよ。これから先生のクリニックだ。」と待合室を見廻しながら齋藤先生が私に仰った時、齋藤先生は大変お元気で、先生は何を言っておられるのかしらと思っておりましたが、斉藤先生はその時すでに死期を覚悟されていたのかもしれません。あの頃私は何も分かっておりませんでしたが、齋藤先生がここまでの基盤を作って下さったからこそ現在のいざなぎクリニックがあります。変わらぬクリニックでいる為には、時代に則し、少しずつ良い方向へ変化して行かねばなりません。何事も始めるのは簡単ですが、それを維持し安定化させより良くしていくことが重要です。

 今後も節目節目で振り返り、反省を繰り返しながら前進してまいります。

 この場をかりて、いざなぎクリニックを支えて下さっている患者様、
連携医療機関の方々、スタッフの皆様、家族、私の両親に感謝致します。

これからもがんばってまいりますので、何卒ご支援の程よろしくお願い致します。






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