点火タイミングをいじろう

 ということでディストリビューターレンチなるSSTを購入した。L型に曲がったハンドル9/16のボックスレンチが付いた物だ。私が最初に入手したコルベット用のSSTがこれである。これを使ってネジを緩めてデスビを少しずつ回してやればよい。デスビを上から覗いてローターは右回りなので、本体を左に回せば進角、右に回せば遅角する。本来ならタイミングライトでハーモニックダンパーを照らしてタイミングを確認しながらやるべきだろうが、ここでは人間の耳だけに頼った調整法を紹介しよう。後にエンジンのオーバーホールをして判ったことだがチェーンカバーに付いているタグとダンパーに付いているマークは全くアテにならないのだ。

 では、現状セッティングがノーマルであると仮定して話を進めよう。例のSSTでデスビのホールドダウンスクリューを緩める。この時少し強い力でデスビが回る程度緩める。あまり緩めすぎるとエンジンをかけたときにスパゲッティーみたいにデスビにプラグコードが巻き付くことになるので注意!。また、いつでも元に戻せるように合わせマークを付けておくことも忘れないように。
 準備できたらエンジンをかけてみる。そしておもむろにデスビ本体をどちらかに僅かずつ回してみよう。どうだろう?回転数に変化があったはずだ。
 では、どういうセッティングが最良なのだろう?。厳密にはATDC10度付近で内圧が最大になるようなタイミングが良いとされる。しかし、そんな事を測定できるはずがないので、一般に点火時期は可能な限り早いほど良い、つまり高出力が得られるとされている。よってノッキングしないぎりぎりのところが最高の点火時期と言うことになる。まあ燃焼温度が上がる等の弊害もあるが、何より‘調子良くなる’といったメリットの方が大きい。
 実際に最高のポイントにセッティングしてみよう。エンジンがかかった状態でデスビ本体を進角させる方向つまり左方向に徐々に回してみる。すると、どんどん回転数が上がっていきあるところでノッキングを始めじきエンストするはずだ。耳をこらして一番回転数が高くなったところにセッティングすれば良い。アイドリング回転数が高くなっているので600rpm前後にセットし直す。何回かこれを繰り返し回転数が一番高くなるところを探し出す。後はネジを締めて、テスト走行。全回転域でノッキングしないか確認する。もし、ノッキングするようなら徐々に遅角させテストを繰り返せばよい。ハイオクを入れてみるのも良いかも知れない。

ディストリビューター

 私の場合レギュラーガスで約20゜BTDC@600rpmが水温も上がることなく快適なポイントであった。このポイントを”すばらしい点”と呼ぶ事にした。ではなぜメーカー出荷時のセッティングが6゜BTDC@500rpmと遅いのか?理由は排ガス関係で遅角させているのだが、それについてはここで触れる問題ではないので機会があったら説明しよう。

まだ回転がばらつくぞ   あれ?V7エンジン?   目次へ   ホームに帰る