ジェントル化計画1

 そろそろギアドライブにも飽きてきたし、やかましすぎるのでチェーンに換えてジェントルに走る計画に移ったのだ。なんせ耳栓無しでは長時間乗っていると超音波で頭がおかしくなりそうなのだ。
 夏に一度チェーンに換えたのだが、そのチェーンはプラマイ4度タイミングが変えられるものだった。しかし微妙に今のバルタイ(ギアドライブの偏心カラーで2度アドバンス)に合わず、燃調を取り直さないとまともに回らなくなってしまったので、すぐにギアに戻してしまった。
 今回用意したチェーンはCLOYESのHEX-A-JUSTというチェーン。カムスプロケットに偏心カラーが付いていて、それを回転させて無段階にタイミングが変えられる物。クランクスプロケット側でプラマイ4度、カム側でプラマイ6度変えられるので、最大プラマイ10度タイミングが変えられる。また、このチェーンセット専用のクイックボタンタイミングカバーなるフロントカバーもあり、WPさえ外せばカムにアクセスできるようにサービスホールが付いている。更に調整式のカムボタンも付いており、クリアランス調節も簡単にできる。


無段階調節カムチェーン


クイックボタンタイミングカバー

 まずはギアドライブの撤去をする前に現状のタイミングを調べておく。ローブセンターがどうのこうのは今回は関係ない。チェーンにしたときに現状と同じタイミングが再現できればいいので、どこか適当なロッカーアームにダイアルゲージを当て、ロッカーアームが動き出すクランクの位置を記録。測定精度を上げるため角距離を大きく取る。今回はクランクを回すブレーカーバーの位置をマークしておいた。何度か測定し再現性を確認する。


ダイアルゲージを当てる

 次にギアドライブ撤去。何度かバラしているが特に摩耗などはない。


ギアドライブ撤去

 そして、チェーンをインストール。予め記録しておいたタイミングになるように偏心カムをセット。ギアドライブでは2度のカラーをアドバンスで使用していたが、チェーンの偏心カムは約4度アドバンスの位置でギアドライブのタイミングが再現できた。まあ、細かいことはどうでもいい、ギアドライブと同じタイミングが再現できればそれでよいのだ。


チェーン装着

 次にチェーンカバーをセット。真ん中のカムボタン付きの蓋を仮組みしてカムボタンのクリアランスを出す。写真のように真ん中の蓋だけ取ってタイミングの微調整ができるようになっている。


チェーンカバー装着


チェーンカバー蓋装着

 ここでまさかの事態が発生。ウォーターポンプがカバーに当たって付かない(-_-;)。取り説には「ファクトリーポンプで設計してある。社外品レーシングポンプでは当たるかも?」などというふざけた文が書いてある。例外ではなく当たってしまったのだ。ポンプの裏蓋を外してみたところ、蓋を潰しても内部のクリアランスは十分だったので蓋を板金。下半分をぺったんこにした。これで当たらないはずだったが。。。


ウォーターポンプの裏蓋板金

 装着後は驚くほど静か(笑)今までがやかましすぎたのか。とにかくキシミ音とか周りの車の音とか異音が異常に気になる。そんな中、テスト走行でキ〜〜〜とかガァ〜〜という異音が発生。まだウォーターポンプが当たってカムボタンにオーバーロードがかかっているのか? 組むときにカムボタンとスラストベアリングにグリスを塗るのを忘れていたからか? 急遽ピットに戻って再度分解してチェック。カムボタンかスラストベアリングが潰れて回されているような音だったので恐る恐る確認してみたが特に問題はない。切り粉が散っている様子もない。真ん中の蓋のネジが若干ウォーターポンプの裏蓋と干渉しているようだったので裏蓋の干渉部位をサンダーで削る。これでもう当たりはないはず。
 組み上げてエンジンをかける。キ〜という音はないが、かすかにガァ〜〜と聞こえる。普通にチェーンの音なのか(謎)。カバーの蓋が共振して音を出しているのか? 後日確認しよう。

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