エンジン分解7

 これらオーバーホールの作業は現在書き下ろしている9ヶ月前(2001年5月頭)に行っている。すぐにUPする予定だったが、ついつい間延びに(^^ゞ。写真で整理も付かぬまま現在に。。。
 まあ、前置きはよしとして、エンジン組み上げもいよいよ最終段階(というか端折ってシメに入ってる)に突入。前回ピストンも組み上げたところで、あとはカムとヘッドを乗せれば完成。カム挿入までは写真があったが、ヘッドを乗せてロッカー周りを組んでいる写真がないので悪しからず。
 今回採用したカムは、CRANEのENERGIZERを使用。これまでは超穏やかなCOMPCAMの206度@0.05” 0.425”リフトを1.6ロッカーで使用していた。今回も前回同様、コンセプトは街乗り重視で比較的穏やかな物。222度@0.05” 0.467”リフトを同様に1.6ロッカーで使用する。作用角で16度、グロスリフトで約1.14mmリフト量UP。


新旧カム比較


新旧カム比較

 実際カムを並べてみてもパッと見では差はわからない。1.5倍ほどのロッカーアームでバルブは押されるわけで、カム単体で見るとカム山の差はより小さくなる。ハイリフトカムだからと言ってカム山の高いところが高くなるわけではなく。シェビーに代表される多くのアメリカンV型OHVエンジンは、ジャーナルサイズよりカム山を高くすることは物理的に不可能。なぜならカムの挿入ができなくなるからだ。どうやってカム山を高くするかというと、カムの低いところ(ベースサークル)をより低くすることで相対的にカム山を高くするのだ。
 写真では旧カムが片当たりしているように見えるが、カム山のリフターと接触する面は、リフターの直径の半分程度にしか接触しない。これはリフターを回転させるためにわざとリフターのセンターとカム山をずらしてあるためだ。リフターを回転させることで、カムとの接触面の偏摩耗を防ぐ。ローラーカムになるとまた話は違ってきて、リフターを回す必量はないので、リフターとカム山のセンターは同軸に配置される。
 カムの挿入には細心の注意を払う。カム山は結構角が立っており、ホワイトメタルに当たるといとも簡単に削り落として傷を付けてしまう。カムスプロケットを取り付け、極力どこにも当たらないように真っ直ぐ挿入する。カム山、ジャーナルにカムに付属のアセンブリールーブをしっかり塗布しておく。エンジンオイル等で組むとエンジン始動時にドライスタート状態になり傷が入る。また、クロモリ成分が含有されており、慣らし運転でクロモリが浸透すると言われる。

 これ以降の写真がないので、いきなりエンジンが組み上がってしまう(^^ゞ。まあ、ヘッドとインマニはガスケットを挟んで乗せるだけなので特に注意するようなことはない。ヘッドボルトの締め付け順序・トルクなどは常識的作業なので省略。


エンジン完成


エンジン完成

 ここまでできれば、ハーモニックダンパーを取り付ければほぼ完成。今回はFLUIDAMPERを使用。シリコンフルードが満たされており、あらゆる回転域で高いダンピング効果が得られるとある。少しでも振動が減るのではとちょっと期待。サイズは6・1/4インチを選んだ。ノーマルのゴムダンパーより直径で1インチほど小さい。レスポンスもUPするだろう。


ダンパー比較

 ダンパー挿入にはやはりSSTが必要で、ダンパーインストーラーを用いる。無い場合はプーリーのセンターボルトを使うことも不可能ではないが、好ましくないだろう。


ダンパーインストール

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