確実!重力式エア抜き方

 皆さんはブレーキのエア抜きをどうやっておられるだろうか?きっと加圧法か吸い出し方やっている事だろう。でも、いくら踏んでもダブっても、いくら吸い出してもエアが出てくるのではないだろうか?実はペダルを一杯に踏み込んだ状態で、ブリーダーを締めてペダルを戻すと、マスタシリンダーは負圧になり普通ならリザーバーのオイルが吸い込まれていくのだが、コルベットの場合そうなる前にキャリパーのピストンシールからエアを吸い込むのだ。ブリーダーから吸い出した場合も同様だ(ブリーダーの隙間から入ってくる物だと勘違いされやすい)。しかも、ディストリビュターブロックにプライマリーとセカンダリーの圧力差で作動するワーニングスイッチが入っており、これが動くと油圧経路を塞いでしまい正しくエア抜きが出来なくなる。(エア抜きの後にブレーキランプが点灯することがあるのはこのためだ)
 これを防ぐには、吸い出し方は止める、又はペダルを一杯まで踏み込まない、という方法があるが、ちょっと気を抜くとエアを吸ってしまう。
 そこで考えたのが、ここで紹介する重力式エア抜き方だ。この方法は一切圧力を加えない、ただマスターシリンダーから流れてくるオイルを待つだけなのだ。
 少々時間はかかるが、絶対にエアは入らない。やり方は簡単だ、ブリーダーにホースを付け上に向けておく。この時ホースの高さはマスターシリンダーより低くなくてはならない。後はブリーダーを緩めてしばし待つ。すると、エアが咬んでいればじわじわぷくぷくとエアが出てくるはずだ。最初の内は吸い出したりペダルを踏んでもいいだろう。また、プラハンでキャリパーをガンガン殴ると尚良い。リザーバーのオイルも切らさないように気を付けよう。しばらくするとエアは出てこなくなる。これでブリーダーを締めれば完了だ。オイルが出てこない場合は、錆などでブリーダーが詰まっていると思われるのでチェックしてみよう。助っ人も要らず、オイルも飛び散らず、ただ眺めているだけでエア抜きが完了する画期的方法だと思う(コルベットに限るが)。これを実施した後は、加圧方でエア抜きしていたときのブレーキタッチより格段に向上するのだ。

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