−ハーネスを作ろう!−

さてさて、今回はハーネスの作り方を紹介致しましょう。

ハーネスは基板屋さんから購入すると4,000円程。なかなか痛いですよね。
マニアたるもの、ここは一つ自分で作り安く上げて、浮いた費用を新規基板購入に
でも当ててしまうのが得策と言うものです。(^^)

なに、そんなに難しくありませんよ。(^O^)
前回のコンテンツ「ハンダの付け方について」それから「コネクターの端子名称
を併せてに参考にすれば大丈夫です。

それでは早速紹介して参りましょう!!



−準備するもの−

まずは上の画像のものを用意します。

1.コネクター(画面中央左、青い色のもの)
 基板側に挿すコネクターです。
 コネクターには端子数による種類違いがありますが、大概は
 36ピン、44ピン、56ピンの3種類のいずれかになると思います。
 配線表を確認し、合ったコネクターを購入しましょう。
 どこの基板屋さんでも取り扱っており、入手は容易です。

2.カード(画面中央右)
 コントローラー側に挿すカードです。コントローラー毎に仕様は異なりますので
 自分のコントローラー用のカードを購入しましょう。
 どこの基板屋さんでも取り扱っており、入手は容易です。

3.コード(画面下)
 オールマイティなφ1mm芯線のコードあたりを準備するのが宜しいかと思い
 ます。φ0.6mm以下のコードあたりは電流値が稼げないので電源回りに不適切
 です。くれぐれも細いコードを電源回りには使わないよう、これだけは注意して
 下さいね。電圧降下が発生して基板の動作が不安定になる可能性がありますし
 下手するとコード自体が過電流により過熱して大変危険になります。
 コードはどこの日用大工センターでも購入できるでしょう。
 コードは価格を別にすれば太い分には何も問題ありません。
 大は小を兼ねます

4.結束バンド(画面左中央、白い色のもの)
 ハーネスのコードがバラバラにならないように、まとめて縛るものです。
 これで縛る事を怠るとコードを何かに引っ掛けたり取り扱いによって断線させて
 しまったりでハーネスの寿命が縮まります。
 きちんと縛ってスッキリさせましょう!長さは100mm程のもので充分です。
 大概の日用大工センターで購入できるでしょう。

5.半田コテ,半田線(画面左上,上中央)
 これが無いとハーネス作成は始まりません。(^^)
 前回の「ハンダの付け方について」のコンテンツを参考にして下さいませ。
 コテのW数、半田線の太さ等の詳細を紹介しています。
 大概の日用大工センターで購入できるでしょう。

6.ストリッパー(画面右中央)
 ええと… いや、…何でもありません…。(… … …)
 これはコードの被服を剥く道具です。これがあればとても便利!!
 カッターを使うと中の芯線を傷付けて切ってしまったりしますが、これなら
 そんな心配はいりません。
 短時間に作業を済ます事ができる優れものだったりします。(^^) 
 大概の日用大工センターで購入できるでしょう。

掛る費用は道具類を除いて使った部品の分で大雑把に算出してみると、

コネクター:550円(56ピン)
カード:250円
コード:400円(10m位)
結束バンド:数円
半田線:50円分
コテ電気代:5円

…ざっと1300円弱と言ったところでしょうか。
(本当にかなり大雑把でいーかげんです。)(^^;

ささ皆様、用意はできましたでしょうか?早速順を追って作成してみましょう!!



−ハーネス作成手順−

1.コードを準備しましょう。
まず初めに、一番面倒なコードの準備をしましょう。ハーネス作成中、最も時間が
掛る作業です。

まずはコードを必要な長さに切り揃えます。シグマ製のコントロールボックス
でしたら30cm程の長さで充分です。

次に被服をストリッパーで剥きます。
被服を剥く長さは大体2〜3mm。芯線をそんなに長く出す必要はありません。
(以下画像参照。)

短めに芯線を剥くのは、

・熱で被服は収縮する。
・隣の端子と電気的に短絡する事故を未然に防ぐ。

2つの理由があります。使う半田の量もその分少なくて済むようになります。

2.コードに予備半田をしましょう。
必要な本数のコードを揃えたら、芯線を半田付けしましょう。
半田は充分に芯線全体に行き渡らせるようにして短時間で済ませるように心掛け
ましょう。(以下画象)
下の画像はちょいイモ半田状態ですが、ここではあまり気にしません。

この面倒なコードの予備半田を短時間で行っておけば、半田線に含まれる
ヤニ成分が残り、後でコネクターやカードに半田付けする際新たに
半田を使わずに半田付けができるようになりますので随分楽になります。

3.コネクターの電源端子など
電源用端子は電流を流す為、大概は部品面と半田面の両面が同じ端子だったり
します。(コナミの旧ハーネス等、例外あり。)
このような場合には以下の図のように端子を曲げておけば1本のコードで両面の
端子を繋ぐ事ができるので半田付けの際とても楽になります。
半田付けの際には端子間にコードを挟むようにし、多めに半田を流し込んで
端子と端子の間を半田で埋めてしまいます。

4.コネクター,カードの予備半田
コード同様、コネクターとカードの半田付けする端子に予備半田をしておきます。
半田が解けて流れたら直ぐにコテを放すようにし、半田にヤニ成分を残しておき
ましょう。
ここでもイモ半田はあまり気にしなくて良いです。
(但し、付け過ぎによる端子間の半田ブリッヂに注意!!)

ここで気を付けなければならないのは、上述の「3.」で述べた
折り曲げたコネクターの端子には予備半田をしない事です。
これをやってしまったら端子間にコードを挟めなくなってしまいます。(^^;;
端子を曲げた部分についてはコードを挟めた後に半田を流し込むのです。

5.コードを半田付けしてみましょう。
さて配線表を見ながらコネクター,カードとコードを半田付けしましょう。
まず初めに半田付けするのは電源系統(GND,+5V,+12V等)からが
宜しいかと思います。(人それぞれですが、館主流と言う事で。)
電源の接続を間違える事は基板に取って致命傷。
まずは配線ミスが無いよう確実に電源系を半田付けし、何度も見直ししましょう。

電源系統にはコードを2本使い、コネクター,カードの両面を使いましょう。
電源は大電流が流れるところ。コード1本だけで1箇所から導通を取るのは極力
避けて下さい。接続端子間の接触不良等の不具合が多少発生しても、これなら
電源系のトラブルが発生し難くなります。

上の画像では電源系統が端子4本ずつエッヂコネクターから出ている仕様でした
ので(セイブの「スティンガー」)、更に同じ左右の電源端子間をわざと半田
ブリッヂさせて4本の導通をまとめています。

それから、くれぐれも半田芯線の半田残りが無いように気を付けて下さい。
万一ショートでもしたら命取りです!!
コネクターの端子とコードの被服間は隙間が無いように、キッチリ詰めて
半田付けして下さい。
カードの端子側はコードに被服を少しクロスオーバーさせるようにして半田
付けして下さい。
あまりに長時間(10数秒)半田コテを当てていると、コネクターが溶けて
端子がグラグラになってしまう事故も発生しますので注意して下さい。

6.残りの配線をしましょう。
電源回り以外のコードも配線しましょう。
ここまで来ればハーネスの完成は間近です!!(^^)
くれぐれも配線表を見間違わないよう、充分に注意して下さいね。
きちんと予備半田さえしてあれば、新たに半田線を使う事はありません。
軽くコードを添え、半田コテを当ててきれいなフィレットができるまで熱を加え
ましょう。(^^)

さあ!ついに半田付けが終わりましたね。(^O^)

7.配線確認をしましょう。
最後にもう一度配線表とハーネスを見比べ、間違いが無いか十分に確認をしま
しょう。
館主はうっかり配線表の部品面と半田面を間違えたまま作った事をこの段階で
気付き、泣いた事があります。(;_;)

配線の確認が済んだら、まずは基板のエッヂコネクターにコネクターを挿して
再度基板側のパターンと配線が合っているか確認してみましょう。
基板側では同一パターンのはずなのにコネクター側野の配線が別々になって
いたら、まずは配線ミスを疑って下さい。
常々「基板のパターンを読む」行為、コネクターを挿す際にはハーネスを作成した
時以外でもするように習慣付けましょう。

8.動作確認をしましょう。
いよいよ通電です。もうドキドキですね。(^O^)
通電してコントロールボックスから「チー…」とショートを示す危険信号な音が
出てはいないか注意して下さい。
基板が正常に立ち上がるか画面を良く注意して観察して下さい。
いずれかに異常があれば即電源を落とし、再度不具合の原因がハーネスに
無いか確認し、半田ショートや配線ミス等を修正しましょう。

自分の作ったハーネスで無事基板が立ち上がった時の喜びはまた格別ですよ!

9.結束バンドでコードを縛りましょう。
動作確認が済んだらコードの中央部を結束バンドでしっかりと縛り、余った
結束バンドの尻尾を切り取ります。

さあ!とうとうできましたね!!
後はコネクター部に
「スティンガー部品面」
などとマジックで書き込んで後で間違いが起きないようにしておきましょう!(^^)



−まとめ−

 初心な皆様いかがでしたでしょうか?自分で
 作ったハーネスで基板が動いた喜び。
 作成の苦労などいっぺんに吹き飛んでしまう
 でしょう。(^^)
 基板屋さんに作って貰ったハーネスで、もし
 トラブルが起きた場合、ハーネスを作った体験
 を持たない方は途方に暮れてしまいがちですが
 ハーネスを作った事があるマニアなら結構
 不具合箇所の目星が付いてしまうものです。
 ハーネス作成未経験な方は是非これを機会に
 ハーネス作成にチャレンジしてみましょう。
 (^^)              by館主



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