−コンパネをメンテしよう!−

さてさて、今回はコンパネについてメンテナンスなお話しを致しましょう。

皆さんはコンパネを長期間使っていて、

「コンパネの塗装が剥がれてきて錆が手に付くようになった。」
「レバーやボタンの入力が利かなくなった。」

などと言うトラブルに見舞われた事はありませんか?

コンパネの塗装に付いては手の油と擦れが等が原因で徐々に剥がれていくもので
ある程度仕方が無い事です。
腕に自信のある方なら「再塗装」にチャレンジされたりもするでしょう。

入力が利かない事については、コンパネ内のスイッチに不具合が発生している
場合が往々にしてあるもので、大概においてテスターで導通を追ってみる事
により確認できたりします。
(当館のように煙草のヤニが基板のエッヂコネクター端子表面に付着してて導通
不具合を起こしていた、なんて外道な別原因がたまにあったりもします…)(^^;;;

今回はシグマ社製のコンパネを例に話を進めさせて頂きますが、他社製の
コントロールボックス派な方、あるいはや筺体派な方にも少なからず関係がある
話かと思います。

それでは早速紹介して参りましょう!!



−塗装剥がれについて−

さて、下のコンパネは当館で8年程メインで使っているものです。
さすが業務用の部品を使っているだけあってその耐久信頼性は抜群で、トラブル
も殆どありませんが、やはり一番困るのは塗装の剥がれでしょう。
ご覧のように塗装が剥がれた所から錆が発生し出しているのですが、少し妙な事
にお気付きでしょう?(笑)

冬にオートバイ二人乗りで秋葉原まで買いに行ったやつと
言えば、コンパネの古さが判る方には判るかも知れません。

ご覧になれば判りますが、妙に塗装剥がれが少ないのです。
と言うか、ある場所を境にして塗装剥がれが起きていない事がお判りになるかと
思います。

タネ明かしをすれば、これ、
カートンテープを手があたる部分に貼っているから
なのです。
(カートンテープ:要は荷造り等に使う特大セロテープの事)

ヘビーなマニアが毎日使いこなせば半年程で徐々に塗装の艶が落ち、ケースの
下地が見えてきたりするものなのですが、テープを貼る事により塗装剥がれを
ピッタリくい止める事ができるのです。

−カートンテープの貼り付け方−

下はこのコンテンツ冒頭でお見せしたコンパネにカートンテープを貼り付けようと
しているところです。
テープが透明で見辛いのは御容赦下さいませ。m(_ _)m

右に写っているのがカートンテープ

貼る前にはまずコンパネ表面を綺麗にしておきます。

それから、作業前には必ず手を洗いましょう!!
下手に手が汚れているとカートンテープの粘着面に汚れが移り、見栄えが汚く
なってしまいます。
もしうっかり鼻をほじった手で作業をしてしまい、コンパネ上にハナクソの標本が
出来上がってしまったら大変です。後々まで残る事になりマニアの名折れになって
しまう事必至ですから皆様くれぐれも御注意下さいませ。

また、貼る際にはケースとテープの間に気泡が残らないように慎重に作業を
進めて下さい。
もしどうしても消えない気泡があれば、カッターの刃先等で少しだけ切れ目を入れ
空気抜きを行いましょう。

このテープ貼り付け作業は買ってからいつのタイミングで行っても構いません。
貼った段階で塗装剥がれの進行が止まる、位に考えておけば宜しいでしょう。

実際、貼った後のコンパネ操作時の違和感は全くありませんから、皆様どうぞ
お試し下さいませ。(^O^)




−コンパネの入力不具合について−

例えば
レバーの「上」が利かない不具合
が発生し、テスターで導通確認を行った結果コンパネ内部で導通不具合が起きて
いる事が判明した場合、これの処置方法は以下のようなものがあります。

1.コンパネを買い直す。
2.中を開けて不具合箇所を直したり部品交換したりする。
3.インベーダーしか遊ばない事にする。

賢明な皆様なら「2」を考えましょう。
「1」か「3」を選ばれた方はどうか最下段の「メインに戻る」をクリックして下さい。

さて、館主が今まで経験した不具合を参考に処置方法を紹介してみます。

まずはコンパネの裏蓋を外して内部の解析を進めましょう。
以下の画像をご覧下さい。

側面のネジ4本を外せば簡単に裏蓋は外せます。

もし解体確認の結果、
基板が電蝕を起こしていたら修理をあきらめましょう。
電触現象は外部から入った水分によって起きるものです。
下の画像はうっかりコーヒーをこぼして基板に掛けてしまった事により発生した
電触の例です。乾かないまま通電を続けるとこのように腐蝕が発生し、最終的
にはパターン断線不具合に至ります。
皆様、くれぐれも大切な基板やコントロールボックス、濡らさないように注意して
下さいね…。

コーヒーで断線した基板パターン部外観。恐ろしいですね。

テスターで導通確認を行い、丁寧に調べて行けば不具合箇所が特定できると
思いますので、それによって処置方法を考えましょう。

館主が過去体験した不具合原因と処置方法を紹介してみますと

1.コード差し込み部のコネクター端子部半田クラック

上の画像中央部がコネクターが半田付けされているところです。
コードを何回も抜き差しする事により半田付けした端子部に応力が加わり、目に
見えないレベルで半田にクラックが入り導通不良を起こしている場合があります。
外観上なんともないのに、事実コネクター部で導通不良が発生している事を
テスターで確認できた事が館主ありました。

これの対処方法は簡単!!半田コテを当てて半田を溶かし、クラックを無くして
しまえばお終いです。
ついでにこの部分には半田ブリッヂが発生しないレベルである程度半田盛りを
してあげた方が、後々のトラブル再発防止に効果があるでしょう。
(実はコネクター部への半田盛りは、信頼性向上の為に車載用部品で行われて
いるノウハウだったりします。)

いずれにしても半田クラックは基板全般に起こり得る話ですんで、皆様基板への
ストレスをあまり掛けたりしませんよう、日頃からご留意下さいませ!

2.スイッチ内部導通不具合
テスターで追い掛けた結果、スイッチ内部が故障している場合があります。
スイッチと言うものは内部に接点を持つ構造ですんで、どうしても寿命と言うもの
があります。
接点部には多かれ少なかれ通電時にスパークが発生しますから、これにより徐々
に接点部が磨耗し、変わりにカーボン(炭素の細かい粉)が発生するものです。
カーボンの発生と接点部の磨耗によって導通不具合が起きるのです。
下にそのカーボンが発生して導通不具合を起こしたスイッチの例を紹介しておき
ましょう。

写真のスイッチは車用パワーウィンドウスイッチのものです。
黒い粉(カーボン)が発生している事が判りますね。

スイッチについては素直に修理に出すか、あるいは部品交換した方が宜しい
でしょう。
レバー(セイミツor三和電子製等)やφ30mmのボタンは一部の基板屋さん
で取り扱っていると思いますので購入して自力で交換できる可能性が高いです。

スイッチ自体を修理できたら良いのですが、スイッチの構造上解体したら
後が大変です。


まずプッシュスイッチはきっちりとカシメが入ってますんで、解体したら壊れて
しまい元に戻りません。素直に修理か交換を考えましょう。
プッシュプルスイッチ(押す度にON/OFFするもの)も同様。
スライドスイッチもカシメが入ってますので諦めましょう。
無理に解体する事により取り返しが付かなくなる場合がありますから知ってて
下さいね。

… ただし …
レバーに使われているマイクロスイッチだけは例外で、修復可能な場合があり
ます。以下にそれについて述べてみましょう。

レバースイッチ部に付いて解体していきますとマイクロスイッチが現れてきます。
このスイッチ、スイッチによっては簡単に蓋が外れ、中の接点部を直接見る事が
できたりします。
下の画像をご覧下さい。

   

左上:レバー部を解体してみたところ。
右上:マイクロスイッチの蓋を外してみたところ。

接点部はデリケートなものですが、注意して接点部表面の異物を除去する事に
より、無事導通が復活したりします。
館主は接点復活剤を掛けて急場を凌いだ事があると言うか…
実はその後不具合が再発しておりませんものでずっと使っていたりします。(笑)

まあ、赤貧な館主の体験ですんであまり薦められた話ではありませんです
けれども、折角買った高額なコンパネです。
皆様も大切に使って長持ちさせてみようではありませんか。(^^)



−あとがき−

皆様いかがでしたでしょうか?
塗装の剥げ防止をしただけでも機能は別にしてかなりコンパネとしての寿命は
長くなりますので一つの知恵として知ってて下さいませ。
それよりも一時期販売していたステンレス製コンパネ(限定版)…シグマさん再版
しないかしらねえ…。こんな余計な心配せずとも済みますのにね。(^^)

スイッチ類の交換は…自信が無い方はあまり深入りせずに素直に修理を依頼しま
しょう!!
くれぐれもスイッチ単体の解体は…しない方が身の為ですからね!!
マイクロスイッチの件はたまたまうまくいった結果論であります事、御承知置き
下さいましたら幸いです。
                                by館主



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