−基板のステレオ化−
さてさて、最近の基板は音声出力がステレオ仕様のものが多いですね。
やはりモノラルの音声で遊ぶよりもステレオ音声で遊んだ方が、ゲームの面白さも
変ってくると言うものです。
ここではステレオ出力仕様の基板を幾つか紹介し、その接続方法等に付いて紹介
致します。
これを読んで、「よっしゃあ!俺様も基板、ステレオ化ができそうだぜ!」と
おっしゃって頂ければ幸いです。
なに、そんなに難しい話ではありませんよ!(^O^)
−ステレオ基板ってどんな風になってるの−
結論から言えば、
「音声出力にL(左)とR(右)の2種類の出力端子を持つ基板」
がステレオ基板です。(基板の全てが「ステレオ基板」と言う訳ではありません。)
もともと出力端子が1つしか無い基板(「SP+」と「SP−」のスピーカー接続
端子しか無い基板)を、本当の意味で「ステレオ化」する事はできませんからね!
(モノラル基板の「疑似ステレオ化」に付いては後述します。)
基板がステレオ仕様かどうか、またはL,Rの2つの出力が基板のどこから出て
いるのか、極性はどうか、等に付いては基板のマニュアルに載ってますので、
まずは確認してみましょう。
−具体的にはどう結線するの?−
もともと基板のエッヂコネクターには最低でも「SP+」(スピーカー)出力端子が
1本出ています。スピーカーの配線は2本必要で、「SP−」又は「GND」にもう
一方のスピーカー端子を接続するようになっているのがモノラル音声の基板
だったりしますが、本来基板は
「スピーカーを直接繋いで音声を鳴らす」
仕様です。
(例外として一部の基板(「ポパイ」等)では途中「アンプ」を接続し、スピーカー
の電力をフォローしなければならないものもあります。)
−筐体派の方の音声ステレオ化ー
筐体で遊んでいる方は、基板のコネクターのSP出力を、マニュアルを見ながら
直接繋いであげればお終いです。
−コントロールボックス派の方のステレオ化−
コントロールボックスで遊んでいる方も、特に何か改造する必要は無く、カード側の
「SP」端子の「L」「R」に相当する端子に繋いであげればお終いです。
例えばシグマ社製のコントロールボックスであれば、カードの「SP+」端子に
基板のスピーカー「L」出力の+側、「SP−」端子にスピーカー「R」出力の+側
を接続します。
??、残ったSP出力のLR「−」側の端子はどうするのって?
…答えは「何も接続しない」です。コントロールボックスのGNDライン「SP−」
に相当するようになる事から、結線は不要になるのです。ハイ。(^^)
(詳細に付いてはコントロールボックスのマニュアルを参照下さい。)
もしコントロールボックスがステレオ対応でなかったら、最終手段、保護用の
16V33μF程の電解コンデンサを途中に直列にかませ、ステレオのライン入力
に直接ぶち込んであげましょう。
(SP+側に電解コンデンサの+側を向ける事をお忘れなく!!間違えると最悪
電解コンデンサがパンクして臭い煙が噴き出したりします…。(^^;)
又は「ヘッドホンジャック−ライン入力変換コード」(電気屋さんで1500円程
で売っています。)を流用してヘッドホンプラグのメスジャックも購入して、これで
配線し、ライン入力に基板のステレオ出力を繋いでしまうのも手かも知れません。
但し、この場合3本の線しかジャックはありませんから、「L」「R」の接続の他の
残りの1本(コモン)には、基板の「GND」を接続します。これならば余計な電気
部品(抵抗,コンデンサ)はいりません。
もし基板にヘッドホン出力端子3本が出ていたらそれを使ってみましょう。
くれぐれも言いますが、間違えてもSP出力を直接ライン入力に繋がないで
下さいね!!
大切なお家のステレオが壊れても責任が持てませんからね!!
さて、以下に実際のステレオ基板を紹介してみましょう!!
その1.CPシステム2(カプコン)
この基板、既に音声出力用にライン出力に相当する端子が出ていますので、
そのままコードでステレオの「LINE IN」に接続してしまいましょう。
念の為、エッヂコネクター側のスピーカー出力は切っておきましょう。
このコーナーの3回目「基板の取り扱いに際しての注意点」で既にUPしています
が、「エッヂコネクターのSP出力端子」と「ステレオ出力端子」を同時に2つ繋ぐ
と、出力過負荷で基板を壊す恐れがありますんで、くれぐれも気を付けて下さいね!
この基板、もともとこの端子は「Qサウンドボード」を接続する為のものです。
(スピーカー2つで音声にサラウンドの効果を持たせるもの位にお考え下さい。)
それでもこの端子をステレオのライン入力に直接繋げれば、一応きちんとステレオ
になります。
それから、設定を「モノラル」から「ステレオ(Qサウンド)」に切り替える事を
お忘れなく!!(^^;
でないと、折角コードを繋いでも音声はモノラルのままになります。(^^;
これ、実は全てのステレオ基板に言える事で、音声設定を
「ステレオ」に切り替えないと音声はステレオになりません
から必ず覚えておいて下さいね!
その2.GXマザー(コナミ),F3マザー(タイトー)
スピーカー出力端子がL,R用にきちんと4本付いているタイプのものです。
コントロールボックス派の方なら、4本のうち、+側のLR端子2本だけを使う事
になりますね。 *
端子のピッチは2.5mmで、これに合うコネクターは「CPシステム1」用
「パンチボタン入力コネクター」を4端子分に切り取って流用するとグッドです。
(大概の基板屋さんに置いてあります。) *
そう言えばこの手のものって、殆ど2.5mmピッチですねえ…。
−2001年4月11日訂正−
*:誤って「2.0mm」と記憶違いをUPしておりました。修正致します。
GXマザー F3マザー
(ヘッドホン端子付仕様)
ここで気を付けなくてはならないのは、コネクターが同一仕様であっても、ピン配置
がメーカーごとに事なる場合がある事です。
例えばコナミのGXマザーであればピン配は「+−−+」ですが、タイトーのF3は
「+−+−」です。*
ここで+−を間違えても故障する事はありませんが、片側のスピーカーの+−が
逆になると、音声の位相が左右逆になる為、本来と聞こえ方が違ってきます。
又、蛇足ですが、セガの「STーV」も同様に「+−+−」仕様のコネクターを持って
いるけれども、途中にアンプが必要なものもありますから注意して下さい。
コントロールボックス派な方なら一応は繋いでなんとかステレオで聞けるようです。
(でも、ST−V、本当トラブル多いよね…。シッ!!聞こえますよ!!)
−2001年4月11日訂正−
*:誤りです。再度配線図を見てみたら、
ピンNo.1:L+
ピンNo.2:R−
ピンNo.3:L−
ピンNo.4:R+
が正解でした。配線を読み間違えておりました、申し訳ありません。
御指摘下さったchakoさんには感謝!!(^O^)
その3.システム2(ナムコ)
この基板は、メインのJAMMAエッヂコネクター(2.96mmピッチ)の脇に
2mmピッチのエッヂコネクターがあります。ステレオモードに設定した場合、
(ジャンパーを「STEREO」側に挿し直します。)JAMMAエッヂコネクター
側のスピーカー出力から音声の「L」側出力、2mmピッチのサブエッヂコネクター
のスピーカー出力端子から「R」側出力を取ることになります。
ここでやっかいなのは、2mmピッチの相手側コネクターの入手です。
(置いてある基板屋さん、あるのかしらん?)
館主はコネクターを探すのが大変面倒だったので、右上の画像のように、基板の
ランド上に別なコネクターを半田付けして、接続できるようにしています。
(後述のシステム1のコネクターと同じ仕様のものを使っています。くれぐれも真似
される場合は、エッヂコネクターの端子に直接半田付けしないで下さいね。あとで
売り飛ばせなくなります!)
その4.システム1(ナムコ)
この基板はシステム2同様、JAMMAコネクターからスピーカー出力「L」を取り
ますが、スピーカー「R」出力は以下の画像にしめすコネクターより取る仕様です。
参考までに、JAMMAコネクターと別端子からLRのそれぞれの出力端子を取る
基板として、ジャレコのメガシステム(下の画像)があります。
その他、色々と各メーカーによって出力の取り方、コネクターの形状が異なって
きますので、基板のマニュアルを良く確認してからチャレンジしてみましょう!
−まとめ−
以上、基板のステレオ化に付いて紹介致しました。実際に試された方はお判りに
なると思いますが、ステレオで広がるVGMの心地良さはまた格別で、
「ああ、やはりステレオはいいなあ!」
とついつい感激してしまい、ゲームの楽しさもまた倍になると言うものです。
皆様是非、お試し下さいませ。(^^)
それから、モノラル基板の場合はどうすればステレオっぽくなるかと言うと、
(シグマのコントロールボックスには「モノラル−ステレオ切り換えスイッチ」が
付いていて、モノラル基板の音声がステレオ音声の様に広がって聞こえる便利な
スイッチが付いてますよね。)実はこれ、
単純に片側のスピーカー出力の+−をスイッチで逆転させているだけ!
なのでした。
左右の音声の位相が逆になるので広がって聞こえると言うからくりで、
実はタイトーの「FX2マザー」の「ステレオ−モノラル切り換えスイッチ」も
種明かしすれば、全くこれと同じ事をしているだけだったりします。
この為、FX2をステレオモードにして、シグマのコントロールボックス側も
ステレオモードにすると、あらら、音声がモノラルに戻ってしまった…(笑)
なんてへんてこりん現象が起きます。(^^;
最後に、館主が使っているステレオ基板対応用JAMMAハーネスを紹介します。
実はこれで、今まで紹介したステレオ基板全てに対応していたりします。
(皆様、頭がこんがらがるので真似しないで下さいね。)(^^;
切り換えのトグルスイッチで、音声出力は必ず一方側からしか取れないように
工夫してあります。
(いわゆる、トラブル防止のための「バカ避け」の処置がしてあります。)
by:館主
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