-基板の取り扱いに際しての注意点-
  (注意点について、ざっと並べてみました)

  
基板は精密機器です。取り扱いを間違えるとあっさり壊れます。
 いえいえ、恐がることはありません、以下に書いてあることを事前に知って
 いれば、たいがい壊す事はありません、ご安心を。「備えあれば嬉しいな」です。

 では、注意事項です。 
 

  − 基板取扱上の注意点 −

   a.へたにコントローラーの電源の電圧をいじらないこと。
   (電力を食い、電圧が降下してしまう一部の基板に対応するため、電圧を
    高く調整したまま元に戻さないで他の基板を接続することを指します。
    他の基板をとばす恐れが有り、大変危険です。)
  
   b.コネクターは必ずきっちり根元まで差し込むこと。又、コネクター部の
    壊れたハーネスは使用しないこと。
    これはコネクターの端子がずれて接続され、端子間ショートが発生する
    ことを防ぐためです。

   c.コネクターは決して部品面と半田面を間違えて刺さないこと。基板が
    あっけなくおしゃかになります。これは基礎中の基礎です。

   d.電源が入った状態でのハーネスの抜き差しは厳禁。場合によっては基板
    がとびます。

   e.不必要にハーネスを曲げ伸ばししないこと。ハーネスの寿命を縮める
    ばかりではなく、コードねじれによるコネクター端子部間のショートも
    発生します。

   f.万一基板が立ち上がらない場合が発生したら、即座に電源を落すこと。
    原因の殆どはショート、断線、コネクター刺し方不備の3点です。
    このままの状態で電源のON−OFFを繰り返しますと、最悪基板が
    故障します。

   g.コントローラー本体から小さい「チー・・・」と言う音が聞こえたら
    どこかでショートが発生している証拠です。
    即座に電源を切り、原因が分かるまで電源を入れないこと。
    (コードの一部がほぐれて、ひげ線がタッチしているとか。)

   h.半田クズ等、金属性小破片を基板に近付けないこと。万一基板に付着
    した場合、故障の原因となります。

   i.基板の保管場所は湿気の多い場所は避けること。
    (台所の柵の上等、数カ月で腐食が進むのが判ります。)

   j.基板の横重ね置きはしないこと。沢山の重ね置きは基板のゆがみによる
    不具合(ロムのソケットゆるみ等)が発生するばかりでは無く、割れる
    恐れも有ります。
    尚、割れてしまった基板は修理が効かないのでお終いです。
    スペースの問題も有りますが、基板はなるべく立てて並べて保管する事
    が望ましいです。

   k.基板は電源が入れば熱を持ちます。基板によっては高温になると暴走
    してしまうものもあり、床に直置き(特に布団の上など)は止め熱を逃す
    ように小物等を挟み、隙間を開ける工夫をしてあげましょう。基板の寿命
    も伸びます。

   l.基板をエアーマットで完全密閉状態にするのではなく、片方の口ぐらい
    はオープンにして上げましょう。理由は同上。

   m.ステレオ出力端子が別に付いている基板は、いずれか一方から出力を
    取るようにし、決して基板端子部とステレオ端子部の両方から出力を
    取らないこと。
    出力容量オーバーで基板がとぶ場合が有ります。

   n.不用意に基板に震動を与えないこと。理由は下記の2つです。
    ・ロムピンがゆるみ、基板が立ち上がらなくなる。(故障では有りま
     せん。指で押せば、ミシミシ足の鳴る音がし、たいがいは戻ります。)
    ・静電気が周囲に溜まり、(車の座席に置いた、化学繊維の座布団とか
     服とか)ICがとぶ恐れが有ります。

   o.直射日光には当てないこと。万一ROMのシールが破れていたら
    紫外線でROMデータが死ぬ可能性が有ります。

   p.基板に付いたほこりは払ってあげましょう。思わぬ金属ゴミが付着して
    いるかもしれません。万一ショートし熱が持ったまま放置し、故障しない
    とも限りません。(くれぐれも取り扱い時の静電気にはご注意下さい)

   q.電源を入れたままDIPスイッチの変更をしないこと。暴走の恐れが
    有ります。
    又、スイッチはきちんと端まで動かし、宙ぶらりんにしないこと。
 
   r.電源を切るときにはコンセントを抜かないこと。必ずスイッチを切って
    下さい。基板はデリケートですから、思わぬトラブルが発生する恐れが
    有ります。

   s.電源が入った状態の基板を動かさないこと。震動で暴走することが有り
    ます。

   t.コントロールパネルは消耗品です。寿命は2年程です。少しでも長持ち
    させるため、プレー後は軽くタオル等で拭いてあげましょう。
    (手の脂で塗装が剥げてゆきます。これは仕方有りません。荷造り用
    透明テープを手に当たる部分に貼り、劣化を防ぐのもグーです。)
     又、スイッチも連射機能を使用した方が寿命が伸びます。(連射機能は
    邪道と考える方は寿命が短くなることを覚悟。ボタン等の交換の周期が
    短くなります。)

   u.業務用モニターを使用される方は、くれぐれも電源が入った状態で後ろ
    を触らぬこと。電子銃24000Vの高圧は手に穴を開けます。(本当)
     モニターのフレームをコントロールボックスのGNDに落しておくこと
    が望ましいです。(万一の漏電対策の為)

   v.基板側の音声ボリュームは上げすぎないこと。出力オーバーで音が割れ
     ます。

   w.消磁機は画面表面及び、電子銃回りに使用を限定すること。余計な場所
    の消磁は返ってモニタートラブルのもとです。
    (詳細は不明ですが、消磁はいけない箇所が2箇所程有るようです。
    館主これについては良く判りまん。)

   x.モニターを熱を帯びたままで縦横の置き直しを行うと、モニターが磁気
    を帯び、地磁気により色が部分的に変わることがありますが、故障では
    ありません。消磁器で消磁しましょう。
    もし消磁機能(デガウス)が付いたモニターなら簡単でしょう。
    尚、モニターが冷えていれば、この様なことは余り起きません。
    また消磁しても色が取れない時は、モニター側の回路が劣化している事
    を考えましょう。

   y.モニターのカラー調整は慣れないうちはあまり触らぬこと。後で戻せ
    なくなり大変悩みます。

   z.自分のプレーをビデオ録画しようとしても、プレーはできてもうまく
    録画できないものが有ります。
    これは同期信号の許容巾の問題であり、そんな時には諦めましょう。
    (解決方法はあるのですが、環境を整えるのに相当の出費を覚悟する必要
    があります。)

   イ.基板によっては家庭用テレビに映らないか、画面が一部切れたり、ずれ
    たり流れて止まらなかったりするものが有ります。これは同期信号の問題
    であり故障ではありません。
    近頃のテレビは自動調整なので、どうしようもありません。
    基板メーカーはモニター側で調整してくれるものと考えています。

   ロ.中古基板は購入時立ち上がらないことがしばしば有ります。
     輸送中の震動でロムソケットが緩んでしまった等が考えられます。
     この場合にはロムを再度押し込み再び確かめてみましょう。
     又、コンパネの連射スイッチがホールドになっていた等、自分側の
     つまらない原因もありがちです。

   ハ.ハーネスを自作するときにはくれぐれも結線は間違えないように。
     最悪基板がおしゃかになります。注意点は、
     ・コードの長さは均一にする。(一部のコードにストレスをかけない。)
     ・動作確認が済んだら最後にコードホルダーできちっと束ねてあげる。
     ・曲げても隣に接触せぬよう、深めに半田付けする。
     ・半田は充分行き渡らせ、決してひげ線は残さない。(厳守)
     ・配線の順序は、GND→+12V系→+5V系→
      SP,COIN,START→他の入力、の順が間違いが有っても
      間違い被害にあう確率が低くなります。
      電源回りのミスは命取りです。何重にもチェックしましょう。
     ・コードは何種類か色違いを用意すること。
      (配線をチェックし易くする為です)

   ニ.ハーネスは寿命3年程の消耗品と考えること。基板との抜き差しで
    コネクター部が壊れてきたり、(危険!)カード部の酸化(黒ずみ)に
    よる抵抗値アップが発生したりします。
    こうなると最悪基板が立ち上がらなくなりますが、
     a.で述べたように、決して電源の電圧を上げて応急処置してはいけま
    せん。新しいハーネスを付けた別の基板がとびます。又、手の脂等による
    導電性の低下によりシンクロ信号等の高周波に影響を与え、モニターの
    画質が劣化することも有ります。

   ホ.モニターの画像調整に金属性のレンチ等は決して使用しないこと!
   (万一手に穴が開いても知りません。非常に危険です。)

   ヘ.基板によっては電力を食い、(グラディウス2,バーチャファイター等)
    コントローラー中の電源では電力供給をまかない切れないものもごくごく
    一部あります。この手の基板を遊ぶと「キー・・」(過電流の音。もっと
    過電流になると音が「チー・・」に変わります。いわゆるショートです。)
    と音がして電源に無理が掛かっていることが分かりますし、
    コントローラーもかなり熱くなります。
    対策としては、容量の大きい(基板取り扱いマニュアル中の消費電流値
    スペックを見て決定)別電源を購入し、使用しましょう。配線方法が
    分からなければ、知識の有る者に聞くこと。この場合は形態として「電源
    付き特殊ハーネス」となります。もちろん、このようにする機会はあまり
    有りません。
    例えば、シグマの旧コントローラーは確か7Aの電源ですが、10A位
    までは流しても壊れることは有りません。しかし画面に縞模様がでたり、
    コントローラーが熱くなったりと、あまり気持ちの良いものでは有りま
    せん。(シグマは保護ヒューズが無いようですのでくれぐれも無理
    しませんように。)
    繰り返し言いますが、大多数の基板は問題有りません。

   ト.モニター調整しても、基板によっては画面の隅に色違い、ひげ、ゆがみ、
    画面大きさの揺らぎ等が発生することが有りますが、これはその基板の
    性格(基板内部の電圧降下など)ですので直しようがありません。諦め
    ましょう。
    大容量の別電源を使用することによりマシになることもあります。
    まああまりこだわらないようにしましょう。
    ゲーム性に影響は有りません。

   チ.モニター等のコードとハーネスが近づいたりすると、ノイズを拾い画面
    に縞模様、揺らぎが発生することがあります。コードの位置をずらしたり
    すると直ります。故障か?と疑う前に確かめてみましょう。
   
   リ.静電気には気を付けましょう。帯電防止エアーマットに包まれていな
    い、裸の状態の基板は特に注意が必要です。モニター等に残った静電気が
    自分の体に知らないうちに移り、直接基板に触れた際にICを壊す場合
    が有ります。
    基板からICを抜いたときにはそのICがとぶ危険度は更に上がります。
    静電気が溜まった状態で取り扱うと、運悪く故障することがあります。
    万一に備え、心がけておきましょう。



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