-基板の保管方法-

さて、このコーナーの「その3」、「基板の取扱いに際しての注意点」でもUPして
おりますが、今回は普段の基板の保管の仕方に付いて、もう少々分かり易く
紹介致します。
基板はデリケートな電子部品の集合体です。保管状態が良くないと
思わぬ事故が
発生
する場合がありますので、以下に紹介する注意点、知っていて下さいね!



-何故基板の保管方法にこだわるのでしょうか?-

上でも述べましたが、基板は電気の部品が沢山載った、いわゆる剥き出しの
電子機器です。
過酷な湿気、温度、電圧(静電気)と言う目に見えないもので壊れる事があるし、
力が加われば割れたりもします。水に濡れた状態で通電すれば「電触」と言う、
基板のパターンが腐食して切れてしまう恐ろしい現象まであるのです。
ここではそういった環境に基板をさらす事を事前に防止し、折角購入した高価な
基板を壊さずに長持ちさせる為の知恵を紹介させて頂きます。
なに、知っていればいい内容はそんなに多くはありません!(^^)
別に大袈裟な事でもありませんからね!!

それでは、早速紹介して行きましょう。



その1.基板の置き方

基板は普通どういう置き方をしていればいいのでしょうか?答えは、
  「縦にして置く」
です。
但し、大切なコネクター部(基板と基板をつなぐ、ジョイント部)が底になる
ような置き方はいけません。コネクター部を下にすると基板の自重等でコネクター
に力が加わり、外れて導通不具合を起こしたり、最悪壊れてしまう場合もあるから
です。

普段縦にして置くのは基板を極力たわませない為で、たわみによっては最悪半田
クラック(半田付けした部分が割れて導通不良になる。)や、基板のスルホール部
(部品面と半田面を電気的に繋ぐ部分)の破損、又はICソケットの接触不具合等
の色々なトラブルが起きる事になるのです。

以下に基板の良い置き方と悪い置き方を紹介致しましょう。
左下が基板の「良い」置き方。縦に並べてあり、基板に不要なストレスが加わる事
を最小限にしています。
右下が悪い置き方、いわゆる「重ね置き」と言うものです。画像一番下の
CP2基板のように頑丈なケースに入っているものならまだしも、その上の
カバーが無い普通の基板は他の基板の重さでたわんでしまいます。
(蛇足ですが、「CP2」は縦に置くと言っても、側面のスイッチは天井側に向けて
下さい
ね!スイッチを底にすると基板の自重が加わってスイッチが壊れてしまい
ます!)
        良い置き方            悪い置き方

   

基板は枚数が増えて来ると分かりますが、意外に重くて場所も取ります。
左上の画像のような頑丈なスチールラックのような棚に保管するのが安全でベスト
かと思います。
勿論、以下のような場所に保管してはいけません!(復習の意味で再UPします)

 ・直射日光の当たる場所。
 ・湿気の多い場所。
 ・テレビの近く等、静電気の起き易い場所。

蛇足ですが、「バブルメモリー」仕様のグラディウス等をお持ちの方!!
決して掃除機やドライヤーが近づく場所に置きませんよう!
磁気でデータを壊してしまう恐れがあります!!
一端壊れてしまった「バブルメモリー」は「修理不能」で返って来る可能性が
高いので十分注意して下さい。



その2.基板のラッピングに付いて

基板を購入するとエアーパッキン(空気の入ったブツブツが沢山付いたシート)
に包まれて来ますね。
これは外部からの衝撃を基板に与えない為には非常に便利なものです。
館主も基板屋さんが包んできたエアーパッキンをそのまま基板の保管用に使用
しています。
しかし、以下のような落し穴が2つありますので知っていて下さい。

 1.エアーパッキンの材質に付いて。
  基板屋さんが梱包に使用しているエアーパッキンは、きちんと「静電気対策」
  加工が施されているものです!!
  間違えても家にエアーパッキンがあったからと言って、それで包み直す事が
  無いように、気を付けて下さい。
  静電気は目に見えませんが、基板上の電気部品を壊してしまう大敵です。
  館主が基板屋さんのエアーパッキンをそのまま流用するのはそんな理由も
  あるのです。

  但し「赤」とか「青」の色が付いているものは、静電気対策加工されている
  ので、もし色付きのものであったなら使用して大丈夫です。(^^)
  問題なのは透明なやつで、これは静電気対策の加工されているのかどうか
  外観で見分ける事はできませんので皆様くれぐれも気を付けて下さいね!
 
 2.エアーパッキン使用による問題点。
  さて、長時間遊んだ基板に触れてみると、ICが発熱している事が分かります。
  特にRAM等の頻繁に動作しているICは顕著で、かなりの熱を帯びます。
  実はエアーパッキンは断熱効果も抜群なものですから、逆に基板上のICの
  発熱を表に逃がさない悪い働きもしてしまう
のです。
  これによってどんな不具合が発生するかと言うと、ICの過熱による暴走、又は
  長い目で見れば、部品の寿命を短くしてしまう恐れがあるのです。
  (電気部品は半永久の寿命がある訳ではありません、必ず壊れる時が来る
  ものです。使い方が悪ければ1月足らずで壊れる事もあります。)

  これを避ける為には、なるべく基板のエアーパッキンによるラッピングを頑丈に
  せず、風通しを良くする工夫を各自するしかありません。
  部品面側は一重、半田面側は部品の端子の突き抜けが無いように二重になる
  ように巻くのが、館主のやり方です。
  又、館主はエアーパッキンの使用量を最小限に抑えつつ、風通しの穴を開ける
  工夫をする場合があります。(下の画面を参照)

蛇足ですが、床暖房の上に直接置いて一晩通電したままにしておいて古い基板を
壊してしまった苦い経験が館主にはあります。(しかも「ダニ殺しモード」、最強
発熱状態でしたし…。)(^^;

 皆様、くれぐれも基板は放熱させてあげるように工夫してあげて下さいね。



その3.最も理想的な基板の保管方法

基板を購入してみて分かりますが、実は基板の四つ角には足が付いています。
(既に外されて、穴しか残っていない場合もあります。)下の画像がそれです。

これは何の為にあるかと言うと、厚い板材に木ねじで止める為にあるのです。
平らな板材に四隅を固定する事により、基板のねじれ等を防ぐものです。
基板を多く購入していくと、たまにこの板材が付いたままの基板を入手する事も
あります。(実際は非常にかさばって邪魔になるのですが…)
本来基板は板材等の固い台に固定されるものである事を知っていて下さいね。

で、現実的な話は棚に上げて、理想的な基板の保管方法は以下の通りです!

 1.板等の固い台に固定し、基板のねじれ、たわみを防ぐ。
 2.エアーパッキンに包まず金属ケースに入れる。(風通し穴が空いているもの)
 3.ケースに電動ファンを取り付け、発生した熱を逃がしてあげる。

蛇足ですが、ハーネスの抜き差しで基板にストレスをかけないよう、ハーネスを
基板1牧1牧に作って挿しておけばもう完璧ですね。(^O^)

ええ、くれぐれも言いますが、現実的な話は棚に上げてます…。(^^;
経済的に恵まれ、時間がたっぷりあって、置くスペースも十分ある方であれば、
これが可能になると思います。(笑)

きっとそんな環境にある方って数百億の資産があって働く必要が無く、メイドさん
も数10人はいるような豪邸に住んでいる恵まれた方なのでしょうねえ…。


ああ… いいなあ… メイドさんかあ… … ご主人様って … (トリップ中)



−まとめ−

以上、基板の保管方法に付いて紹介致しましたが、例外もあります。
SEGAのシステム基板、MODEL2(ファイティングバイパース等)などが
これで、元々風通しの良い金属ケースの中に基板が収納固定されていて、
なんと電動ファンも付いているのです!
もう始めから上述の3つの条件を満たしている何とも贅沢な仕様なのです。
ただ一つ、ハニーのようなメイドさんが付いていない事だけが館主大変不満な点であります。

大概の基板マニアの方は、基板をエアーパッキンで保管されているようですが、
これは実は理想の姿では無くて、実は事情に合わせてやむなくベターな手段を
選んでいるのであると言う事も、今回ついでに知って頂ければ皆様幸いです。

 では皆様、トラブルの無い快適な基板ライフを!!  by館主



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