Experiment on recovering data from the FUJITSU HDD (Model MPG3409AT-EF)
Defekte Festplatte * die Modell-Nr. MPG3409AT*
富士通製 HDD (MODEL MPG3409AT-EF) のデータリカバリの試み
Summary: If you are lucky you can recover lost data in the FUJITSU HDD (Model MPG3409AT-EF) which is known as a defective HDD (List of HDD failures,CALC report) due to dendrite developed between adjacent leads of CIRRUS LOGIC's HDD controller, CL-SH8671-450E-A4.
I used a hand-made jig, magnifying glass and a multimeter to fuse open
dendrite (I don't know if this dendrite is copper or silver). Experiment
was a success and now I am using this HDD as an external HDD for data back-up.
By the way if you have a curve tracer and micro-manipulators you can do
a better job. If you are interested in my experiment please see pictures
in my report (pictuers). ==> For more reading
=> Other data recovery methods (Udated on 7/16/2005) Picture of dendrite
Caution: This experiment can be destructive because during probing voltage
is applied to the leads on a chip which is still on the PCB. So please
take precautions before you attempt to repair defective HDD and do it by
your own risk. Good luck!
まとめ: ひょっとしてうまくいけば、富士通製ハードディスク (Model MPG3409AT-EF)内の失われたデータを復活することができるかも知れません。このHDDはシーラスロジック製のハードディスクコントローラ、CL-SH8671-450E-A4内の隣接ピン間デンドライト(樹枝状結晶:解析中に偶然できた銀のデンドライト)に起因する不良HDD(モールド樹脂問題、 赤リンの製造工程が原因:として知られています。 このデンドライトを焼き切るために、自作の治具、虫眼鏡、そしてマルチメータを使いました。実験は成功で、現在このハードディスクをバックアップ用の外部HDDとして使っています。 ところで、もしも、カーブトレーサとマイクロポジショナーをお持ちでしたら、よりうまく修理できます。 この実験に興味があったら、報告書の写真と、下記の、「経過と実験方法および結果」を読んで下さい。
その他の修理方法はこちらを参照してください。 (7/16/2005 updated) デンドライトの写真
注意: なお、この実験はパーツの端子に電圧を印加しますので破壊的な実験になる可能性があります。
修理する場合は十分な注意をし、自分の責任で行ってください。 幸運を祈ります。
*************************** 経過と実験方法および結果 ***********************
経過:
先日PCが故障しました。 使用中にCドライブに書き込めなくて、そのまま、ハングアップしました。 再度立ち上げるとBIOSがHDDを認識しません。 仕方がないので、以前バックアップしておいたデータを別のHDDに入れて、PCは使えるようになりました。ハードディスクをPCから取り出して見ると、富士通のHDD(MODEL
MPG3409AT-EF )でした。インターネットでこのHDDを検索してみたら、なんとこのHDDはリコールされた、いわくつきのものでした。
故障した部品:
さらにインターネットで検索すると、このHDDの故障の原因は、HDDに使われているCIRRUS LOGIC製のHDDコントローラにあるとのことでした。 このHDDを長期間使用すると、IC内の隣接ピンがショートをしてHDDが機能不良を起こすのです。 あくまでHDDのコントローラボード内のICの故障であり、HDDはディスク自体が壊れているのではないようなので、修理できる可能性があります。
故障の理由:
ところで、なぜ隣接ピン間でショートをするかということを説明します。 このHDDコントローラのパッケージ材料には、住友ベークライト(株)のモールディングコンパウンド(プラスチックのパッケージ材料:Sumitomo EMExxxxU Series)が使われています。この中にはパッケージが発火しにくくなるように難燃剤として燐が含まれています。 その燐は外部との直接接触を避けるために絶縁膜でコーティングされていますが、その絶縁保護膜がはじめから破れていたり、長期使用中に何らかの原因で破れると、その燐はパッケージ材料内の水分と結合して燐酸という酸性の強い化学物質になります。 その燐酸はIC内の隣接ピン間に電位差があると、端子材料である銅や、端子内部の金線ボンディング部の銀メッキの銀に働いて、銅や銀をイオン化する力があります。 そのイオンが隣接ピン間の電界中を移動する過程で銅や銀のデンドライト(Dendrite:樹枝状結晶:参考文献32頁)が成長し、その先端が隣接ピンにまで伸びてしまうと、ピン間ショートが起こってしまい、HDDが機能故障を起こすというのです。 ショートが起きる場所は電界の一番高い部分、つまり電源(VCC)ピンとその隣接ピン間が一番可能性のある場所です。
このデンドライト(樹状突起)は非常に細いものであるため、ちょっと電流を流してやるだけでヒューズのように切れてしまいます。 そういうわけで、どのピン間でショートしているかがわかれば、HDDを生き返らせることができると考え実験してみました。 以下の説明は、報告書の写真を見ながら読んでください。
実験および結果:
実験に必要なのは、隣接ピンをプローブする冶具(縫い針2本を先端の間隔を0.5mmにして、瞬間接着剤で固定し、それにワイヤーをハンダ付けしてつくりました)、マルチメーター、そして虫眼鏡です。 実験の前に、電源(VCC)ピンとその隣接ピンの予想をつけるために CIRRUS
LOGIC製SH8671のデータシートを捜しましたが、見つからなかったので、自分でピン配置図を作りました。マルチメータを冶具とつないで、1ピンから隣接ピン間の抵抗を順番に測って見ました。 通常のピン間はマルチメータのX1〜X100レンジで測定すると、500KΩ以上の抵抗を示しますが、いくつかのピン間は20−30Ω、またいくつかのピンでは0Ωを示しました。 あとでカーブトレーサーという装置で測定して分かりましたが、抵抗値の少ないピン間はダイオード特性を持っていました。 マルチメータで抵抗を測定するときは、端子間に1.5V (X1レンジ〜X100レンジ)、または9V(X10Kレンジ)がかかるため、Vf(ダイオードのフォアワード電圧)を超えたところでの抵抗測定となるため、抵抗が低く見えることが分かりました。 結局全てのピン間を測定しましたが、パーツが基板上にあるため、外付けのパーツの影響が大きいらしく、HDDコントローラのどのピンとどのピンの間が本当にリークやショートをしていたかは確定できませんでした。
しかし、抵抗測定後、HDDをPCにインストールして起動してみたところ、BIOSがHDDを認識して、その後フォーマットにも成功しました。 この実験結果を書いている間も修理したHDDには電源が入っていますがなんら問題はありません。動いている間にバックアップしてしまえばよいわけです。 あとどのぐらい使えるか、このHDDは外付けにして使ってみる予定です。マスターHDDのバックアップ時しか電源を入れなければ結構長く使えるのではないかと思っています。 プローブ修理法を実施した時の手順です。 実験について質問がある方は下記までメールを下さい。
嬉しいお知らせ、悲しいお知らせ (5/2/2005 Updated)
このページで報告した方法でうまくデータリカバリができたという嬉しい知らせが入りました。ののちゃん(2004.4.22 & 2004.4.24)さんからの報告です。1台は富士通製のMPG3409AT、もう1台はSeagate製のST34342Aだそうです。5月には米国テキサス州の方から、MPG3409ATの修理がうまくいったというメールをもらいました。また、日本の方からMPG3409AT-ST/MPB3032AT/MPG3204AH-Eもリカバリできたとの連絡もありました。しかし良い話ばかりではありません。もう一人の米国のオハイオ州の方は電圧をかけすぎでチップを焼損してしまったようです。現在私を含めてプローブ法で成功したのは9名、11台です。 マルチメータと縫い針で成功している例が多いです。
3Vで成功したという方もいます。危険性もありますが、マルチメータとちょっとした治具があれば、壊れたHDDからデータ復元ができる可能性があります。
HDDにアクセスできるようになった後は、Easy Recovery とか Final
Dataを使うと壊れたフォールダーやファイルが復活される可能性が高いそうです。ののちゃんさんの報告も参照してぜひ試してみてはいかがですか。
合計 33台成功しています。(4/13/2006)
プローブ法でリカバリできた機種と台数は:13台
富士通製 MPG3409AT-EF -- 9 台
富士通製 MPG3409AT-SY -- 1 台
富士通製 MPG3409AT-EU -- 1 台
Seagate製 ST34342A -- 1 台
富士通製 MPB3032AT -- 1 台
富士通製 MPB3032ATをマルチメータのプローブで修理されたと言う方がいましたが、インターネットで調べても、富士通製”MPB3032AT”が”燐”問題の影響を受けているHDDかどうかは確認できませんでした。
プローブ法以外でリカバリできた台数は:20台
●富士通の修理用ソフト --- 13 台
一番ポピュラーな簡単な解決法です。まず、これで試してもダメな場合に他の方法を試みるべきでしょう。
●ボードスワップ ---------- 3 台 (INDIA)います。 MPG3409AT_EF、 MAC User (日本)を入れると2台ですが...
マルチメータがないという方(インド)にはコントローラボードの取替えを薦めました。期末試験のデータが復活できて喜んでいました。デンドライトは乾電池でも十分切れるはずなんですが.... MACユーザーの日本の方でコントローラボードの取替えで成功した方がいます。Germanyの方は一度富士通の修理用ソフトで一時的に直ったがすぐ壊れたので最終的にはコントローラボードを40 Euro購入し修理できたそうです。 現現在海外を含め合計3台です。
●熱処理 --------------- 2 台 MPG3409AT -EF
タバコのライターの炎を近づけることを繰り返して成功した方が2人います。日本とオランダの方です。 HDDはMPG3409AT
-EFでもっともポピュラーなものです。炎とライターの口元の距離は1.5cmくらいで、1回5秒程ずつ、1回熱をかける毎に外付けHDDケース(USB接続型)にはめ込みPCへ接続確認をして、最後に動作するまで数ターン繰り返したそうです。 バーナーの炎でも修復をした方の話しをメールで寄せてくれたロシアの方もいます。
●冷却/乾燥 ------------ 1 台 MPG3204AH-E
冷蔵庫へ出し入れして機械的ストレスを加えて4年間保管していた不良HDDからデータ救出に成功しました。モスクワの住人です。
MPG3204AH-Eで成功したそうです。
●冷却/CPUクーラー使用 ---------- 1 台 MPG3409AT -EF (いろいろ試した末、バックアップできたそうです。)
富士通のリカバリーソフトウェア -> ライターで10秒炙ってから接続-> 基板を取り外し、乾燥剤とともに密閉容器に入れ、冷凍庫で24時間冷却-> BIOSに認識され、Windows起動時にスキャンディスク起動、データを認識するようになるが、バックアップで途中で読み込み停止 -> 制御チップにグリスを塗り、CPUクーラーをガムテープでチップ上に固定し、ファンを最大回転にしてバックアップ作業完遂
修理方法はこちらを参照してください。
時間があるときに、デンドライトが何V(mV、V)、何A(μA、mA)ぐらいで切れるか実験してみます。もちろんCIRRUS LOGICのICではありませんが....
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Original: 11/25/2003
Updated:6/21/2013