4日目                   出会い  お接待

2017年4月17日   曇り後大雨    5:08〜16:08   36.5Km    59,875歩    民宿 樹園
雨の洗礼
宿を出て、すぐに山道の四国の道を歩く。鶴峠を越え、20番をクリアすると一気に那賀川まで下り、7:22再び21番を目指して山道である。21番に到着するころには、雨も降りだし、カメラのレンズが曇る状態になった。太龍寺の境内で、女性の方にサインをお願いしたら、リーダーにお願いしますと、紹介された男性にサインをして貰う。丁度サインが終わりかけたころに、違う女性が戻ってきて、男性が事情を説明したら、その女性もサインをしてくれた。同じ苗字だが、住所が異なる二人である。兄弟かもしれない。そして、その女性が『お接待です』と現金を差し出した。『お接待は断ってはいけない』とも『現金は受け取るべきでない』とも言われる。執拗に固辞したが、納経帳を取り出して、開いていた私のショルダーに強引に、『お接待です。ぜひ、受け取って下さい』と押し込まれる。『ありがとうございます』と言うしかない。お接待は地元の方が、お遍路にするものと認識していたが、同じお遍路から受けるとは思わなかった。お布施とも喜捨ともとれる。あとから考えると、檀家の人を引率してきたお寺の方かも知れないと感じた。風貌と名前から、そのように感じた。私が余程、哀れに見えたのか、後光が差していたのかと不思議でならない出来事である。宿に着いて確認して、更に驚く。7,000円でした。
22番に近づいて川に出た。川向うの前方に白衣の人たちが何人か往来しているのが見える。あの辺りが22番だろうと思いこんだが、表示はそちらに向かっていない。後で分かったが、あの白衣は工場の従業員がお昼で移動していたのである。22番に到着したのは12時過ぎである。雨が降っており、境内にテントが張られていて、そこで昼食を食べようとしたところ、風が強いからとテントを撤収されました。雨の中、適当な場所がなく、昼食を諦めてお寺を後にしました。運悪く風雨は一層激しくなりました。
1時過ぎ、ちょっとした工場の大きくせり出した屋根の下で、見覚えのある二人連れの女性が休んでいた。地元のハイカーである。私もそこで、昼食にした。
宿で作ってもらったおにぎりとバナナである。コンビニで購入したような体裁になっているおにぎりにびっくり。まさにパリパリの海苔でおいしかったです。改めて鶴風亭!万歳と思えた。
順調に歩いているが、宿まではまだ12Kmある。福井ダムを過ぎ、由岐坂峠を越え、漸く海が見えた。遍路を歩き始めて、初めての海が風雨の中である。なんとも悲しい。写真も撮れる状態ではない。
田井ノ浜駅を過ぎ、ウロウロしていると軽自動車が止まった。「どちらに行かれますか」、「民宿 樹園です」すると、丁寧に教えてくれた上、「乗りませんか」と誘われる。雨でびしょ濡れの雨具では、辞退するしかなく、断って別れた。しばらくして同じ車がまた、止まりました。これをどうぞとドリンクを差し出された。わざわざ購入しに行ってきたのである。ありがたく頂戴し、手に持ったまま、宿に入りました。今日の雨でそれほど濡らしたつもりはないが、デジカメが使用不能となった。乾燥すれば復帰するかもしれないと思ったが、絶命でした。ここの食事も質量ともに大満足でした。いわゆる民宿の食事と言うよりは、レストランの食事である。御主人が料理人と思われるが、愛想はあまり良くなかった。