■ C型肝炎 
         


■ C型肝炎とは 
◇ C型肝炎とはC型肝炎ウイルス(HCV)が肝臓に感染することによって起こる病気です。

◇ C型肝炎は
血液を介して感染し症状を自覚すること無く経過することが多いと言われます。
日本におけるC型肝炎ウイルスの感染者の推計は101万人~151万人と言われています。
現在の日本では、高齢になるほど感染率が高くなっています。

C型肝炎ウイルスに感染した人の約70%はウイルスが排除されず持続感染に移行してC型慢性肝炎となります。
C型慢性肝炎は治療せずに放置すると感染後長い年月をかけて肝硬変、肝がんへと進む進行性の病気です。
慢性肝炎から30~40%の方が約20年で肝硬変になり、肝硬変になった方からは年率7%で肝がん(肝細胞癌)が発生して来ることが解っています。


 
 正常な肝臓
正常な肝臓に
C型肝炎
ウイルスが感染
慢性肝炎
急性肝炎から
約70%が
慢性肝炎に 
肝硬変
慢性肝炎から
30~40%の方が
肝硬変に(約20年で) 
肝臓癌
年率7%で
肝癌が発生 


男性では60歳以降に肝がんを発生しやすいと言われております。
日本人の肝がんの約60%はC型肝炎が原因とされております。

肝機能に異常が続く場合は、血液検査でC型肝炎ウイルス抗体(ほかにB型肝炎ウイルス抗原も)を検査しましょう。
また自覚症状がない場合や肝機能異常がない場合でもC型肝炎ウイルスに感染している場合もあるので、市町村が実施している肝炎ウイルス検診をうけましょう。

         
◇ 感染経路→血液を介して感染
  • 感染している人の血液を用いた輸血、血液製剤、C型肝炎ウイルスで汚染した注射器の使用。
  • 消毒されていない器具を使ってピアスの穴を開ける
  • 刺青を彫る
  • 覚醒剤を打つなど
     
◇ 医療機関における検査の流れ

 C型肝炎ウイルス(HCV)抗体検査  C型肝炎ウイルス感染の可能性(現感染、既感染)を調べます。
 ▽  陽性の場合  
C型肝炎ウイルス遺伝子(HCV-RNA)検査  C型肝炎ウイルスが現在感染しているかどうかを調べます。
 ▽  陽性の場合  
 ウイルス型、ウイルス量の測定
腹部超音波検査や造影剤を使ったCT検査など
 C型肝炎ウイルス型や量、肝臓の状態、肝癌の有無を調べます。
 ▽  
治療  助成制度に申請、給付証を受け取って治療を開始します。
  

◇ 治療法→ウイルス型・肝臓の状態で違います。

ウイルスを排除するには
C型肝炎ウイルスを排除し肝硬変、肝癌への進行を阻止するために、以前はインターフェロンが中心の治療でしたが、副作用が多く、ウイルス消失率も約50~75%の治療でした。
近年では副作用が少なく、ウイルス消失率の高い「経口剤による抗ウイルス治療」が中心となりました。
  • 直接作用型抗ウイルス薬(DAA)・・・・・直接ウイルスを攻撃することによってウイルスを排除する飲み薬です。
  • リバビリン・・・・・直接作用型抗ウイルス薬と併用することによって治療効果を高める薬です。

肝臓の状態、ウイルス型によって内服薬は異なる場合があるので肝臓専門医とよく相談することが大事です。

◇ 抗ウイルス治療が終了したら
  • ウイルスが検出されなくなっても僅かに残ったウイルスがまた増殖を始める事があります。
  • ウイルスが排除できても肝がんの発症の可能性がゼロになったわけではありません。
  • 定期的に検査をし、ウイルスが再増殖していないか、肝がんが発症していないか経過を観察する必要があります。
  • 治療終了後も主治医の指示通りに定期的に通院して下さい。

◇ 日常生活で注意すること
  • ウイルス性慢性肝炎の患者さんがお酒を飲むと肝癌の出来る確率が高くなるという報告があります。飲酒はなるべく控えましょう。
  • 喫煙の肝発癌への影響は完全には否定出来ないと思われますのでなるべく控えましょう。
  • C型肝炎治療中の患者さんは肝臓に鉄分が多く溜まっており炎症が起こりやすくなっています。鉄分を制限する食事をとることによって肝臓の負担を抑えることができます。
  • 鉄分の多く含まれる食品はレバー、赤身肉、小魚、二枚貝、大豆、卵黄、ひじき、パン、麺類、緑黄色野菜は多く淡色野菜は少ないなど。

    
◇ 医療費助成制度

◇ C型肝炎の助成費
  • C型肝炎の治療は高額なため患者さんの医療費負担を軽減するために自治体が行っている公的な福祉制度です。
  • 抗ウイルス治療にかかる費用は大部分が支給され最終的には月額2万円または1万円です。
  • 助成制度の申請には診断書などいくつかの書類が必要となります。各地域の保健所までお問い合わせください。


◇ 高額療養費制度については
  • 医療費や薬局の窓口で支払った額が暦月(月の初めから終わりまで)で一定額を超えた場合、その超えた代金を支給する制度です。詳細は申請時に確認してください。



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