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中国黒竜江省酪農乳業発展計画 | ![]() |
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「未利用資源の実態調査」では、黒龍江省における基幹作物であるトウモロコシの副産物である「茎葉」を主体に調査を行った。また一部地帯で行われている稲作の副産物である稲わらについても、2003年に稲作を行っている地方に出向き、調査を行った。
トウモロコシ茎葉は、牛飼養農家及び耕種農家(トウモロコシ栽培農家)で発生している。牛飼養農家では冬季の重要な粗飼料源として活用されているが、畑作専業地帯では、近隣に酪農家がおり、トウモロコシ茎葉の需要がある場合には販売しているが、そうでない場合には家庭の燃料とし、使い残した分は放置されている状況である。
牛飼養農家でのトウモロコシ茎葉の給与時期は主に冬季であり、自らの圃場から持ってきたもの及び購入したものを自宅敷地の周辺に積んでおき、これをカッターで細断して給与している。
一部でトウモロコシ茎葉を原料としたサイレージを調製しており、2004年に調査したものではかなり品質の良いサイレージが調製されていた。しかしトウモロコシ茎葉サイレージの調製はまだ広く行われてはいない。
2003年10月に黒龍江省西部、内蒙古自治区にほど近い査哈陽農場において稲わらの発生状況を調査した。ここでは、牛の飼養が見られず、稲わらのほとんど全部が圃場であるいは家庭の燃料として焼却されており、稲わらの有効利用は各種加工品の製造も含めて全く見られなかった。
これら牛飼養農家から遠距離にある無畜農家が生産したトウモロコシ茎葉及び稲作地帯の稲わらの有効活用が課題であると思われたが、これは技術的問題というよりも、これらの流通や価格の問題と思われる。
トウモロコシ茎葉等の利用技術としては、既に広く利用されている方法及び今後普及の可能性があるもの等を数え上げると下記の3つがあげられる。
既に農家で広く行われている方法である。トウモロコシ収穫時点で茎葉は水分が50%程度となっており、実を収穫した後も乾燥が進むため、圃場脇あるいは農家敷地内に堆積して貯蔵される。給与する場合には細断機にて細断して給与する。
一部で事例が見られるが、広くは行われていない。トウモロコシの実を収穫してしばらく圃場に放置した状況で茎葉の水分は50%程度になっており、このままでサイレージ調製が可能である。調製方法は一般のトウモロコシサイレージ調製と全く同じである。サイレージ調製することにより家畜の嗜好性が高まることが期待される。
まだ当地では見られていないが、中国でも南方で稲わらの尿素処理が行われた事例があり、プロジェクトにおいて試験的に調製が行われた。添加した尿素がアンモニアに変化し、アンモニアの強いアルカリ性及び殺菌作用により詰め込み材料が保存されると共に、アルカリによる粗繊維の消化率が高まることを期待するものである。
この分野における活動は、2002年及び2003年の短期専門家による指導を主とし、長期専門家がフォローする形をとった。
2002年はトウモロコシ茎葉のサイレージ調製試験を行った。方法は合成樹脂の袋に詰める方法をとった。
2003年には尿素処理の試験を中心として行った。なお、2003年の尿素処理試験は、鼠の害により失敗した。このため、2004年秋には以前に牛の水飲場として使っていた水槽(煉瓦積み表面モルタル仕上げ)を小型のサイロとしてここで再度試験的に茎葉サイレージの調製を試みた。
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