労働者から要求書が届き、無視していたら・・・ |
会社に、紛争調整委員会から「あっせん開始通知書」が来ました。どう対応したらよいでしょうか? |
あっせん開始通知書にはこう書いてあります。 |
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あっせんの手続は、参加が強制されるものではなく、また、不参加の意思が表明された場合 にも、不利益な取り扱いがなされるものではありません。 |
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選択肢として次の3つの方法が考えられます。
- あっせんに参加する旨を連絡する。
- あっせんに参加しない旨を連絡する。
- 通知書を完全に無視する。
まず、郵送された通知に対して「完全に無視」した場合です。
このようなときには、数日後、労働局から社長宛に電話がかかってきます。
そして、労働局の担当官は、会社があっせんに参加するか・参加しないかの意思確認を直接電話ですることになります。ですから社長は、当初の通知を無視しても結局はあっせんに「参加する」「参加しない」の判断と意思表示が必要になります。
次に、「あっせんに参加しない旨を連絡」した場合です。 労働者の方があっせん申請をしたということは、どういう意味で行ったと思われるでしょうか。 あっせん申請を行った労働者は通常、「何とか円満に解決したい!」、「困っているが会社と裁判までして争いたくない」、「今回のことが改善されればこのまま職場で働きたい」という考えをもとに何とか決定的な対立をせずに問題を解決したいと思っている場合がほとんどです。 ですから会社があっせんに参加することを拒むということは、労働者がせっかく公的機関で話し合いを行い、円満に職場トラブルを解決したいと願っている機会を奪ってしまうことになるのです。そしてあっせんを拒まれた労働者はやむを得ず裁判を起こすこととなり、訴訟の場で対決して白黒をつけて自分の利益や生活を守ることをすることをしなければならなくなるのです。 あっせんと裁判の大きく異なる点は、公開・非公開の差です。あっせんは非公開に対し、裁判は公開されます。たとえ、会社側に有利な判決が出たとしても○○会社事件などと言われ、世間からの心証は決してよくないものとなります。 会社にあっせん開始通知書が来た場合には、参加する旨を紛争調整委員会へ伝えることが大切なのです。
最後に、「あっせんに参加する旨を連絡」した場合です。 あっせんに参加するにあたり、労働関係法の知識は十分ですか?あっせん制度について理解していますか? あっせんの制度や趣旨を理解していないと、せっかくあっせんが開始されたとしても、解決に至らなかったり、打ち切りとなってしまったりする可能性があります。 法律、裁判例は労働者側に有利な場合がほとんどです。
当事務所は、あっせんにおいて代理人になることができる労働関係法の専門家である特定社会保険労務士により運営されています。「あっせん開始通知書」が会社に届き、あっせんに参加する際は、当事務所へご連絡ください。 法律、裁判例を参考にしながら、検討させていただきます。
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