世界名作劇場の記憶

自分と家なき子レミとの出会い。
何がきっかけかというと、世界名作劇場の「ロミオの青い空」でした。

オンエア当時、ロミオの青い空はリアルタイムで見ていました。
ストーリーは面白いし、 なんといってもアルフレドがかっこよかった。
学校の友達の中でもかなり話題になっていた記憶があります。

その前に、ピーターパンの冒険や、トラップ一家物語なども見ていたのですが、世界名作劇場の作品の中ではロミオの青い空はずば抜けて面白かった。そういう記憶が私の中に残っていました。

でもロミオ以降の世界名作劇場の記憶は全くありませんでした。
のちのち調べたところ、名犬ラッシーと家なき子レミだけだったみたいですが、自分もアニメから離れていたりして興味が薄れていました。
おぼろげな記憶には、名犬ラッシーのキャラクターが今までと違って受け入れられなかったという思いがあります。
家なき子レミで世界名作劇場シリーズが一旦終わってしまったのも、当時は全く知りませんでした。

それから時は経ってなぜか2005年。
ふとレンタルショップでロミオの青い空を見かけて、 この作品、面白かったよな。。 暇だし見てみようかな。と思い、見てみることにしました。
やはり2回目もものすごく面白かったんです。

ちなみに、ロミオの青い空がおもしろい、おもしろいばっかりですが、何が良かったの?と言われると困ってしまいます。細かい内容の記憶ががあまりないので。。。。(おおまかは流れは覚えています)

とにかくロミオの青い空を2回目見て、感動した私は
 世界名作劇場の後半は良作ばかりなんだな、、これはチェックしないと。
 しかしラッシーはなんとなく受け入れがたい。キャラクターが。
 特に自分は動物マニアでもないしな。。
 次の家なき子レミはどんなんなんだ? ん!この男性キャラクターの声は安達忍さんではないか!!これはチェックするしかない!

*安達忍さん……後述しますが自分が贔屓にしている声優さんです

ということで、家なき子レミをレンタルするにいたりました。

ちなみに、世界名作劇場はロミオ以外はそんなにはまらなくて、 でもテレビはつけている状態で流し見、、という感じでした。 一番古い記憶は小公女セーラで、とにかく悲しくて悲しくて もう見たくない(でも見ないとセーラが幸せにならない)という印象でした。 トラップ一家物語はやはり安達忍さんが出ていたので、 それ目当てに見ていました。もうルーペルトだけを目で追っていました。

少し脱線しますが、家なき子レミ以外に気になる世界名作劇場
 1.ロミオと青い空 (今度こそストーリーを覚えたい)
 2.トラップ一家物語(また安達さんの声が聞きたい)
 3.小公女セーラ(昔のトラウマを乗り越えたい)

家なき子レミをDVDで見始めて(ヴィタリス編)

ロミオの青い空を見終わった私は家なき子レミのDVDをレンタルしました。(結局名犬ラッシーはスルーされました)
ヴィタリス編は。。無難に面白かったと思います。
やはり前半のクライマックス雪山では涙涙。。まさかあんなにキャラクターが一気に退場するとは思わなかったので。
キャラクターが亡くなるのが2回に分けてどん!とやってくるんで 心臓に悪かったです。
でも、後半は安達さんキャラが出てくるし、 頑張る!という感じで見続けていました。

そして、、遂に13話。
次回予告で1コマだけマチアの顔が初めて出てくるのですが。ラッシーを抜かしたのは間違えではなかった!(ルックスが自分好みでした)正直同じ名作系で安達さんがやっていた トラップ一家物語のルーペルトより良い。
これはこれは、、久々に萌えるキャラクターではないか、、と 高鳴る鼓動を感じずにはいられませんでした。

。。。前半であるヴィタリス編の感想が少ないですね。。。家なき子レミを初めて見たのが20代も過ぎていたので、ちょっとした感動や、悲劇に対して耐性が付いていたのか、ものすごいインパクトは正直ありませんでした。
。。その分、後半のパリ編での電撃ショックは人生最大のものだったのですが。
最終回を見た後、一週間ぐらいは明け方5時ぐらいまで眠れなかったんですよ?すごくないですか、この作品に対する私の感動。

安達忍さん

マチアというキャラクターに魅力を感じたのは、きっかけは自分にとって特別な存在となっている「魔動王グランゾート」という作品のラビというキャラクターの存在も大きかったです。

マチアと同じ声優の安達忍さんがされているキャラクターです。
ラビは幼い頃に両親とはぐれ1人で暮らしてきた不良です。 しかも異星人(詳しくは省きます)。
まともな生活なんて出来ないから悪いことばっかり してなんとか生きてきた11歳の少年。
言葉遣いは乱暴で、かなりのちゃっかりもの。でも心はピュアで 優しいところがあります。

。。マチアとかなりキャラクターがかぶります。
ちょっと違うところはラビは女の子好きでかわいい女の子をみるとすぐに ナンパしたりしています。 やや軽めのキャラクターです。

小学生の頃、初恋だったのがこのキャラでした。(遠い目)
で、マチアの何が良いって、ラビ君を大人にしたような感じなのです。実際はラビ→11歳 マチア→12歳ですね。
マチアはパリの仲間たちの中では一番年上で、みんなをまとめたり守ったりする落ち着いて真面目なキャラクターですが、 リカルドに喧嘩ふっかけたり、ミシェル通りのポール達から逃げるときなど時々ですがやんちゃぶりを発揮しています。 そんなところで
 ああーラビ、大人になったのねえ。。でも昔の面影がまだあって嬉しい
なんて超個人的な感情を持っていました。

かなり話が家なき子レミから脱線してしまいましたが、もし魔動王グランゾートのラビのファンの方がおられたら、家なき子レミを見ていただきたいです。

キャラクターの魅力が素晴らしかった(マチア)

結局キャラ目当てのヲタのたわごとなんだろう。と思う方おられると思います。確かにそれは否定できませんが家なき子レミという作品を語るにあたって必要なので少しだけマチアというキャラクターについて語らせてください。

マチアの魅力って何と問われると・・言葉で表すと。。何て表現したらいいんだろう。いや、そんなこと、言葉に表すのなんて野暮だって思いますが。だって、あのシーンのあのマチアが良い、とか、そういうこと言っていたらキリがない(多すぎるので。昔は叫んでいましたが)。

一言で言い表すとしたら、、ピュア なのかな。。。

初めは、不良で、無口で、人に対して憎まれ口も叩くやんちゃな少年なのですが。

愛する人のためには自己犠牲も厭わない、まっすぐな信念が。

ストーリー後半で見せる、澄んで端正な瞳が。

自分の気持ちを伝える時は変化球なしの弾丸直球ストレート(攻撃力ハンパないです。その場にもし第3者がいたら即死)

いそうで、今までいなかったキャラクター。ある意味ヒーローとして最もふさわしい資質を持っているとも言えるのではないでしょうか。

世界名作劇場の主役を最後まで演じ切れなかったキャラクター(レミ)

家なき子レミにおいての主人公は、もちろんレミです。

レミの良いところは「明るい性格」。どんなにつらい状況に落ちようが、くよくよしない。常に前に進め!をモットーに生きていきます。その前向きな性格に、ストーリー全体を通して多くのキャラクターたちが励まされ、元気付けられていました。もちろん、ディスプレーを通した視聴者である私たちに対しても。

まさに世界名作劇場の主役にふさわしい、キャラクターだったと思います。

しかし、ストーリー後半で違和感を感じたのは私だけでしょうか。
クライマックスでマチアとレミが惹かれあう流れに合わせる為か、はたまたストーリーが26話という限られた、短い内容でまとめなくてはいけないせいであったか。 レミの「前へ進め!」が、根拠のない、軽い言葉に思えてしまうシーンがいくつかありました。 ヴィタリスさんの死ですら、前を進めと乗り切ったレミであるのに、炭鉱で閉じ込められるあたりからは、ただの弱い、そして身近にいて常に自分を助けてくれる少年に恋をするという、普通の女の子に変わってしまっています。

思うに、家なき子レミが受け入れられなかった人たちの感情は、ここにあるのではないかと。
最後までレミには主役を演じてほしかった。ぱっとでのマチアが強烈なオーラを持ち、主役をかっぱらってしまったのが納得いかない。

でも。EDテーマでも歌っていますよね。
「きっと みんな そんなに強くない」

確かに明るくて前向きな性格は素晴らしいことです。でも、マチアに恋して自分の弱さを知ったレミは、視聴者であった私にとっては今まで少し遠い存在であったキャラクターから、身近に感じるキャラクターに変わりました。

明るさや、強さだけでは愛を語ることは出来ません。 人間の感情は弱さ、悔しさ、諦め、妬みなど綺麗ごとばかりではないもので構成されています。いろいろな想いがいりまじって、ぐちゃぐちゃな感情を持った人間が、他人を大切に想うことによって昇華したもの。それが愛だと思います。そのことは、EDテーマであるしあわせの予感でも語っているメッセージです。

マチアというキャラクター、マチアと出会うことで変わったレミ。そんな二人がいてこの家なき子レミという作品は愛を伝える名作になったと私は思います。

家なき子レミという作品

家なき子レミという作品は、名作だと私は訴えたい。

そもそも、世界名作劇場とは何を伝えたいアニメなのか。思いつく限りあげてみます。
 舞台が外国だったり、数世紀昔だったり 今の自分とは違う環境の非日常的な背景
 親が安心して子供に見せられる作品
 キャラクターデザインが奇抜でない。
 家族の絆
 他人を思いやる気持ち
 美術や音楽など芸術に触れる機会
 友情
 好きな人を大切に思う気持ち
 動物との心のふれあい
 なんの邪な考えもなく他人を信じることの出来る心 
家なき子レミにこれらの要素が全くないとは言えません。むしろ踏襲しているでしょう。またどれかを否定しているということもありません。

もう一つ言いたいことがあります。世界名作劇場とは、その他の世界名作劇場の作品を好きな人だけを対象とした作品でなければいけないでしょうか。その他の世界名作劇場の作品と同じような内容でなければいけないのでしょうか。
そもそも時代の流れとして世界名作劇場の時間枠で視聴率が取れなくなってきてしまった背景で、作品に対して今までになかった試行錯誤をした。作品作りでこのことがいけないことであるとは私は思いません。この作品を見て、製作者の方々から良い作品作ろうという思いは、少なくとも私には伝わりました。

たとえ少数派だとしても、私はずっと訴えたい。家なき子レミは世界名作劇場の作品として、名作であったということを。