トゥルーでもあけましておめでとう! ……今年が日記としては最後の、という点については、あえて触れないでいようかなと思っていましたが、この新年はじめの日記が、これまた姉妹によるものではない、ダイレクトメッセージという時点で、やっぱそのことは意識せざるを得ませんよね。
新年あけまして
おめでとうございます!
ことしもよろしく
お願いします♥
お兄ちゃんとの
幸せな時間が
今年もたくさん
過ごせますように――。
私達は――
お兄ちゃんのことを
精一杯!
幸せにできるように
努力することを――
誓います♥♥♥
……姉妹によるものではありませんが……この溢れんばかりの愛情。甘ったるいぐらいの親愛。姉妹による言葉でないにも関わらず、いつもの日記以上の幸福感に浸れます。ある意味、姉妹たちの愛情の根源みたいなものですからね。ここから全てのトゥルーの愛情が生まれてきているのだなと思います。
そんな根源から伝えられた、この最後となる新年の言葉――それは「精一杯」とか、「誓います」とか、「幸せにできるように」……とか。まだ、お礼を言うには中途半端なタイミングかもしれませんが、押さえ切れないので、とりあえずここで一言。
――本当に、ありがとうございました。そして、これからもよろしく――と。
加えて、休み期間中には恒例のユキ先生イラストも! フレディやオコジョ、そしてキュウビらのトゥルークリーチャーが、これほどまでに認知されたのも、先生のおかげですよね本当に。
新年の晴れ着ってことで、なんだかみんな、いつもよりもお姉さん度が高いような……特に虹子と青空は、すぐ下のあさひさんが言葉を喋れるようになった事で、それに押し上げられるかのように大人びたって気がすごくします。そして、そんなふたりを見守る小雨……晴れ着と、アップにした髪の毛だけでもドキッとするぐらいに大人びた感じなんですけれど、それもまた、内面の成長が滲み出てきたということの表れなんでしょうね。
1歳である青空は、まだ言葉を使えるようになったばかりといっても良いわけで。そんな青空が、あさひさんと言葉を交わせるようになる日が、もうすぐ来ているんだな……って思うと、胸が熱くなります。締め付けられるかのように――
そして、恒例の旅行もしっかりと! この年末はごたごたしていたので、日記中では触れられてなかったんですけれど、やはりトゥルー家族の長期休暇は旅行ですよね!
もちろんユキ先生のイラストも健在であり――というか、先生のイラストがないと旅行はありえないってぐらいですよね。
今日は出発日ってことで、しおり片手に移動中――と、今回もまた麗のしおりですね。旅行先が大磯と近いので、これはきっと鉄道で行けたのではないでしょうか。そりゃあ麗が張り切らないわけがありませんよね。イラストでも♪マークでご機嫌です。
立夏の冬服姿が立夏らしくも、ちょっと新鮮に思えて可愛らしいです。厚着だから新鮮に思えるのかな? まだプリティーンファッションって感じではありますが、あと少しでもっとぐっと大人びた可愛らしさもどんどん発揮してくれることでしょう。それが見られる日も、迫ってきているのでしょう……。
ところで、旅行先が大磯ということは、いかにもプールリゾートとかで遊んでくれそうであり、日記が終わる前に、全力で水着の姉妹を堪能できるということなのかも知れません。いや、そっち方面は、OVAで存分すぎるほどに堪能できるでしょうけれども、これはこれで!
二日目はなんと駅伝観戦! そうかなるほど、これも計画に含めていたわけですね。もちろんこれを喜ぶのはヒカルであり、イラストでも旗を持って嬉しそうにしていますが、麗の鉄道願望のみならず、ヒカルの好みもバッチリ押さえた旅行計画に感心です。というか、もしかして麗自身が考えたんでしょうか。いつもの旅行に比べて近場ではありますが、実に充実した旅ですね。
一方のさくらは、駅伝よりもおもちってところでしょうか。ちいちゃなお口で頬張る姿がかわいすぎるのはユキ先生のイラストパワーだけではないということは間違いありますまいて。
せせせせせ星花ああああああああああああああああああ!!! お風呂お風呂お風呂……って、このバスタオル姿をもしかしたらトゥルー俺がすぐそばでいっしょに目の当たりにしている可能性宇宙! や、ほら、女の子の家族と一緒にお風呂に入れるのは、星花あたりが限界点であり、すなわち星花なら「少し気恥ずかしくも大丈夫」という最も美味しいラインなわけでして、最高の素晴らしいシチュエーションに感謝、神(ゴッド)に感謝。……いやまあ、小説版で、その限界を思い切りブレイクしてくれた長女と次女の人もいたりはしますが、これはこれで!
その一方、同じバスタオル姿ながらもはしゃぎ回る夕凪さんにもどぎまぎしてしまいます。……ええ、今にもバスタオルが落ちてしまいそう……というか転びそうで。
ともあれ、今回の旅行の一番の幸福は、この小さい妹たちの可愛いお尻などをちらりちらりとガン見しつつお風呂を堪能できるという一言に尽きるのではないでしょうか。
お正月は過ぎてしまいましたがそれでも晴れ着は絶対的に正義! ……ということで、春風さんソロによる艶やか……というよりはやはり可愛らしい晴れ着姿で眼福でございます。
手にしたお守りが「縁結」というあたりにプレッシャーを本来ならば感じ無くもないのでしょうが、「安産」とか「子宝」を想定していた身としてはむしろ何も問題がなく素直に嬉しいレベルであったりも。
♪ざっざっざぁ――ん
おおきなおとして
うみがうたうよ
♪ごっごっごぉ――う
通常トゥルー日記再開! ……かと思いきゃ、まだユキ先生イラストはついたままの豪華仕様。っていうか、まだ旅行中は旅行中みたいですね。確かに旅先とはいえ日記が書けない縛りがあるわけではないので、これはちょっとありがたい仕様であります。
さて、そんな旅行の最中、虹子がなにやら可愛らしくも豪快なお歌を披露してくれておりますが……
おおきなうみ
あおーいうみ
なつはきらきら――
ひかってるうみ!
ふゆはつめたく――
あわのたつうみ!
……二歳にして、冬の海と夏の海の特徴をしっかりと捉えている虹子さんマジ超二歳児。知識があるばかりではなく、感性としてもきわめて優れていますよね。特にこの後ろの文章、
うみはみんなと
あそびたいのに――
ふゆのうみは
つめたくて――
おねえちゃんが
かえろうっていうから
ばいばいだけして
にじこもかーえろ。
おにいちゃんのとこに――
はやくかーえろ。
さみしそうなうみに――
にじこのおうた
とどくかな?
この感受性。すごいですよ年齢を考慮しないでも。いやむしろ、小さい子だからこそのこういう捉えかたっていうのもあるとは思いますが、どこかの賞に送りたくなるぐらいの詞になっているんじゃないかって思うのは、やっぱ兄馬鹿なんでしょうか。
それはさておき、この歌からも、もうそろそろ旅行から帰るみたいですね我が家族。学校組はさておき、海晴姉さんはもう本来なら仕事始めに入っているでしょうし。
しかしユキ先生のイラストでは、まだまだ旅行堪能中とばかりに、マリーと観月の羽根突き姿が……ってマリーさんウェアが別方向に気合入ってます。ベルばらだけじゃなくって、エースをねらえあたりにも影響を受けているのでしょうかもしかして。とまあお正月のスポーツに相応しいかはさておき似合いまくりなのは間違いなく。観月の晴れ着も、普段が和装ながらも巫女服ばかりなので、かえって新鮮でそのうえ美少女って印象であります。
今日で――
いよいよ、
門松やお飾りとも
さようなら、ね。
さらばお正月! ……とばかりに、季節のアイテムとの別れを惜しむマリーが今日の担当。七草粥を食べたりなど、季節の行事はバッチリこなしているということを改めて示しつつも、やはりどこか寂しそうな雰囲気が。
あんなに待ち遠しくて
嬉しくて楽しみにしてた
華やかなお正月が――
これでみーんな
お・し・まいっ!
くりきんとんも数の子も、
おめでたい紅白のかまぼこだって
みんなみんな、さようなら。
季節のイベントを全力かつ完璧に押さえるトゥルー家族の中でも、真璃は特に、「楽しむべき行事はしっかり楽しもう」って無意識のうちの意識がありそうな感じがありますよね。義務的にというのでもなく、人としての在り方として、自然とそういうあり方で過ごしているというか。分かりやすく言うなれば、趣というものを大事にする、みたいな。このセリフからもそんな感じが滲み出ていますが――やはり、食べ物のことが多くなってしまうのは、これまた相応に女の子だなあと微笑ましく。ええ、これでこそマリー。
……などと、ほのぼのとした気分で眺めていましたら、
今年のお正月はみんなで
大磯のおじさまのところに
来てるから――
なるほど。親戚のおじさんがいたんですね…………………………って、トゥルー親戚!?
いや、この19人姉妹のトゥルー家族は、父母の存在や、トゥルー俺という問題もあって、ガッチリと設定を決めようもないという思い込みが俺たち内部にはあったんですが、なにげにこういう設定がわりとあったりするんですよね。小説版だとなお細かいところまで描かれてたりもしますが、こちらの方でもときにこのようなさりげない大情報が。
このあたり、考察しようとするととことんまで追及できそうなのですが、まあ今は、旅行中ということもありますし、びっくりしましたの一言で済ましておこうかと。
とにかく真璃としては、そんな寂しい気持ちを振り払わんとばかりに、残ったお休みをフル稼動でエンジョイしようと奮起したいご様子。ちょうど昨日のはねつきイラストがそれなんでしょうね。
そんな中でも――
よぅし――!!
海晴お姉ちゃまからの
ごほうびのチューをかけた
歌合戦トーナメントは
いよいよ今夜開催よっ!
華やかなお正月の
笑い納めに――
あと3日で冬休みが
終わっちゃうコトなんか
吹き飛ばしちゃう勢いで――
がんばるわっ!!!
……なんかちょっと気になるイベントが。海晴姉さんのちゅーが商品の歌合戦……! トゥルー俺にとっては間違いなくご褒美、マリーたちぐらいの小さい子にとっても全く問題なくご褒美として通用するでしょうが、上のお姉さんたちあたりだと……お、おおう。春風さんや霙姉さんあたりが優勝したら、ちょっとドキドキもので、これを拝見できるとしたらむしろ自分がされる以上のご褒美です。
まあ、このシチュエーションでいえば、麗が全力で嫌がりつつも(歌うこともちゅーも)、なんだかんだでおだてられたりのせられたりで、歌合戦に参加するのだろうなあという光景が思い浮かぶかのようです。
それにしても、このマリーの気合の入りよう。姉妹の中でも特に勝負事が好きそうですものねマリーって。「がんばるわ!!!」って言ってる姿がこれまたいいなあ。さっきの決意もあることですし……
マリーが優勝したら、
もちろんフェルゼンからの
祝福のチューもゴショモウよ♥
こうしてトゥルー俺を喜ばせてくれることともバッチリ忘れていない大物なのです。
ついに! お風呂中が! ……観月の温泉美人っぷりがハンパじゃなさすぎるなあ。幼稚園児にしてこの色香……髪をアップにしているのもありますし、この心から温泉を堪能しているって風情がまた大人びた魅力を。さくらのほうも観月ほどではないとはいえ、落ち着いていてなんだかいつもよりも大人っぽくてドキリと。キュウビがこっちに寄っているのはその魅力に誘われてでしょうか。
そして今日はお風呂あがり!! ウオオオオオーッホタのバスタオル姿はやはり小さい子たちとは比べ物にならぬダイナマイトっぷりであり大危険! ……と、なにやらホタの前には、そのナイスバディ所以のより危険な事態が進行中のようで。
ええ、お正月明けですからね。ましてや旅行中ともなれば、それはもう……思い当たるふしが次々と思い浮かび、その魔性の箱に足を載せることが躊躇われているようです。実際に乗ってみたら、そんなに大したことはないんじゃないかなあ……って思うのですが、そこはそれ、男の視点で無責任なことを言ったらいかにホタであろうと傷つけてしまいそうなので黙っておきましょう。普段から体重のことは気にしてるみたいですしね。
……ま、まあ、このムッチムチなふとももを見ていたら、確かにさぞや心地良いお肉の重みが味わえそう……と不埒な発想も。
一方、体重のことは全く気にしないで済みそうな人が後ろのほうに一人いますが、あのスレンダーっぷりが「ここでは」有効に働いているということであり。……ええ、別の局面においてはむしろ最大限のコンプレックスにもなっているわけですが。もっとも世の中には、ナイスバディなのにほっそりしている人もいるので、氷柱のぺたんこっぷりにはあまりフォローにならないかも知れませぬ。
……いよいよ、旅行およびユキ先生のイラストのターンも、本日で終了ということでしょうか。帰宅途中を描かれているのは(きっと麗の希望どおりの鉄道車内なんでしょうね)、オトナっぽい海晴姉さんと、お人形さんのように可愛くお眠り中のユキ。……いや本当、お人形さんという他ない可愛らしさだなあ。冬の旅行ということで、ちょっと体調も気になっていましたが、存分に堪能することができたようですね。
かたや海晴姉さんがこちらに向ける視線は、「お疲れ様でした、『お兄ちゃん』」といわんがばかりの慈愛に満ち溢れております。なにより大変なのは、19人の面倒をまとめてみてあげないといけなかった海晴姉さんだろうに、やっぱこの人にはかなわないなあと改めて。
今日はいよいよ
始業式。
学校の始まりの日でした!
豪華仕様だった大磯旅行も終わり、いよいよトゥルー内も日記も通常運営に。学校が始まることにこれほどまでに嬉しそうな反応を見せてくれるというのは、いかにもユキらしいですね。
しかしながら、そんな新学期の始まりではありますが、この圧倒的なまでの寒さ……ユキの体調が心配されてしまうのですが、本人的には――自分のことなどよりも先にまず、
テレビの中では
海晴お姉ちゃんが、
「今年1番の寒さです」
って――
肩をブルブル
させながら――
お外からのリポートを
してました。
口からでる
息もまっしろ!
「うわぁ――
寒そう!!!!」
って――
思わずユキは
声が出ちゃいました。
働くって大変です――
素敵でエライ働き者の
海晴お姉ちゃん――
……この反応ですよ。海晴姉さんの身を気遣いつつ、その社会人としての立派なお仕事っぷりに敬意を示すことができる小学一年生……そりゃあここんちの子はみんな立派な子ばかりですけれど、そんな中でもやはりユキのいい子っぷりは際立っていますよね。
寒いのに学校が楽しみだったりするのは、ずっと入院生活を送っていたなどの事情もあるわけですが、それを抜きにしたってきっと、ユキはこのぐらいいい子なんだろうなとは思います。
それに、学校に行くことさえ夢だったユキにとって、「働く」っていうことは、それこそ夢のさらに先にある夢みたいなもので、普通の子よりもずっと強いリスペクトを抱いていたりするのかも知れません。
ともあれ――
今日おうちに
帰ってきたら――
今日1日のつかれが
とれるように――
1番にあったかい
おしるこをだしてあげなくちゃ!
こんな天使っぷりでお仕事の疲れを労ってくれたら、海晴姉さんじゃなくったって全力でハグしてあげたくなることは請け合いです。ええ、もちろん邪念抜きで。
ちなみに、おしるこを作ったのは鏡開きの日だからとのことですが、これにはもしかして、霙姉さんからの要望もあったのかなと。ええ、別にお雑煮とかでもいいわけですし。あくまで想像ではありますが。
ユキは、こんなに寒い日にも
無事に学校に行けたことを
神様に感謝しながら、
そしてそんな中にさりげなく圧倒的な天使性を発揮するユキ。この子はもう、そこいらの教会のシスター以上の敬虔さを身につけていますよ。信仰心という以前の、人間として抱く敬虔さ。
とまあ、そんなところを見せつつ――
お兄ちゃんはおしるこ好きですか?
ユキは意外と――
缶入りのおしるこドリンクも
好きです♥
エヘヘヘ――
――歳相応の可愛らしさもしっかりと発揮してくれるユキという子に死角がなさすぎるわけで。ああもう! エヘヘヘ――とかかわいいなあもう! 缶入りおしるこが好きってことは、さりげにかなり甘いもの耐性が強いのかも知れませんね。あるいは、霙姉さんと同じ属性を内に秘めているか。
この世のワンダー・スゴいこと!
それは――
今日の夕ご飯のメニューが
カレーだったっていうことっ☆
いきなりほとばしる夕凪さん的発言!! ええ、「ワンダー・スゴい」という語彙といい、それが夕飯カレーだったりするあたりといい、のっけから夕凪さん全力全開に夕凪さんじゃあないですか。
しかしその「ワンダー・スゴい」事柄はそれだけではなく、夕凪さんがマホウ使いであること、トゥルー家族という奇跡、そしてあさひさんがこないだついに喋ったことなどが並びます。……いや、夕食がカレーであることと同列に並べるべき事柄かどうかについては疑問もありますが、まあ夕凪さんがそう思っているというのであればそれが何よりなので。
そしてさらにもう一つ、どうやらこれが超超がつくぐらいに「ワンダー・スゴい」の大本命のようで――
それは――なんとぉっ、
夕凪の今日の算数のテストが
な・な・な・なーんとぉっ!!
91点だったことぉ―――っ!!!!!
きゃ――――☆☆☆☆☆
超スゴくない?
夕凪、90点以上なんてとったの
生まれて初めてだよぉ♥♥♥♥♥
夕凪さんの夕凪さんらしさ、ここに極まれり。ええもう、全力全開を超えた全力全開夕凪さんというか――まあ、色々と思うところがないでもありませんが、これほどまでに喜んでいる以上、全力で褒めたたえて頭をなでなでしてあげることこそがトゥルー俺としての使命であり、真っ先にしてあげたいと思うことなわけですよ。
さらに話を聞くと、どうやらこの超超「ワンダー・スゴい」偉業には、ちゃんとトゥルー俺も関わっていたようで――ってまあ、冬休みの宿題を手伝ってあげたことのようですが。
あっ♥♥♥
ってことは――
これってもしかして、
お兄ちゃんのラブのマホウ?
あの時――
夕凪のアタマが
よくなれ、
よくなれ〜♪
ってマホウかけてくれたのかな?
でへへへ――♥♥
夕凪、ちょーうれしい♥♥♥
……身に覚えがある様なない様な……というか、「よくなれ、よくなれ〜♪」って言い方が可愛らしすぎて悶死モノですよ夕凪さん! そりゃこれだけ可愛ければ、ラブのマホウ抜きでも頭なでなでしまくっちゃいそうな気がします。最後の「でへへー」には、まだまだ子供らしくも、ちょっぴり「女の子」を思わせる響きを感じないでもなかったり。子どもらしい夕凪さんですが、それでもあと数年もすれば、立派に「女の子」に目覚めてしまうでしょうからね。
どうやら夕食がカレーというのは夕凪さんへのご褒美だったらしく。それにはしゃぐ夕凪さんからのギフトとして、カレーのお肉あげるという申し出が。……夕凪さんにとって、大変大きなものとして、ありがたく(ちょっとだけ)頂戴いたそうかと。
わお――超うれしいっ!
きっと明日は雪が降っちゃうぞぉ〜〜☆
夕凪さん的に、雪が降るっていうのは超うれしいことだっていうのがよくわかる発言ですね。道民であるリアル俺としてはやや遠慮したいところでもあるのですが、トゥルー内に限定してお願いしたいところ。
結局、雪は――
降らなかったな。
少しは――
期待していたのに。
ああ、雪が振って嬉しい人がここにも……いや、小さい子たちならば無条件で嬉しいのでしょうけれど、成人間近のこの人にとっては、ちょっと違う意味合いにおいての楽しみだったようですけれど。
とまあ今日の言ってる内容は、昨日の夕凪さんの発言をそっくりそのまま受けてのこと。ええ、自分の高得点に、思わず「雪が降っちゃう」と、すなわち天変地異のノリでお喜びになられた夕凪さん。まあ、それも、夕食がカレーだったのと同列だったりはするので、まさに夕凪さんらしいノリ100%の発言だったことはいわずもがな。
とりあえず、その通りには雪がふらなかったことで、霙姉さん以外にも指摘を受けた夕凪さんですが、
これはきっと夕凪が本当に
頭が良くなったと言うことだーっ☆!
とかなんとか――
大騒ぎしていたけれど。
嗚呼、そんな様子も手に取るように想像できるなあ。さっそく霙姉さんに「それは嘘だ」と指摘されてもいますが、このとにかくなんでもポジティブに楽しく受け止められるというのは、夕凪という子の最大の美徳と言ってもいいですよね。
とはいえ、それについて霙姉さん的には……
やはり女子たる者、
間違ったときには
潔く誠実に――
間違いを認めなければ、な。
と、なにやらカッコいいことをおっしゃっています。しかしながら、話をよく聞いてみると……
同時に私も――
思ったのだ。
夕凪の予感はまさにその通り。
この宇宙の法則の下に――
夕凪がテストでいい点を取る
などという珍奇なことがおこれば
きっと明日は雪くらいかるく
降るだろう、と――。
だから今日は――
つい。
学校を休んでしまった。
だって絶対に降ると思ったんだ。
……
……………………なんか、とんでもないことを言っておられるような気が、するの、です……が………………聞かなかったことには、できないでしょうか。
ええ、その、コメントに困るとんでも発言が飛び出して来てしまいましたが……み、霙姉さんは3年生だから、きっと受験シーズンにつき自由登校になっているってことですよねきっと多分!? ……いや、そもそも霙姉さんの受験とか、トゥルー時空問題としても、霙姉さんのキャラや性格的にも、大変アンタッチャブルな話題でありまして……。
おまけに――
海晴姉との賭にも負けだ。
はぁ…
最後にとって置いた
お正月のどら焼き――
さよならだ……
……まあ、学校のことはさて置くとしても、なにやら賭けまでしておいででしたよこの人! 霙姉さんにとってどらやきを賭けるというのは、ダービー戦の魂のコインに匹敵しますよね。
うわ〜〜
今日も、さむ〜い!!
ですね♥
ホタの声を聞いただけであったかくなってきそうな気分ではありますがたしかに実際の天気は極寒な今日この頃、トゥルー内においてもそれは変わらぬ様子。
「さむ〜い!!」とか「本当に寒〜〜いっ!!」と、寒さの表現方法がなんか全力っていうか子供らしいというか、そのイメージどおりいかにもホタはあったかいのが好き、さむいのが苦手って感じですね。そもそも……
氷柱ちゃんなんかからは、
よく――
「こーんなにいいお肉が
たっぷりついているのに
なんでそんなに寒がりなわけ?」
なんて――
笑いながら、
からかわれるけど――
……って、俺がほんのちょっぴりだけ思いつきつつ、すぐさま思考の外に放り出したことをいともたやすく口にしてくれていました氷柱! なんという暴言……とはいえ、女の子同士でありましてや姉妹同士であれば、このぐらいのことは言いますよね氷柱でなくとも。
っていうか、氷柱がそのセリフを言うと、もれなく自虐に繋がるわけですが(5巻風に擬音を出すとしても、つるん、ぺたんな子ですから)、そこはそれ、自覚しつつテロのように発言しているのか、それともまったくその自虐を考慮せずに思いついたままを言葉にしたのか――ああ、氷柱の性格的にいかにも後者っぽい。頭がいいくせにこういうところはアフォの子の王道を行く子・氷柱。
まあ、あらゆる部分でお肉の少ない子のことは置いておいて、ホタに関しては、その豊かな発育っぷりと、全体的にふっくらした女の子らしい体つきなわけで、抱きつかれたりすればそりゃああったかいでしょうが、本人的にはそんなことはなく、むしろ女の子らしく寒いのが苦手っていう部分が強調されることになるわけですよ。
さて、そんなホタが、他の姉妹が寒さについてどうなのかを説明してくれてますが――夕凪さんが苦手っていうのは、単に暑さや寒さをすぐ口に出すって感じですよね。寒い寒い言いながらも、楽しい事があるなら全力で寒空の下で遊びまくる印象です。何より意外なのが、小雨がわりと寒さに強いということ。服装のイメージからして姉妹でも一番厚着で寒さ嫌いなのかなって思ってたので、まさしくホタの言葉どおりに意外でした。
あとは当然あったかくしないといけないユキの存在もありますが、そういう事情抜きで一番の寒がりはホタですと、なにやら誇らしく語るのはどうしてなのかなって思ってたら――
だから――
こうして――
お兄ちゃんにぎゅって♥
くっついて――
温めてもらわなくっちゃ!
むぎゅむぎゅ♥♥♥
ウフフッ♥
オウフ!? オウフオウフ!!?? ……と、油断していましたら、と、とんでもない攻勢が……ホタさん、スキンシップにかけては、春風さんにも負けない獣性を秘めておいででした。こんな攻撃されたら、トゥルー俺の理性が危険であぶない!
どうですか?
氷柱ちゃんも太鼓判の
柔らかお肉、いっぱい
ついちゃってますよ?
エヘヘ☆
……か、完敗です。このまま「いただきます」してしまうであろうトゥルー俺をどうかお許しを……と思いかけて、氷柱の名前が出てなんとか理性を。っていうか、氷柱の皮肉をそのまんま攻撃に用いるこのしたたかさ……っていうか、ホタはこの「お肉」についてどのぐらい自覚的なんでしょうか。胸はまだしも、お尻やふとももについたお肉ならば、単に贅肉って理解しているのかも知れませんね。男子にとってそのあたりのお肉は、おっぱいにも負けない危険度と美味しさを秘めているソフトオブジェクトであるということも知らずに……ああもう、ホタって子は危ういなあ! この完成度の女子肉体と、生粋の妹らしさ(=子供らしさ)を同時に持ちつつ、普段は家事でお姉ちゃん風に見えてしまうという、男の子的にはある意味火薬庫のような女の子です。
今日は――本当に寒いけど、
週末はもっと寒くて大荒れみたい。
今日のうちに――
あったかいシチューやポトフの材料を
たくさん買い込んで――
この週末は、みんなで仲良く
巣ごもりの休日もいいですね♥
……とまあ、そんなヒートアップしたところに、ほどよいあったかさに調整してくれるかのごときいつもの安定感をすぐさま発揮してくれるのもまたホタという子の面白さであり。さっきまでむぎゅむぎゅ柔らかお肉攻撃していたと思ったら……ねえ?
かちん、
こちん、
かちん♪
か、かちんこちん……いや、特に何も想像していません。決して。青空のセリフには下半身直撃なワードの数々がしばしば飛び出すことがありますが、今日のそれは、あくまでごく一般的な擬音であり特別誘導的なところも見当たらない……かどうかはわかりませんが、とにかくこれに反応してしまうトゥルー俺たちはいつものように猛省すべき。
さて、そんな某冬アニメの略称的な部分はさておき、こんなことを言い出した理由はというと、なにやら庭の池にマジで氷が張ってしまっていたから。そこまで冷え込んでいたとは……道民なのであっちの基準がよくわからないのですが、とにかくものすごい寒さであることは間違い無く。
とりあえず、「かっちかち!」という単語に反応しないよう理性を保ちつつ――
そら、
わらっちゃうよ!
くすくすくすくす――♥
さわってみたら――
きゃ――!
ちべたーい!!
あいすくりーむ、だ。
ちょっとだけ
なめなめして
みようかな。
おおう青空さんそれはいけない。……とは言っても、俺らも小さいころには雪やら氷やらを平気で口の中に入れてたりはしましたよね。確かに衛生的には問題ですが、全部やめさせることはさすがに無理であり。
とりあえず青空としては、つめたいもの=アイスクリームって認識なんですよね。まだ1歳であり、雪とか氷とかを意識的には初体験する身でしょうからそれもごく自然なこと。……しかしそれでも、池の緑色を食欲と結びつけてしまっているのを見ると、やはり保護者的な面が刺激されざるを得ず。
っていうかもう、それどころか――
おいけのこおり
つるつるぴかぴか――
そら、おいけを
おさんぽできるよ!
青空そこはいっちゃだめええええええええええええ!! いや、青空の体重ならわりと平気かもですが多分モロ薄氷でありすなわち大危険。さすがにこれは「日記だから」で済まされないので、猛ダッシュで止に入らないことには。……案外、平気で氷の上にたっちゃったりするかもですがそうするとなお危険。1歳児ならよくても、それ以上の人が乗っかったら――あわわわわ。
今日は学校から
保健のおたよりが
ありました。
「保険」……いや、この単語だけで妙な妄想を刺激されてしまうのはさすがにやりすぎだと自分でも思うので大いに反省します。とまあそんなアレな切り出し方ではありましたが、今日の日記は小雨担当。その内容は――
その中身は――
そう!
私達の学校にも――
ついにいよいよ、
インフルエンザの流行が
上陸したんです。
どうしましょう――
……
怖いです。
ええ、この家にとっては最も怖いことのひとつですね。季節の風物詩であり、一番警戒すべきなインフルエンザ。……とはいえ、トゥルー家族内でも、トゥルー俺自身を含めてすでにインフルイベントは消化済みであり、メタ視点においてはまあ今回はたぶん大丈夫かな――などとも思ってしまう次第ではありますが、小雨にとってそういう理屈が通じるわけでもなく――はい。怖いですよね本当に。
学校ではすでに学級閉鎖にまで及んでいるクラスもあるとのことで、真っ先にまず思ったのが――
夕凪ちゃんのクラス
じゃあなかったので、
夕凪ちゃんはとっても
悔しがっていますけれど。
フフ♥
あ、予想通りの反応が先回りされておりました。さすがは夕凪さん――といっても、いざ本当に学級閉鎖になったら、つまんないとむくれてしまいそうな気はするんですけどね。それになにより、クラスメイトが元気なのが一番という小雨の意見が最もであります。
そんな心配をしていた小雨は、その流れで、トゥルー俺の身を心配しはじめてしまいますが……
……
って――言ったって。
もし、本当にお兄ちゃんが病気に
かかっちゃったら、
今の小雨にできることなんて
なんにもないのに……
しゅん。
……と、しょげかえりモードに入ってしまわれ。別に小雨でなくとも、インフルエンザにかかってしまったら、具体的に何かできる子なんていないんですけれど、小雨はそういう風には考えられない子なわけで――
あの、せめてこれ――
……
うがい用のお水です。
インフルエンザ予防は
手洗いとうがいが1番って
言いますから――
小雨が汲んでおきました。
こんなことしかできない
小雨でごめんなさい――
……あああああ、「小雨でごめんなさい」とか、なんという言葉を……。
いや、実際には、うがい用のお水とか、実をともなったことをしてくれているというのに……っていうか何より、この心遣いだけでなによりトゥルー俺の心の活力になるわけですよ! それを小雨に教えてあげねば。
ここんと毎日
寒い上に――
乾燥してて。
なんだか――
肌がかさついて
きた気がする。
冬といえば空気が乾燥する季節。女の子ばかりのトゥルー家では、わりと深刻な問題ですよね。それはヒカルにしたって同じことで、肌のかさつきにちょっと困っている様子。特にヒカルは汗をかくことが多いので、その反動でますます乾燥肌の被害が大きくなってそうです。
しかしながら、ヒカルにとって、そういうケアなどの女の子女の子したことは、苦手な印象。そんなときに誰を頼るかといったら――
困ったなと思って
風呂上がりに――
春風に言ったら。
「やだ、ヒカルちゃんたら
女の子なのに――
クリームも何も
塗ってないの?」
って――。
目を大きくさせて
聞かれて――
もちろん春風さんになりますよね。年が近いうえお姉さんで、こうしたケアにはとっても長けてそうなイメージがいかにもありますし。
さっそくクリームを貸してくれたようですが、甘い匂いが苦手だったり、そもそも塗り方の加減がわからなかったりと、春風さんが嘆息するのも無理なからぬヒカルの女の子経験値の低さ。そこがかえって男子視点からは魅力的でもあるわけですが……
どのくらい塗ったらいいかも
わからなくてとまどっていたら、
「こうしてよくすりこむのよ」って――
春風が塗ってくれた。
とくに乾燥する――
頬と、おしり。
なんか棚からぼた餅的に美味しすぎる展開キマシタワー! ……ってか、いくら姉妹とはいえ、お尻にクリーム塗ってもらうというのは、さすがに尋常な行為ではないように思えるのですがどうなんだろう。トゥルー家族的には許容範囲かな? ……しかしながら、そんな百合百合しい行為、言葉で伝えられただけで、男子としては辛抱たまらぬものがございます。……ヒカル、絶対そういうの意識してないだろうなあこの口ぶりだと。それもまたヒカルのヒカルらしさですが、プロレスのときといい、無自覚にとんでもない爆弾を投下してくれる子であります。
その他にも春風さんは、女の子同士トークを交えつつ、「唇へのはちみつパック」というなかなかに刺激的な必殺技を仕掛けてくれております。
春風が――
「思わずキスしたくなるような
くちびるになっちゃうのよ♥」
って言っていたけど――
そんなことあるか?
ハチミツつきのくちびるに
よってくるのは本物の蜂か
あさひだけだと私は思うな。
はいそれはもう。もちろん蜂もあさひさんも寄ってくるでしょうけれど、それに加えてほぼ全男子が「美味しそう」とは思うわけで! しかしながら、実際にその唇を味わおうと行動する男子はまずおらず(トゥルー俺含め)、ヒカルの無自覚さはなおらないままなのでした。
あっば、
あっば、
あっばばば――♥
ぅわっちゃ!
ぶちゅっぴるぅ〜!!
あっば、おにいちゃ――
あおっば、あっば
ぶぶるびぼー!
「おにいちゃ――」……ああ、感動。本当にあさひさんてば、初めて覚えた言葉なもんだから、ことあるごとに「おにいちゃん」って言ってくれてるんでしょうね。嬉しいながらも、これからどんどん言葉を覚えると思うとますます込み上げてくるものが。次には他のお姉ちゃんたちの名前ですね。なんとなくホタの名前を真っ先に覚えそう。面倒見はもちろんのこと、一番言い易そうなので。
さて、それでもまだまだ他の言葉は分かりようがないので、翻訳を通させてもらいますと――
みたぞ、
みたぞ、
きのうのよる――♥
えらいところをみちゃったぞ!
ヒカルおねえちゃんのへやから
でてくるのをみちゃったぞ〜!!
あまいにおいのおにいちゃん――
ズルしてじぶんだけおやつたべたな、
あさひにもわけまえよこせー!
なんかただならぬ事態が進行しておりました!!!
ちょ、ヒカルの部屋て!? いや確かに、前日のヒカルとの日記には、それなりにただならぬ展開になりそうな雰囲気があるといえばあったんですが……。
というか、ヒカルの部屋に行くだけならまだしも、「あまいにおい」て――いや、冷静に考えるなら、ヒカルが春風さんから教えてもらったハチミツ保湿を、そのまんま受けさせてもらったというだけのことなんでしょうけれど。ヒカルの予想どおり、それにあさひさんが引き寄せられたというだけのこと……なのでしょう、が……
っていうかあさひさん、その現場を見て「えらいところをみちゃったぞ!」って反応するのは0歳児を超越しすぎているのでやめてください! ……ってまあ、そういう意図ではなく、単純に「おいしいものひとりじめ」ってことだけを言ってるんでしょうけれどそれでもヒヤリとしますよもう。……ええ、後ろめたいものがあるからそう感じるというのは、この日記における定番なんですけれども。
もっとも、トゥルー俺が、春風さんの言うとおり、「キスしたくなっちゃう唇」の魔力に囚われてしまった可能性もないわけでは――い、いやいやそんな。
べつに――
……
たいしたことないわよ。
キ――
き、き、き、
……
キス、
……
なんて――
例の一件がますます拡大拡散しておられるーーー!? しかもよりにもよって氷柱に伝わって反応されてしまうだなんて……そしてその反応の仕方があまりにも王道すぎて、ヒヤリとするより先にニヤリとしてしまうわけですが! っていうか、弁明の余地無しなのはトゥルー俺の宿命なのでしょうか、それとも……マジで? ヒカルのことですから、「ごめん、間違えた――」って展開がなかったとも言い切れないですし……
なんかもう、少なくとも氷柱の内部においては、「キスがあった」というのがすでに事実として通じてしまっているようであり、それも糾弾されるとかそういう方向ではなく、そのぐらい大したことない的な方に全力で持って行こうとしておられるのが俺の頬の筋肉を大いに弛緩させてくれるわけですが――
そうよ!
バッカみたい、キスくらいで大騒ぎしちゃって、そんなの海外とかいったら挨拶代わりだなんてそんな親父トークする気はないけど、もう日本でだってキスくらい当たり前っていうか、友達だってしてる子の方が多いし、そんなのもうホント、まじでたいしたことないっていうか、気にする方がバカみたいっていうか――
嗚呼、なんという……。トゥルー俺がもう少し肉食系なら、この反応だけで「氷柱は可愛いなあガバア!」してしまいかねないぐらい素敵にストロングスタイルな反応なわけです。一旦この状態に陥ってしまった氷柱みたいな子は、次から次へとドツボにはまっていくのが王道の中の王道なわけでして、
ももももちろん!
私だって――
……
あ、
あるわよ。
キス――
……
したことくらい。
だから――
べつになんでもないわ!!
キスなんか!
……とまあこのように。
それどころか――
――ふん。
なんだったら今ここで
試してみたって――
私は全然構わないわよ?
……となって、
なんていったって今時、
当たり前、なんだから――
……
ま、まあ――
あなたにそんな度胸――
あるわけないと思うけど!
ふん――
……と。……本当、どこまで可愛い子なんでしょうか。
一応、「そんな度胸ない」ってところは、冷静に判断しているようにも見えますが――「本当にしてくれたって……」みたいなのが滲み出てきて隠しようのないレベルですからして。
まあ、この発言の裏には、いつぞやの「奪ってやるんだから……」の一件による、ある程度の自信の裏付けがあるわけですけれど。ええ、「あります」よね。確かに。……つまり、ここで氷柱が言いたいのは……その。「(今度は)して欲しい」……的な。どうしましょうトゥルー長男。本当に。
うっ……
なんだか――
気持ちが悪い……
週の最初からなにやら緊急事態発生!? つか春風さんの身に一体何が!
……いや、この時点で、心配なのとはまた別に、ある種の誤解を誘導してくれそうな神の意図をひしひしと感じてしまっていたりもするわけですが……?
どうしましょう――
私――
なにか、変。
今朝から急に
胸のあたりに
吐き気が――
……
春風さんの身を心配するよりも先に、「こ、心当たりはありません! ……たぶん」と真っ先に思ってしまったトゥルー諸兄は反省すべし! ……と言いたいところですが、まあ誰が責められるでしょうかという話でもあり、そもそも俺自身からして真っ先に猛省しなければならないので、ひとまずおいておきましょう。
ええ、ええ、この症状だけを見て連想してしまう特定の何かに対する心当たりですが……先の氷柱がいうように、そんな度胸がトゥルー俺に、というのがまずあるわけでして。春風さんのあの強烈極まるアタックと、トゥルー俺の理性×ヘタレ度を考慮すると……いや、難しいところではありますが。
しかしながら、そんなことよりも。
何だか少し、
微熱もあるみたいだし――
……
風邪、かしら?
ごめんなさい。
今日は早めに寝ます――
……
うぅっ……
……
……春風さん自身が「風邪かしら」と言ってるのだから、ここは素直に心配しておくべきでしょうね。インフルエンザって感じではないような気もしますが、この季節である以上は、風邪だってなんだって心配です。日頃の家事も激務の領域でしょうし。
春風お姉ちゃんが
かわいそう。
おかぜで
ねてるの。
おねつが
あるの。
あああああ、やっぱり風邪だった春風さん……。日頃の家事の疲れを思うと、無理もありませんよね。……いや、トゥルー俺に対するきゅんきゅんモードも体力の消耗とかで一因になっているような気がしないでもないのですがそれには触れない方向で。
とりあえずインフルエンザではないようなのですが、それでも小さい子たちなどにうつしてしまっては大変とのことで、こうして心配するさくらたちには、麗がしっかりお姉ちゃんらしく止めているようですね。麗も以前インフルエンザで隔離された経験があるので、そのことを思い出したんじゃないかって思いますが……ああ、あのときは氷柱からトゥルー俺までえらいことに。別の意味でもえらいことになってもいましたが!
しかしながら、春風さんはただ一人で寝こんでしまっているわけで、そういう意味でも可哀想ですよね。だから――
さくら――
……
しんぱいで。
どうしてもどうしても
どうしても――
しんぱいで。
だから――
こっそり。
春風お姉ちゃんに
会いにいったの。
こうするさくらの気持ちもわかるっちゃあわかるんですが――ううむ、まさにさくらたちにうつったりしないように心配しているであろう春風さんの心境を思うと複雑。ええ、もちろんさくらの身も気がかりではあるんですが……このやさしい心をみせつけられてしまったら、無下にはできませんよね。
以前にNEKOさんを保護してあげようとしたり、さくらはこういうときにやさしさが強く発揮されますよね。まだまだ幼いせいで、それがきちんと頼りになる優しさとして発揮できてはいないんですけれど、むしろこんなにもかよわいさくらが、これほど強い気持ちでやさしさを振り絞ってくれるというあたりが、俺たちにとっては何よりの力になるなって思います。きっとそれは春風さんも同じなんじゃないかなと。
こっそり忍び込んだり、「さくらが――おみまいにきましたの」って言い方とかがなんかかわいいなあって思いつつも、春風さんの容態が思っていたよりも重そうで、さくらと同じく胸が締め付けられそうに。
いやまあ、さくらにいたっては、そのつらそうな春風さんを見ただけで泣き出しちゃうぐらいなわけで、優しさと気弱さとが入り交じって、感極まってしまっているという状態に。そりゃあ、そんなさくらを見たら、春風さんのことだから……
そしたら――
お姉ちゃんが
おめめをさまして――
「こっちにおいで」って――
さくらのこと、
なでなでしてくれた。
だからさくら、
こっそりお姉ちゃんの
ベッドにはいって――
お姉ちゃんに
くっついちゃった♥
ああ、春風さん、マジ聖母。そしてさくらのこの反応――優しくって泣き虫で、そして甘えん坊……こんな子がそばにいたら、それだけで母性や父性が刺激されて、活力が湧いてこようというものです。この「くっついちゃった♥」ときたらもう……うつっちゃわないかという意味では心配ですが、これはもう、ちょっといいシーンすぎて止めようがないです。
やさしくてかわいい
春風お姉ちゃんは――
甘いお花の匂い!
さくらのげんきを
わけてあげたから――
きっとすぐに
なおると思うの。
えへへへへ――♥
いやもう全く。この笑顔を見ただけで本当に。
それはさておき、きっと寝汗をかいているであろう状態でさえお花の甘いにおいな春風さん。なんか想像できてしまうぐらい甘い香りでしょうね。というか、布団にこもった汗のおかげで、ますます濃厚に……って、そういうことを考えてる暇があったら心配しなさいと自戒。
そんな春風さんをして、さくらが「やさしくてかわいい」って評しているのがちょっと印象的。やっぱさくらぐらい小さい子から見ても、「かわいい」って印象なんですね春風さん。
ずっ――
ずずずずずぅ〜っ……
――もぐもぐ。
……
何よ?
……なんか、いきなりの咀嚼音に、さすがのトゥルー俺も少々戸惑ってしまいました。いや、「カップラーメンよ」と麗自ら宣言されるまでもなく、何の音かというのはすぐに分かるといえば分かるのですが……これはいったいどういう状況で?
ふぅ――。
あ。
もしかして――
あなたも食べたいの?
でも――ダメ。
コレ――そんなに
たくさんは
入ってないんだもの。
分けてあげたら――
私の分がなくなっちゃう。
麗のたべかけラーメン! ……と、いやいや、そこに反応している場合ではないような気がするのでちょっと真面目度を高めに。いや、この部分だけで麗がラーメン……というか、カップラーメンを好んで食べておられるということは分かります。ううむ、トゥルー家族って普段きちんとしたものしか食べてないし、かえってこういうものが好みになっちゃうのかもですね。麗はなんかそういう傾向が強そうで……
うふふ――
夕飯が――
カップラーメンに
チョコだなんて。
最高♥
……うん。たまにはいいとして、この嗜好はちょっと、日ごろの食育がしっかりしてることに改めて感謝しなければと思えてしまうレベルですね。麗があんまり家事とかしない家の子だったら、けっこうとんでもないことになっていそうです。
とか思ってたら――
でも、仕方ないわ――
今日はついに蛍姉様も
風邪になっちゃって――
食事当番が霙姉様なんだもの。
……
自衛ってーー
大事な事よね?
――なんかとんでもないことになっちゃってました!?
ちょ、ホタまで風邪ひいちゃうとか! まずは春風さんともども容態がすごく心配なんですが――なんだかこの麗の口ぶりだと、それだけでなく、自分達の心配もまずしないといけないような――ええ、特に「霙姉さんが食事当番」という部分が。
そういえば、家族のためにはきちんと働くものの、基本的に「食べる側の人間」であり、こういうことにまるでイメージが繋がらないところがある霙姉さん。食事に限らず、マリーが髪の毛をいじってもらうことに抵抗感を覚えていたりと、なんだか期待通りのイメージがあるわけなんですが――
あなたがどうしても――
ダイニングに行って
みんなと一緒に
食事するっていうんなら、
私は別にとめないけど。
私は絶対に嫌よ。
あんなドロドロの「あずき鍋」を食べるなんて――
だから逃げてきたの。
想像以上の地獄が展開されていました。
……えーと、前から薄々予想していたことではありますが。ホタと春風さんが揃って倒れてしまった場合、トゥルー家族が崩壊の危機です。いや、単に食事が作られなくなるってだけじゃなくて、「ようし、そういうことなら」とばかりに眠れる災厄を目覚めさせてしまうという災害スパイラルが!
っていうか霙姉さん、餡子好きがそこまで――いや、調理の仕方によっては、小豆鍋っていうのも、それはそれでいける味になりそうなんじゃないかって気はするんですが、春風さんが作るならさて置き(ホタの場合は稀にあるトンデモメニューの前科があるので保留)、ええ、あの霙姉さんですからね。麗の表現からして、この子がわりと偏食しそうというのを抜きにしても、キツい食卓になっていることは想像に難くありません。
……で、そんなところから逃避してきたがゆえに、麗さんはこうしてカップめんをおいしそうに食べている、と。避難するだけでなく、普段食べられないカップめんを味わえるという、ピンチをメリットに変えるしたたかな発想、トゥルー俺としてはわりと支持したいところです。いつもだと困りますけど、たまにはね。……霙姉さんはちょっと傷つくかもしれませんが、さすがにこれはやむなし。
一応心配ごととして、氷柱に見つかったらということも語ってくれてますが、ええ、状況が許すならば間違いなくこっちに組してくれることでしょう。あれでこういうこっそりやるお遊びとかにはノリノリな子ですからね。
なにより麗自身――
あぁ――おいし ♥
カップラーメン。
私、意外と好きなの。
コレ。
こんなことでもないと
家では食べられないし――ね
良かったら、新しいの1つ
作ってあげましょうか?
コレだったら――
私でも作れるもの♥
フフ。
しょうゆ味と塩味、どっちが好き?
私のは最後の1個のみそ味よ♥
――このシチュエーションを存分に楽しんでくれているようで。普段からカリカリすることの多い麗ですからして、こんな風に嬉しそう楽しそうにしてくれているのを見られるってだけで、よかったな、嬉しいなって思ってしまう次第なのです。ホタと春風さんのことを思うと諸手を挙げては喜べませんが、まあ、このぐらいならば。
麗的には、自分でも作れるっていうのがツボなのかもですね。作ってくれようかとか言ってくれるぐらいにご機嫌です。もちろん、それだけ心を許しきってくれているっていうのもあるでしょう。ホントかわいいよなあ。
オニイチャン――
……
もう、ダメだヨ。
うわあああああああああ立夏ああああああああああああ!!! いよいよトゥルー家族崩壊の危機が危険で危ない!
はい、ホタと春風さんダウンにつき、トゥルー家族中の食糧危機が唐突かつ深刻に訪れている真っ最中、やはりまっさきにシグナルをあげたのは最大食欲の保持者である立夏でありました。ああ、弱っている、弱まっているあの立夏が……それどころか
私達――
もうこのまま――
飢えて――
……
シヌの?
うわああああん――
そんなのイヤだよゥ!!!!
ついに「シ」の一文字までも……などと言いつつ、ものすごい勢いで食べたいスイーツを連呼するあたり、いつものノリといえばいつものノリではありますね。ええ、立夏にとって、このあたりのものを食べられないということは事実上の死の宣告になるでしょう。
……が、確かにトゥルー食卓はホタ&春風さんのダウンと、それにともなう霙姉さんの暗黒鍋により危機的状況にあるわけですが、別に麗の例もあるように、食べようと思えば……と思っていましたら、なんとオヤツ禁止令! 昨日の鍋を残したペナルティ……なるほど、麗たちに対するペナルティなのはもちろんとして、それ以外の姉妹にもやはり脱落者が多数だったようで。
まあ確かに、いかに暗黒鍋とはいえ、みんなのために作った鍋をスルーされた霙姉さんの気持ちも分からないでもなくはありますが――
ううぅわああああああんっ――
オニイチャン、どうしよう――
リカ、もう死にそうに
おなか減ったけど――
やっぱり霙おねーちゃんトクセイの
あんこチーズ鍋は食べられナイよ……
しかも、風邪対策に
ほうれん草タップリ
って――
……いや、これは無理もないよ!!!
ちょ、小豆だけならまだしも、チーズ、ほうれん草のトッピング……さすがに味が想像できないレベルです。いや、甘さがなければまだいけるのかもですが、霙姉さんのこと、きっとベースは爽やかな甘味の餡子状態になっていることは想像に難くなく……ええ、ホタがやらかす変料理のルーツがひしひしと感じられます。同じ血を受け継ぐがゆえか、それとも元々ホタのあの料理は霙姉さんの魂を受け継いだものなのか。詳しい事は分かりませんが――ええ、とにかくとんでもないことになっていることだけは間違いなく。
……
やっぱ――
これってもう――
盗み食いするしか――
ナイのかなぁ?
オニイチャンはどう思う?♥☆
……などと言いつつ、やはりそれなりに状況を楽しんでいる立夏はやはりたくましいなあ。またばれてさらにひどいことになるということも十分に考えられますが――やむなしか。
昨日は――
わらわの住まう
この街でも――
かすかな雪が降った。
おお、木曜日があんなことになってて金曜日に更新がなかったので、トゥルー家族がどうなったのか実は非常に心配だったのですが、無事に週も始まってなにより。
さて、観月が書く今日の日記のテーマは、やはりここ最近の寒さについて。厳かにこの寒さを語る様は、さすがは観月、迫力があります。
庭の生き物も
みなどこかに
身を隠し――
息を潜めて
じっと――
その小さな体を
守っているのじゃ。
庭の生き物……最近はやや活動を潜めていましたが、トゥルークリーチャーの類も当然そこに含まれるのでしょうか。そういえばユキの連れてる白い3匹が実はオコジョじゃなくてフェレットだという事実が明かされて軽く驚愕していたりもしますが、そもそも某フレディとかアニメで出番あるんでしょうか。OVAだとED中のマスコットみたいな扱いで出るかもですが、この先もっと展開があったとして、氷柱がまためまいを起こす展開も……ちょっと期待したいところ。
……と、話がそれましたけれど、その話のさなかで、
この静けさを少しでも
乱す不遜な罪人がいれば――
その身を全て。
すぐさま千々のかけらに
切り裂いてやろうと
容赦のない怒りを膨らませて
庭の真ん中を吹き交っておる。
そんな風の背に乗って――
透きとおった真白き白魔が――
今年もまたやって来る。
……なんかまた怖いことを話してくれておいでなんですよ観月が。
観月が語るこの手のことって、現実の比喩としての忠言みたいなことも多いんですけれど、いつぞやの異変みたいなこともあって、どう受け取るべきかドキドキしてしまうところはありますよね。そこが観月の魅力でもあるんですけれど。
まあ今回に関しては、「蹴鞠などに
うつつを抜かして――
夜更かしをしている場合ではないぞ?」という言葉があったので、寒いから体調管理に気をつけよ、という言葉として素直に受け止める方向でいいのかな、と。
温かなこの家の中から
一歩外に出れば――
今晩も外は魔と怪の世界。
ホレ、その窓の外から、
雪女は兄じゃの命を狙っておるぞよ――
ふふふふふ♥
……そして相変わらずなんか嬉しそうな観月なのでした。雪女だと怖いけれど、ユキ女ならば全力で凍えさせられつつもてあそばれたり色々弄ばれたり吸われたりしたいですね!
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