ついにやってきました三年目のトゥルーGW! 期待通り、ユキ先生のイラストによって伊豆旅行の様子が描かれてますよ。これがあるから連休もトゥルー的に生きていける……!
初日のさくらが手にしているしおりには例によって「うらら作」なる表記が。……なるほど、今回の旅行は鉄道を使うってことで、いつぞやのリベンジとばかりにはりきっておられる姿が目に浮かぶかのごとく。
今回の旅行については、事前に「温泉」という単語で期待を煽られており、それはもう内心では心待ちにしていたわけですが、さっそく2日目にはマリーの浴衣姿ですよ! 横リボン姿の可愛らしさはこれまたトゥルー新境地。
3日目は観光中とおぼしき小雨の姿が。なにやらぬいぐるみの展覧と思しきものを見ておられますが、そういう名所みたいなのがあるんでしょうか。小雨の服装がちょっと厚着気味ですが、今年のGWは暑かったので、少々心配。
4日目……ほ、ほ、ホタバスタオル! 温泉中ホタ! ……なんというか、ホタはトゥルー家族における由美かおる的ポジションといいましょうか、入浴中とかバスタオル姿がよく描かれるように思えるのですが俺の気のせいか。このふっくらした体を見れば、モチーフの選択としても大いに納得できるところではありますが。
そして最終日、どうやら釣りを楽しんだようで、ヒカルの大漁の成果が。けっこうオシャレな服装なので、魚臭くなっちゃわないか心配ではありますが、やっぱヒカルにはこういう快活アウトドア姿が良く似合いますね。
……ということで、急ぎトゥルー家族旅行のポートレートに感想などを。妄想を膨らませれば、それこそいくらでも家族の様子が思い浮かぶかのごとくです。
まったく。
いかにも――
半端よね?
GW明けの初日に、文句をいいつつ氷柱が登場! それと同じ事は多くのリアル日本人が感じているところでしょうが、その当たり前といってもいい感想をきちんと言葉にして表現するのが氷柱の気質というか、ある意味ベタなところを外しませんよねこの子。
世間はすっかり
連休モードのまんまだし、
テレビは浮かれたイベントの
ニュースでいっぱい。
それなのに――
まるで当たり前みたいに
学校に行かなくちゃいけなくて。
基本的にガリ勉まじめっ子な氷柱ではありますが、そういう態度の裏には、歳相応に俗っぽいところというか、ごくごく普通の子らしいところで満ち溢れているんですよね。それを優等生&ツンツン気質によって抑制しているので、かえってこういうときには他の子よりも顕著に現れるのかもしれません。愚痴という形で。
ああ――スッキリしない!!
まったくマヌケにも程があるわ。
まさに「間抜け」という言葉どおりのこの二日間ではありますが、氷柱のことだから、そういう語源的なところを意識しての発言やもしれず。……単に気分的にそういう罵倒が思い浮かんだだけかもですが。
とまあそのような愚痴愚痴モードを発散するには最高の相手であるトゥルー俺に、マシンガンのごとくこぼしまくる氷柱でありますが……
だいたい、日曜までお休みだったら
旅行だってもっと長く日程が取れたハズだし
そうしたら妹たちに独占されないで、
もう少しは私も……と――
……
……(ニヤニヤニヤニヤ)。
相変わらず、心のうちがダダ漏れる子ですのう。ある意味、ダレよりも正直ですよね。
そんな痴態も、GWの疲れのせいってことにしたいお年頃の氷柱さん。脳の疲れを訴えるというのはいかにもこの子らしいですが、そんなことはどうでもいいからとばかりに――
……
ホラ!
なにぼさっとしてるのよ?
気が利かないわね――
私がこんなに疲れたって
言ってるんだから、
「肩を揉んであげようか?」
くらいさらっと言ったら?
ばーか☆
――この、たまらぬほどに素直じゃない素直な甘え方! ばーか☆とばかりに、上機嫌すぎるのを隠そうともせず!
なんというか、この氷柱って子は、姉妹の中でも一番「お兄ちゃん」に対する甘え欲求が強いですよね。文句も罵倒も、全部その表れといっても過言ではないぐらいですし。下僕っていうのも、それだけ独占したいって気持ちが強い事の表れなわけで、つまりはこんな風に、自分が望むときにはいつだってスキンシップをして欲しいっていう妹心なのでありましょう。
本当、たまらぬ妹オーラをお持ちなんですよこの氷柱って女の子は。以前、この子にこっそり「ちゅー」を奪われたような気がしてなりませんが、それもどちらかというと、女子として以上に「妹として」って部分が影響している行為だったんじゃないかと思えてなりません。
さて、揉みといわれればもちろん揉みますが、氷柱の肉体的には、肩以外の部分を揉もうにも揉めないというセーフティがあるのが一安心というべきか、それをあえて発言してより氷柱との濃密なスキンシップを堪能すべきか(蹴りとかで)
なんだか――
ふと。
少し――
さみしい――
気持がする。
久方ぶりに、ヒカルのおセンチモードが発動しておられます! 本人も言っている通り、GW明けのこの二日間の独特の空気が、ヒカルにこの手の心境を呼び起こさせているようです。ええ、そういう気持ち、分かりますよね。来週が始まってしまえば、すぐに飛んでしまう気分なんでしょうけれど。ヒカルは相変わらず、こういうところが敏感ですね。思考は体育会系なのに、感性がバッチリトゥルー家族ならではの繊細さを帯びているわけで、それでこんな純朴かつ感受性の高いヒカル感性が作り出されているのではないかと。
「伊豆の浜遊びに遊覧船、
大きな吊り橋や、
シャボテン公園、
川辺の鄙びた温泉に
テディベア博物館――」と、この伊豆旅行で赴いたところの解説をさりげなく入れてくれるのは大変ありがたい。なるほど、テディベア博物館なるものが。ヒカルのあの釣り姿は、浜遊びでの成果だったのでしょうか。
なにはともあれ、大変充実した旅行だったようです。もっとも、ヒカル的には――
すごく――楽しかったし♥
すぐまた早く行きたいって思う――
そして、今度こそ
オマエと――
……
なんて。
うぅん!
……おセンチモードのみならず、乙女モードまで発動状態でありますか。いやもう、今年はみんな、あのガチ告白のバレンタインを経て以来、大変なことになってますが、ヒカルは特にその傾向が顕著ですよね。
ところで、ここでいう「今度こそ」って、以前のどのイベントを指しているのでしょうか。心当たりとしてはまあ、それなりにありますが――
やっぱりきっと――
このさびしい気持ちは――
もしかしらた、久しぶりの
この雨のせいかもしれない。
「とりあえず雨のせい」と、ヒカルらしく大雑把っぽくそれでいて高い感性を思わせる答えで片付ける方向に。まあ、実際問題、ヒカルにとっては他の子以上に行動が制限されるわけですからして。
「とても物足りない気持ちがするから」――と、さっきの反応からすると、ちょっとドキドキする予感を覚えてしまう雰囲気がありますが、そんな予想通りヒカルがなにやら――
そう、こんな時――
この物足りない気持ちを埋めるには――
これしかない。
それは、もちろん――
ぷろれすだ!
プ・ロ・レ・ス!!
オマエ――覚悟はいいか!?
いくぞぉっ☆
――またプロレスですか高校一年生女子のヒカルさん!
いや、バレンタインなどの影響で、着実に乙女モードが進みつつある感じのヒカルですが、一番根本的な、「男女の距離感」的なものは相変わらずの状態を維持しているようです。……っていうか、以前やったプロレスのとき(それも吹雪に見られた)、ヒカルは家族とはいえ同い年の男子であるトゥルー俺との肌の密着に、何か感じるところはあったりしなかったのでしょうか。なかったのか、あったとしても「別に家族だから気のせい」って結論に至ったのか。いずれにせよ、これはこれで大変危なっかしい状態であります(トゥルー俺の理性的に)
よく晴れた
連休も終わり――
久々のおしめりで――
庭の木々もますます
勢いを増してきたようじゃ。
……書き出しおよびタイトルに含まれる「おしめり」という単語で、なにやら不穏な方向に思考が及んでしまった全トゥルー俺は手を挙げてください。ええ、俺もちゃんと挙げますので。
などという極めてぬめっとしたリアル俺たちのことは置いておくとして、姉妹でも随一の風情少女・観月が、この季節の自然を存分に堪能しておられます。この子は本当、まだ物心ついてから数年しか経っていないというのに、季節の風情というものを会得しすぎです。トゥルークオリティというか、感受性の強さというか。
木々や緑についての表現が多いのも、この季節ならではといったところですが、そのあたりもしっかり取りこぼしなく感じておられるのは、まさしく観月ならでは。
庭や裏山の
そこここに
むんむんと――
草木の伸びる
気配が満ちて。
青く生々しい
緑の匂いがする。
……一方、このあたりの表現に、ふたたび生臭い連想をしてしまうリアル俺は、観月の解する風情とは間逆の存在と言わざるを得ませんが、どうかご容赦をば。
ええ、そんな世俗にまみれた俺でありますからして、
まったく――
緑萌ゆる季節、とは
よく言ったものじゃ!
兄じゃよ――
兄じゃも、
この陽気に――
身も心も
萌えておるか?
萌えておりますとも全力で! ……などと力いっぱい堪えてしまいそうなわけですが、まあたとえそう観月の前で主張したとしても本来の意図とは別の意味できちんと満足してくれそうですから良しとしましょう。
わらわはもう――
ずいぶん萌えておる♥
などという表現には、そういう風情とかを抜きにして純粋に可愛いなあと、思わずほわほわしてしまうわけですが。言ってることは大人びてるはずなのに、どういうわけか歳相応の可愛いらしさを感じるんだよなあこの子は。
さて、先日のこどもの日には、トゥルー家において「はしらのきずはおととしの」って歌の通り、せいくらべが行われたようで。さすがに柱に傷をつけたりはしてないでしょうけど。19人分ともなると、誰の傷だかわかったものじゃありませんしね。
サザエさん時空にあるこのトゥルー世界では、体の成長について突き詰めてあまり考えることはできませんが、一ヶ月に1cmという成長も、なんとなく生々しい数字として嬉しく思える次第です。……観月に限った話ではありませんが、幼児組の子たちが成長した姿っていうのは、考えただけで非常にうきうきしてきますよね。マリーや虹子なんて、どんだけゴージャスな美少女になるか想像つくようなつかないような。観月は観月で、この路線のままえらい神秘的かつどこか俗っぽさもある美少女になるでしょうし。
とはいえ、今回のせいくらべの本題は、観月たちではなく――
――して。
結局、夕凪姉と星花姉の
背比べ勝負は一体
どうなったのか――
楽しみじゃの♥
……とのこと。そういえば、この前星花が背のことをちょっと気にしてましたよね。公式プロフィールはすでに変化してるとしても、夕凪さんって同い年の中ではけっこう大きいほうだと思うので、まだまだ逆転されたままって可能性はありますけれど、まあ、そんな背比べこそが5月の風情ということで、ほのぼのとそんな様子を想像しつつ幸せ感を貪ろうかと。
わかってる。
ローカル線は今、
どこも――とっても、
大変だって事。
……うわあ。
この、インパクトのあるタイトル。そしてこの書き出し。……もうこの時点で「ああ、麗の日記だ」と即刻認識するとともに、この子の言わんとしていることも、即座になんとなく理解できてしまえるわけですが……なんにしても、麗の日記は相変わらず、とんでもないことを言い出すのが多いですね。まあ、それだけ思いつめやすい子であり、そういうまっすぐさに、強いいとおしさを感じたりもするわけですが。
もちろん、そういう思い込みと現実とのギャップというものをしっかりと覚えなくてはならない、というのも教育的観点からはとても大事なことなのですが。それはまあ、麗がこの先生きていくうちに自然と(傷つきつつも)学んでいけるでしょうから、あからさまに間違ってることでもない限り、あまり硬いことは言わないようにするのが正しきトゥルー俺のスタンスかな、と。
そうしたことを踏まえたうえで、麗が言い出てる何かとんでもなさげな話を聞いていきましょう。経営が大変なローカル路線のことのようですが……
名前が売れたのは――
結局、おせんべいのせい。
赤字解消のために
作られて人気になった
おせんべい――
最初はね、思ったの。
あの健気なデハ800系には
何の罪もないのに、
そんな恥をかかせるようなことして!
ああ、麗らしい、実にまっすぐな憤り。こういうことに大変率直な感情を抱けるところが、麗らしさというか、しかしながら、「でも――考えてみれば、イイコトなのよね」と、ちゃんとそれなりの柔軟性も身に着けているということをアピールしてくれるあたり、成長しているなあとも。
そんな麗が、「私達の応援したい気持ちがちゃんと電車にも伝わるって事が――良いことだと思うの」と、なにやら大変響きの良い言葉を前置きしつつ、言い放った言葉というのが――
だから――
ね。
あなた、700万円、持ってない?
あったら、何も言わずに出して。
……………………。
……あまりのインパクトに、ちょっと思考が飛んでしまいましたが、まあタイトルの時点でなんというかなんというか、この手のことなのではと思ってはいたわけで。しかしそれにしても、何の躊躇もなく「何も言わずに出して」とか。
小説版の陽太郎準拠であれば、この額だけで卒倒しかねませんし、そうでなくとも、たとえトゥルー家がブルジョワであろうと、未成年の扶養者である時点で、そもそも扱えるような額ではないわけで。お金持ちなのだろうけど、そういうことに関してはとっても厳しそうなトゥルー家でありますからして。……もっとも、ここまでの額だと、そもそも個人的な琴線欲求からはかけ離れすぎていて、躾がどうのという話からは少しかけ離れそうな気もしますけれどね。
で。なんでそもそも700万円必要なのかについては、とりあえず鉄道関係の何かということだけは考えるまでもなく分かるとして、
困っている人――
っていうか――
困っている電車がいたら!
助けようって思うのは
普通のことでしょう?
……なんという麗理論! いや、この意見、導く方向性を誤るとえらいことになりますが、この感情の根源そのものは悪くないっていうか、それこそ麗が言うように、人としてとても大切なことでもあるわけで。
大事なのは、その正論や感情を、何かの道具として利用したり、こじつけの材料にしないようにすることなんですが、それってかなり難しいことなんですよね。世の中をみると、正論をかざして何かに利用しようとする偽善ばかりがまかりとおっているという気もしますし。
そんなわけで、今日の麗には特にそんな教育的なまなざしを向けたくなってしまうわけですが、それもこれも、具体的にどういう理由で700万なのか。それは――
700万円あったら、
いすみ線の運転手になって
あの菜の花畑を走る、
かわいらしいムーミン列車の
運転手になれるのよ?
――きゅん♥
……ものすごい勢いで私欲でした。それも、春風さんばりに頭に春風まで吹かせつつ! いや、なんというか、姉妹だなあと、面白いやら微笑ましいやら。いやまあ、過去に「頭に春風が吹いちゃってるのよね」なんて言っちゃっていてなおこれというのがもう、いとおしくてたまらないわけですよ。
ちなみに、麗が言っているのはこのニュースのようですが、まあさすがにこのおねだりを叶えるわけにはいかないでしょうね。実際にリアルの応募を見ても、子供のころの夢を叶えたいと思った大人の人が、自分の稼いだお金を投じて、っていうもののようですし。
春の盛りの間に――
あちこちの道ばたに
大きな花を咲かせていた、
真っ黄色のたんぽぽの花が。
今やみな丸々と真っ白く、
大きな綿ぼうしになって――
青空や虹子やさくらや――
小さな妹たちが毎日喜んで
遊んでいます。
……もうなにやら、その様子を想像してみるだけで、トゥルー的幸福が心に満ち溢れるかのような理想的な春の日常って感じの情景ですね。
このように、吹雪の日記というのは、他の姉妹よりもより観察的な面が強いという印象がありますよね。まあ、そもそもの性格が非常に分析的なのに加えて、自分から率先してアクティブに遊ぶっていう子ではないので、それも実に自然なことでしょうけれど。
そんなわけで、実に平和なトゥルー生活の中でも特にほのぼのとした雰囲気の強い今日この頃。もうじき梅雨が始まってしまうのでしょうが、ちょうど今ぐらいは実に過ごしやすく。それにあわせて、種まきなんてイベントも。
小学校では、定番のアサガオを育て始めているようですが、トゥルー家の庭でも、色々と蒔いたりしているのでしょうか。そのへんの描写はなさそうなんですが、ひそかに小雨あたりが何かお花を育てて居そうな気もしますね。あとはやはり春風さんやホタあたりが何か。
まあ、そのあたりはあくまで想像であり、今日吹雪の前で行われているのは、小さい子たちによる、タンポポ種子の散布行為であり――まあ具体的には綿毛を吹いて遊ぶというアレですね。
ほら。
気づくと、こんなふうに――
私の髪の毛に1つ、
こっそりと隠れるように
くっついていたりします。
……これはまあ、別に迷惑というほどのことでもないでしょうけれど。小さい子たちがはしゃぎまわって、そのとばっちりを吹雪がさりげなく食らっているという光景はそれなりにありそうですよね。
とりあえず、家のそばで綿毛を吹くのはやめるべきと、その根拠を生物学的に語るのも、吹雪らしいなといえば吹雪らしく。
そしてよくたとえられる受精卵、
というよりは――どちらかというと
もう赤ちゃんに近い生き物です。
……はい。特定の単語に敏感に反応するのは、もういい加減やめるべきだと思ってはいるのですがやめられない止まらない。こういう煩悩に悩まされ続けるのがトゥルー俺の宿痾でありましょう。
ええ、「それなのにいくら言ってもあの子達は止めなくて――」という発言に、なにやらエロスを感じてしまうぐらいですからして。……いや、さすがにこれ以上は自重しますが。まあ、あのぐらいの年頃の子が、楽しくはしゃいでいる遊びをそうそうやめられるはずもないですしね。
それにだいたい私はこのような
隙間に入り込む小さな物に
弱いのに――
……
(吹雪の)(隙間に)(入り込む――!)
いや、そういう方向での妄想ももちろんなんですが、なんというかこう精密機械的な問題でこんなことをいってるのではないかと思わせるトラップ的な発言ですよねこれもまた。それを抜きにしても、吹雪の性格上、そういうのが嫌だろうっていうのは十分分かる話ですが。
そんな俺の思考をよそに、このような種子の存在に、生物的見地から趣を覚える吹雪に、なんとはない暖かさを感じて、こちらもほのぼのとしてしまうわけですが――
おしべとめしべがくっついて――
フフフ。
……はい。さっきも言いましたが、やめられません止められません。特定の単語はいつだってトゥルー俺を悩乱せしめ続けるわけです。
もしも人間が種子で産まれて
くることができたなら、
私とキミは――
この同じたんぽぽの綿ぼうしの住人
ということになったのかもしれませんね――
とまあ、そんなリアル俺の汚れた思考は、吹雪のこの優しくあったかな感想によって薫蒸消毒された次第。
きししししし♥
お〜
ば〜
け〜
だ〜
ぞ〜!
のっけからお元気ご機嫌すぎる青空おばけ! いやあ、こういう小さい子が、ひたすら無邪気にはしゃいでいる姿は何にも変えられない幸福感を与えてくれますが、これはこれで、ちゃんと付き合ってあげるのが大変なんですよね。
とりあえず何をしているかは一目瞭然といったところですが――
きゃーあははははははっ♥♥♥
おにいちゃん、こわい?
とーってもとーっても、
こわいこわい?
しし♥
そら――
ちっちゃなおばけちゃん!
か、可愛すぎる……! いやもう、このぐらいの小さい子って、自分の行為で人がリアクションしてくれるのが好きで好きで仕方ないって感じなんですよね。特に、そのアクションがおおげさであればあるほどに。ビックリしてくれる反応なんてその最たるものであり、それゆえにこのオバケごっこなのでしょう。
「しーつおばけ」って言ってるあたり、どんなやり方でおばけごっこしてるかというのもよく分かりますが、これって布を踏んでころんでしまいそうで、ちょっと怖い気も。青空ぐらいの大きさだと、何かの拍子でぐるぐる巻きになって窒息してしまいかねないところはありますし。……などと、思わず過保護モードにもなってしまうぐらいに天真爛漫で可愛らしいです。
なんで唐突にオバケごっこなんかをしているかについては、「よるねないこはだれだー!」なんて言ってるところから、お決まりのアレでも読んでもらったのかな、という気が。この本ってなにげにやたら問答無用な恐怖感があってやたら印象的なんですが、青空の豪胆さはそんなインパクトではかえって喜ばせるばかりだったのかも知れません。
――ばくっ!
ばくばくばくばくっ!!!
ししししし♥
あーあ、
おにいちゃん
たべちゃった!
くーわーれーたー! ……具体的には、青空シーツの中に取り込まれてしまったという状況なのでしょうが、身長差などを考えると、恐らくトゥルー俺も青空につきあって寝転んでいたかしていたのでありましょう。ああ、青空みたいなちっちゃい子にひたすら体にまとわりつかれるこの幸せ感。やたら体力も消耗しそうですが、そこはそれ。それで失う気力体力はトゥルー家族と過ごすことで十二分な勢いで補充できると考えるべき。
さて、このおばけごっこ、どうやらおにごっこ的に、食べられたものは同じおばけになって他の人を襲う的なルールが自然とくっついてきてるようで。まあ、お約束的なものですし、青空みたいな遊び好きの子には当然そうあるべきってぐらいな発想なのでしょうが、
だれかもっとたべにいく?
そらといっしょに、
おねえちゃんも
たべちゃうぞー!
おー!!
……………………ほう?(←鋭い眼差しに)
なるほどなるほど。お姉ちゃんたちを「食べに行く」というお遊びを。青空のお遊びに付き合ってあげているという、誰に対しても存分に通りそうな免罪符……もとい、建前すら与えられて。なるほどなるほど、これならば、普段のトゥルー俺には少々許されなさそうなはっちゃけも……と。これはこれは……フハ!(←夜神月フェイスに)
さて、そういうことであれば、付き合ってあげざるを得ませんね。ええ、仕方なく仕方なく。……ウフフ。
というわけで、他のお姉ちゃんたちを「食べちゃうぞ」的オペレーションを頭に思い巡らす次第ですが――さてさて、誰を食べに行っちゃおうかなあ、と。
ぶっちゃけ、小さい子たちは、ごくごく単純に、青空と同じようなノリで楽しんでくれるでしょうから(さくらは泣いちゃって、吹雪は至極クールに対応あるいは眩暈でしょうけど)、それはそれで幸福ながら、せっかくの状況ということで、ここはもっとリアクション的に興奮……もとい、面白そうなお姉ちゃん相手だとどうなるかを考えてみたく。
とりあえず、夕凪さんや星花あたりまでは、ごく単純につきあってくれそうですね。もっとも、トゥルー兄とのシーツ内密着度が高くなると、星花あたりはどう反応してくれるのか、ちょっぴり興味深く。そういう意味では小雨の反応も、襲い掛かった時点で色々リアクションしてくれそうで面白く。……本気でおびえられないようにしないとだめですけどね。
氷柱や麗は、ごく普通に怒られそうなのでアレですが、青空の遊びってことを強調すれば、ある種の展望も……? まあ、あまり卑怯なことはトゥルー兄として外れた行為なのでほどほどに。
一番バランスよく付き合ってくれそうなのが、やっぱホタ。青空のノリにきちんとつきあってくれつつ、トゥルー俺との密着にほどよくドキドキしてくれそうで、選択肢としては一番の定番かも。
立夏は……いや、ノリのよさでいえば一番なんでしょうけど、この子とヘタに密着してしまうと、その、わりとガチな女の子モードが発動してしまいそうな気がするので、軽く気後れが。……そういう意味では、付き合い方が一番難しい子なんですよね年頃的に。あの爆発的な性格が加わってきますから。
そういう意味では春風さんは当然アレなのでアレというか。……でも、こういうやんちゃなお遊びだと、わりと普通に怖がったりしてくれそうな気もするので、挑んでみる価値は……い、いや、やはり展開次第でスーパーきゅんきゅんモードになってしまいそうかも。
実は、霙姉さんあたりにも、逆にまったく男女としての意識がなさそうなあたりで、危険なところがないでもないんですよね。うっかりおっぱいタッチとかしてしまっても、まったく気にしないでくれて、そのくせ体と本能が反応してくれそうなところがこの人にはあるような気がするので。……ええ、普通にトゥルー俺と同じお風呂に入ろうとする人ですから。
安心って意味では、日ごろプロレスごっこしてさえ普通の関係を維持でいるヒカルが鉄板というか。……っていうか、普段のプロレスごっこ、あれってヒカル的にはどうなんでしょう。表面上はまったく男女的なことを意識してなさそうですが、どうしても体は接触してしまうでしょうから……ううむ。
とりあえず色々と悩ましいところが多いので、ここはひとつ、海晴姉さんに挑んで返り討ち→トゥルー俺再び食べられちゃう的なところに落ち着こうかなと。
新しい――
エプロンを買ったの♥
ウフフフフフフフッ♥
うーれしっ♪
新しいエプロンを買って喜ぶ春風さん。……い、いや、この発言や喜び方に関しては、とりたてて特別なところなどない、ごくごく普通の微笑ましい女の子の姿そのものなのですが。どういうわけか春風さんがテンション高めに♥を連発していると、なにやら強い春風が吹きすさんでいるというイメージが沸いてしまうのは俺だけでしょうか。
まあ、そんな失礼な印象は置いておくとしても、春風さんが実に女の子らしい女の子という点においては否定のしようすらありませんよね。♥マークのみならず、「うーれしっ♪」とご機嫌そうな声まで漏らしてくれているのは、純粋に嬉しいって感情が滲み出ている反応だなあとも。
ええ、フリルたっぷりのピンク色したエプロン。乙女度高めの女の子ならば大抵はこんな風に喜ぶんじゃないかとは思うのですが、
まるで――
春風の王子様への
この胸のときめきを――
表しているみたいに♥
……このあたりから、春風さんならではの独自性(ユニーク)が如実に現れてきているというか、ただ単純に微笑ましいとだけでは済まされないオーラを帯びてきたというか。
とはいえ、ここまでの表現であれば、とりたてて問題にするほどのことでもない内容だと――この直後の発言を読んだ後、強く思ってしまったのです。ええ、本番はこの次の――
ウフフフッ――
本当に――
いったい、どこで――
知られてしまったのかしら?
春風がこーんなに――
王子様にピンク色な
気持ちだっていうこと――
――きゅぅううん♥♥
…………………………え。
……い、いや、その………………こ、この発言はちょっと、なんというか……いや、春風さんも、これはあくまで冗談めかして言っている言葉なんでしょうけれど!(←重要) しかしながら、その冗談めかしている度合いというか、こんな冗談らしさを口走ってしまうハイテンションっぷりが、トゥルー俺の額に一筋の汗を流させてしまうというところは確実に。
と、とりあえず、この発言についてはこれ以上深く突っ込まないようにしようと心に誓う次第。ええ、ポケットの形がハート型ということを表現するのに、「は、ぁ、とっ♥♥♥」と、♥を三つも使ってしまう今の春風さんは、間違いなく頭の中がすごい勢いの春風状態でありましょう。
……さて、女の子がかわいい服を喜ぶのは、それを別の人に見せられるから。そんなわけで春風さんも、さっそくトゥルー俺にその新エプロンの感想を尋ねてくるわけですよ。
「こんなピンクのかわいい
エプロンに身を包んだ
春風を見たら――
ちょっぴり。
ドキッと――
したりしませんか?」って言葉は、いつになくしおらしさを感じさせる発言で、思わずトゥルー俺も素直にドキッとしてしまったりしたわけなのですが、
春風は、全然――
かまわないんですよ?
そういうの♥
……むう。間違いなく、わりと具体的な「何か」を誘っておられる。ピンク色なのは、恋する乙女モードというだけでなく、なにやらそこから更に踏み込んだ領域のオーラを示した色でもあるわけで。まあ、今までで春風さんの本気っぷりは、それこそこれでもかってぐらいに味わってきましたし、それこそ今年のバレンタインにおいては、まさに土壇場のところまで追い込まれもしたわけですが――相変わらずの無呼吸連打ばりのお誘いモードです。
あくまで直接手を出してこず、王子様からのアプローチを誘い続けるというこの戦い方は、春風さんの乙女らしさでもありますよね。トゥルー俺的には生殺し的な苦しみにも繋がりますけれど。たとえばこんな風に――
かえって――
待ってたりしてるの、
王子様――
早く気がついてくれないかしら?
きゅんっ♥
いやあ、なんというか。トゥルー俺がにぶちんの類であることは間違いないでしょうけれど。それこそ、ラブコメものには特有の志村現象というか、そういう壁があることもまたトゥルー的な見方においては事実なわけで。これはなかなかに難しく。
今日の夕ご飯のおかずは――
ししっ♥
しししししししし――♥♥
エヘッ♪
なんと――
か・ら・あ・げ!!
だよ。
ああ――もう、いきなり夕凪さんの実に子供らしく可愛らしいリアクションで身もだえが。ええ、小さい子が晩のおかずに大好きなメニューが出るとしって喜ぶ姿というのは、問答無用で幸福な気持ちにさせてくれますよね。「ししっ♥」って笑い方も実に夕凪さんらしいはにかみ方。ほんとこの子はいつだっていい笑みをこぼしてくれるなあ。
ええ、からあげとくれば、夕凪さんでなくともそれこそリアル俺とて歓喜せざるを得ないメニューでありまして。擬音を交えつつ、サクサクからあげのジューシーさを説明してくれる夕凪さんの説明に、思わずこちらも生唾が。ましてホタたちが作ってくれているわけですから。
そんなわけで夕凪さんも、いつになく気合を入れてくれているようですが――
何と言っても、
からあげは夕凪の、
ダイダイダイダイ――
ダイダイダイダイ――
ダイッ!!!!
好物なんだも〜んっ♥
……ああ、もう。このダイレクトすぎる大好き表現。これほどストレートかつ力強い主張、夕凪さんという存在そのもののいとおしさをそのまま表しているかのようです。
それほどまでに大好きなだけあって、お勧めしてくれる食べ方も、ユズポンを使ったりなど、さりげに本格的。加えて、
夕凪のおすすめの食べ方は、
広げたレタスにからあげを
なぁーんとゴージャスに2個!
のせちゃって――
ごはんをちょっぴりと
もみのりを添えたら、
その上に、ぐるぐるぐるぐる〜♪ と
マヨとケチャップをたーっぷりかけて、
レタスでまきまき――
はい、ぱくりっ♥♥♥
……とこのように、なにやら実にB級グルメっぽい食べ方を全力で推奨してくれるあたり、夕凪さんできおる喃、とうなってしまいまして候。うむ、確かにこれはなかなかにそそられます。
とはいえ、まだまだお口のちっちゃい夕凪さんには、食べにくい食べ方でもあるようなのですが。
いっつもほっぺたがものすごく
ふくらんで上手く噛めなくなる上に、
お姉ちゃん達にはリスみたいって
笑われちゃうの。
……………………ぷるぷる。(←その様子を想像してみたらあまりに可愛くて悶絶中)
とまあ、そんな幸福すぎるディナータイムが早く来ないかなと願わしくて仕方ありませんが――
今日のからあげ争奪戦の敵は――
やっぱし、立夏お姉ちゃんだよ!
……うむむ。夕凪さんの領域において、やはり最大のライバルは立夏。本能に忠実すぎるパワフルレディとして、ときにはこうして真正面からぶつかり合うこともあるのでしょう。また、それと同じぐらい、相乗効果でともに暴れまわるということもあるのでしょうが。
まあ、この子らに限らずとも、いかに女の子ばかりとはいえ、美味しいものであればやはりそれなりに量は食べることになるわけでして。となると、作る量が気になってくるわけですが、
1人当たりからあげ5個だとして――
全部で100個のからあげ!
夕凪10個は食べたいな――
やっぱり、蛍お姉ちゃんに今から、
たくさん揚げてねって頼むしかないかな――
……さりげにすごい数がさらりと出てきましたよ。100個……ちょっとした食堂クラスで裁く量ですよね。こんな量の食事を毎回したくしているホタ&春風さんに、改めて感謝っていうか、足を向けて眠れません。
ああ――
今日は暑かったわね!
まったくもう――
本当になんなの?
幼稚園の園服が
コロモガエで夏服に
なったとたんに――
この天気。
なんとタイムリーなトゥルー天気というべきか、逆に幼稚園における衣替えのタイミングが適切だったというべきか。なにはともあれ、リアルHOKKAIDOですらそこそこの暑さを感じた日でありますからして、マリーのこの反応もうなづけます。タイミングの良さに感心するよりも、そりゃあ暑さがこたえるほうが先に来てしまいますよね。王女様気質のマリーとしてはなおさらのこと。
「もう! 太陽のヤツってば」という表現は、子供らしくもあり、マリーらしい王女様気質らしさでもあり、その二重の意味を含めてこそマリーという子の醍醐味であるなと個人的には思うわけですが、
この若くてカワイイぴちぴちの
素敵なマリー様に会いたく
なっちゃう気持ちは――
まあ、わからなくもないけど♥
……この発言、天気とか太陽に向けた言葉であるように見せた自尊心の表れ……であるのと同時に、トゥルー俺に向けた言葉でもあるなと、感じてしまい、下半身がちょっぴりキュキュッと引き締まってしまうかのようです。ええ、まだピチピチすぎるんじゃないかとは思いますが、「プリプリ、つるすべのこのマリー様のお肌」……ゴクリ。
ええ、幼稚園児とはいえ、そこはそれ、高貴なマリーでありますからして、UV対策ということもしっかりと考えておられるわけですよ。……最近の女の子だと、それこそ幼稚園児のころからそういうのを気にしているのかもしれませんけどね。
「フンッ! 許さないんだから」というお言葉も、自分に向けられた言葉だと勝手に解釈して内心に喜びを覚えるリアル俺でありましたがそれはさて置き、幼稚園のプールは日に焼けやすいと指摘する真璃。……この子は、子供らしさそのものには別に何も抵抗感がないんですよね。決して背伸びしないというか、自分は幼稚園児らしい遊びに興じていても、マリー・アントワネットばりの高貴さはいささかだって欠いたりはしないという無意識レベルでの自負があるのではないかと思えますね。ええ、背伸びをするっていうのは子供らしさの象徴でもあるわけで、その点マリーは、それがない分だけ大人びているなっていうのは俺が繰り返し主張してきている点でありまして。
ともあれ、そんなプールでの日焼け対策としては、トゥルー俺にパラソル持ちをさせることで解決を図ろうとしておられるマリー。うむ、まさにアントワネッティズムの賜物とばかりの意見ですが、そこはそれ、当然飴も用意してくれているのがマリーイズム。
ごほうびは――そうね。
幼稚園で出されるおやつを
わけてあげるわ。
とても欲しいでしょう――♥
ヤクルトとラムネと
お星様のおせんべいよ?
フフ。
……この、こういう、ところどころ素で出てくる、マリーの生粋の子供らしさっていうのが、リアル俺の兄心を実に実に喜ばせてくれるわけですよ。うーむ、「とても欲しいでしょう♥」ってところが本当に素で、ニヤニヤがもう止まりません。
今日は久しぶりの雨模様――
お庭の木や芝や
お花さんたちは
みんな――
なんだかしっとり
嬉しそうに見えるけど――
でも。
星花はちょっぴり
ドキドキのハラハラです。
星花のドキがムネムネしてる! ……などと戯言はさておき、5月の末といえばやはり小学校の遠足シーズン真っ盛りですね。で、遠足に対してハラハラするといったら、それはもう、一つしかありませんよね。……いや、夕凪さんあたりなら、資金以上のおやつをどうやって持っていくかについてドキドキしていそうな気もしますけど、もっと一般的な見地から。
まあすなわち、晴れるか否か。「お兄ちゃん、星花はとっても心配です」と、ちょっと可愛らしげな言い方だなと思いつつも、星花自身にとってはそれどころではありませんよね。
なんだかんだで姉妹でも特にアウトドア好きな傾向の強い星花ですから、やはりこの手のイベントが中止になってしまうのは堪えるのでしょう。
とはいえ、雨天の場合にも、ちゃんとプランはあるようなのですが――
もし雨になったら
行き先変更になるんです。
その行き先は――
歴史科学館見学。
うわぁーん!
がっかりすぎです。
……こいつはちょっと、意外な印象が。
ええ、星花といえば三国志が何より先にイメージとしてついてくるので、すなわち歴史関係には相性が良いだろう――とも連想してしまうんですよね。
しかしながら、この数年星花と付き合ってきたトゥルー俺であれば、この子は歴史好きというよりは三国志好きであり、歴史的要素よりもむしろ「男の熱い物語」としての要素に心惹かれている子なんだってこともだいたいは分かっていると思います。となれば、このリアクションも、よくよく考えれば納得できる話ですよね。そもそも日本の歴史博物館に三国志要素はまず存在してないでしょうし。三国志が好きだからって戦国も好きとは限らないパターンもあるってこともリアル俺的にはきちんと学んでおこうかなと。
それになによりも、さっきも言ったとおり、星花は特にアウトドア志向の子ですから、ただ歴史科学館に行くというならまだしも、アスレチックとのトレードオフではとても満足できるものではないのでしょうね。
そんなわけで、今日の日記では、星花がアスレチック好きだということが改めて印象づけられました。考えてみると、姉妹の中では恐らくヒカルに次ぐであろう運動っ子ですものね。
やっぱり――観月ちゃんに頼んで
おはらいしてもらうしかないかな。
とにかく星花はこれから精一杯、
てるてる坊主作り、がんばります!!
お兄ちゃんも応援して下さい!
とまあ、そんな遠足前の様子がほほえましくてかわいらしくて仕方なく、トゥルー兄としては実に幸せな気分に浸れるわけですが、もちろんそれだけではなく、晴天をともに祈る次第です。
……ところで、観月には本当に雨よけのお払い能力とか持っていたりするのでしょうか。巫女服というのは本来その手の祈祷のためのものってことを考えると、ないとも限らないとは思うのですが、いかに。
遠足が雨で流れるなんて――
本当に。
どんな小さな宇宙の塵よりも
些細なことだと思うのだが――
どうやら。
頭の中が三国志とマホウで
いっぱいの小学校3・4年生には――
一大事らしいな。
……この理論を、「おやつのどら焼きを食べる機会を逃す」というシチュエーションに当てはめたらこの人はどのように答えるだろうかという疑問が即座に頭の中に浮かびましたが、どうやら星花の楽しみにしていた遠足はお流れモードになってしまったようです。こういう日の顛末を書く担当には、おおらかかつ明確に年上の立場で物事を見て語る霙姉さんが相応しいって気はしますよね。
さて、遠足とかの小学校行事は大抵2学年ずつ合同で行うことが多いことから、どうやら3年生である夕凪さんも星花と同じく遠足にいけるはずだったようですね。まああの子であれば、遠足を楽しみにしないわけもないですから、それこそ星花と同じぐらいに残念がっているであろう姿が思い浮かぶかのようです。
そんな二人の無念は、どうやらヤケ食いモードに向かわせたようで。基本ここんちのお菓子は量をきちんと決められてるはずなんですが、今日はかわいそうなので特例が発動されたのでしょう。そのおかげで夕食にまで影響が及んだようですが……。
いつもだったら、
食べ物を粗末にするなと
無理にでも食べさせる
ところだが――
まあ、仕方がない。
むう、なにげに厳しい。もちろん、小さい子に対しては正しい躾なわけですが、霙姉さんがこういう発言をすると、風格的には似合っているような気がしつつも、この人自身は……というモヤモヤもどうしても。まあ、「食べること」全般に関してなら、叱られるような点はないんでしょうけれど。……でも、「食べすぎ」とか「あんこだけそんな大量に」みたいな方向だとどうかしらん。
それはさておき、遠足が歴史博物館行きになって喜ぶのは吹雪ぐらいだろう、との意見が。これが鉄道博物館であれば自動的にもう一人加わることになりそうですが、麗はやはり(歴史博物館と比べれば)遠足のほうがいいんでしょうかね。
そして、こんな意見も。
にしても――
意外と星花のヤツは――
雨女なんじゃないのか?
たしか前にもてるてる坊主を
作っていたような――
――あ。
それとも、もしかしたら
ああ見えて湿気とはいっさい
縁がなさそうな夕凪の方が――
……
フフ。
星花が雨女、って意見はさりげに「なるほど」って思うところが俺にも。しかし夕凪さんがそうだというのは……っていうか、最後のほうの「……フフ」って含みが、「あるある……ねーよwwww」的な意味なのか、「意外とあてはまってそうじゃん。どや!」的な意味なのか、ちょっと図りかねるところが。
まあ、この手の議論は言い出すと切りがないので、吹雪あたりに「非科学的な俗説であり根拠はなにも」みたいな感じで締めてもらうことにするとして、
そうだ。
オマエ――こういう時の
長男の大事な役目を知っているか?
それはもちろん――仕方ないから、
来週の週末あたりみんなをつれて
アスレチックにでも行くことだ。
ほら、さっさと誘ってこい?
2人とも喜ぶぞ。
あるべきトゥルー俺の姿をきちんと示してくれる霙姉さんは、やはりこの家の精神的主柱なんだなあと改めて。自分自身ではあまりやらない、というところもミソです。ええ、これはあくまでトゥルー俺を立ててくれているのであり、面倒がってるわけでは決して。たぶん。
にじこは――
おくち、
あーん!
が、おじょうずさんっ♪
見てみてみて〜!
ほら!
あ〜〜ん♥♥
……ふーっ、ふーっ(←開始早々、息を荒げるほどの興奮を抑えきれないようです)
……はい。虹子さんは相変わらずのナチュラルボーン悩殺魔でございます。ええ、ごく普通にさえ思える子供らしさの中に、こんな男心を狂わせる要素をこれほどまでに滲ませられる幼児というのは、他にいないと断言してしまえます。
ええ、やってること自体は、おっきな口を見てもらいたいという、本当にどんな子供でもやりそうな、ごくごく当たり前のことに思えるんですけどね。もう、どうして虹子のアクションというだけでこうも……
お口のいっちばん
おくまで見える?
べー♥
えへへへっ♪
「奥」まで。……落ち着け、落ち着くんだリアル俺。俺のこの動機と興奮は、この虹子の無邪気すぎるはしゃぎようの可愛らしさによるもののみ、そう思い込むんだ。そのほかには、何も――
あーんしたら、
ベロもでちゃった!
「ベロ」。……個人的に、極めて個人的な意見ではありますが。女の子が舌を出している表情って、なんであんなにも――こんなにも――性的に見える場合が多いのでしょうか。い、いや、あくまで一般論の話ですが。虹子のこの場合にあてはまるかというと、その。
……とまあ、そんな虹子の魔の魅惑によって身もだえするのはさておき、こんなことを言い出したのは、やはりというか、歯医者さんに褒められたからのようですね。……ふむ、いい子いい子まで。……ここですかさず、虹子にいい子いい子してもらう自身の姿を思い描いてしまった人は、ある種の特殊性癖を持ってる疑いがあるので要注意。俺としてはそんな人々に「ようこそ」と言わざるを得ませんが。
さて、そんな俺たち(←見ている人を巻き込む卑劣な言い方)の病っぷりを無意識のうちに嗅ぎ取ってくれたのか――
はい、じゃあ――
こんどはお兄ちゃんのばん。
にじこせんせいが、
お兄ちゃんのはが
ピカピカどうか――
みてあげますっ!
はい、あーんして?
「にじこせんせい」。
……「にじこせんせい」。……「にじこ」……「せんせい」……。
……………………この二つの組み合わせは、なんといいましょうか、決して見つけてはいけなかった禁断の組み合わせというか……言葉の響きの時点で、核融合クラスのインパクトがあるような……。
想像してみましょう。先生……とりあえず、教師スタイルと、医者スタイルの二通りの妄想が行えるわけですが……前者に関してはもう、2歳にして海晴姉さん並の雄キラーなお姿としか思えませんし、後者に至っては――
お兄ちゃんは――
にじこみたいに、
あーんが上手に
できるかしら?
うふふ――♥
妖艶――この言葉が本気で似合う女性というのは、実はそうそういる訳ではないという気がします。たとえ、お色気ムンムンな大人の女性であっても。
しかしながら、この虹子という女の子(2歳児)から放たれているオーラは、この「妖艶」の二文字をもってしか表現しようのないものではないかと。「上手にできるかしら? うふふ――♥」……にじこせんせぇ……。
おかしいと思ったんだよネ。
だって――
駅前の喜正堂の
はちみつパンは――
立夏のはちみつパンッ……!? …………あ、い、いや、今の「ッ」は、小さい「ッ」であり、決して前の二文字と結びつく単語を即座に思い浮かべてしまったというわけではなく。決して。
……などと苦しい言い訳をしつつも、やはり立夏とはちみつという組み合わせには、どこか食欲を超えた性的な連想を思い浮かべてしまうのが正直なところであると告白させていただきます。そのうえパンツ……じゃありません、パンだとか、その……エエイッ、リアル俺の思考回路がアレすぎるとでも言うのか!(その通りです)
とまあ、変態的な自虐はそのへんにしとくとして。今日の日記は立夏らしい食べ物トピックのようではありますが、なにやら様子が……ちょっとした探偵モノのノリに?
その事件は、キッチンのカウンターに置かれた半分カットのはちみつパン。……この存在がいかにこの家において不自然であるかは、立夏が説明している通り。まあ、実際に、この手のおやつをもっとも目ざとく発見して餌食とするのが誰であるかは、だいたい想像がつくので言及しない方向で。今日に限っては違うわけですしね。
とりあえず、この不自然な状況については、
モシカシテ、また
霙おねーちゃんのリクエスト?
それとも――もしかして
安売りとかシテタのかナ?
蛍おねーちゃんっテバ、
なんてったって、
安売り好きだモンネ!!
などの推論が。……やはりというか、こういうところでは必ず霙姉さんの名前があがるあたり、なんというかなんというか。
その一方で、ホタの主婦スキルが発揮されているのをこれでもかとばかりに強調してくれている立夏さん。言い方によっては嫌味になりそうな表現でもありますが、立夏が言うなら無縁ですね。まして家族、それもホタに言ってるのですからなおさら。
それはさておき。立夏が台所に、放置してあるオヤツを発見。――もう、その状況でどうなるかなんて、考えるまでもないぐらいなのですが――なにやら、意外な展開が。だからこその今日の書き出しに繋がるのですが――「黒ごま」?
クンクンクン――
ややっ!
こ、コレはましゃか――
YASEI! 立夏のYASEIスキルが自動発動! ……っていうか、「ましゃか」って言い方が気になりすぎます。どこか80年代的な言い方も思わせますが、これはみは……ゲフンゲフン、ママか誰かの影響かもですね。
それはさておき、そのタイミングで帰ってきたホタの口から、そのパンの危険性についての説明が。……ええ、この時期ですから、いかにもな話ではありますが……
さっすが立夏の視力、2.0!!
いやはや、本当にさすが………………って、さっき「クンクンクン」で判断していたような? いやまあ、そのあと目視で確認もしたわけですが。
ともあれ、YASEI動物にとって、毒性のものを摂取しないことは、生存そのものに関わる一大事。改めて立夏のそういう素養を思い知った次第です。たとえトゥルー家でも、食中毒の魔の手からは完全に逃れられませんからね。インフル発生で大変なことになったりもしましたし。
もうすぐ梅雨のカビの季節――
これからはオニーチャンの食べ物も
チェックして味見あげるからネ♪
……これははたして、好意なのか、食欲なのか。きっと両方だなあと思いつつ、立夏に自分の食べ物の50%程度を味見されるのも、それはそれで立夏が喜びそうだしいいかな――などとも思う次第です。逆にこちらは立夏のむちむちなところを味m……いえなんでも。
最近――
不眠気味。
あんまり――
よく眠れないの。
きっとこれは――
最近のこの、うっとうしい
湿気のせいかしら?
いよいよ梅雨時期に入りそうな気配の今日この頃、トゥルー日記のほうでもその影響が色濃く出ており、今日の氷柱もなにやらそれが原因でのっけからご機嫌ななめなご様子です。
まあ、氷柱の日記で、無条件でご機嫌なときのほうが珍しいのですが、やはりこういつもいつも不機嫌ネタだと、ちょっとかわいそうっていうか、なんとかしてあげたいなあって思ってしまうも、それが氷柱って子のあり方なのだからと即座に自省したりと、トゥルー兄的心境は微妙に揺れ加減です。
もっとも、氷柱の言ってることは、おおむねその裏返しみたいな意図が(たぶん無意識のうちに)あるので、不機嫌なようで実は実質的にノリノリご機嫌ってケースもありそうでして。なんか今日の日記からも、そんな感じの雰囲気が漂ってきますが……?
とりあえず、「私、雨に濡れるのは嫌いなの」と切り出し、文句を次から次へと沸き立たせる氷柱。
ああ――もう!
中途半端は大嫌い!!
どうせ濡れるなら
ずぶ濡れの方がまだマシよ!
このへんの発言が、この子の性格を端的に表しているなって思うわけですよ。
……とかしみじみ思っていたら、唐突にご機嫌になって氷柱が言い出してきたのが、トゥルー俺が傘を差せばいいじゃない、と。そして、こちらのリアクション(というか連想)を行わせる間もなく――
――あ。
今もしかして、何か期待した?
バッカじゃないの――
もちろん――下僕は私の後ろから
私の上に傘を差して歩くのよ?
いかにも下僕らしくて素敵でしょう?
……うーむむむ。いや、言ってることそのものは、大変微笑ましいものなのですが……っていうか、やたら可愛いこと言ってくれてるんじゃないかという思いがふつふつと……いや、これ間違いなく、超可愛い発言ですよ!
だって、こんなことを即座に言い出してくるってことは、すなわち氷柱的には「下僕はきっと、私と相合傘したいって思ってくれてる」って期待してるってことですからね。氷柱の本質には、トゥルー兄にかまってもらいたくて仕方ないっていう部分が非常に強くあるので。下僕扱いなんて、ぶっちゃけ所有欲、自分だけの兄にしておきたいっていうのとある意味同じなわけですから。
そんな推論を裏付けるかのように、ご機嫌ノリノリな氷柱さん。「私は心優しい主人だから、下僕がレインコートを着ることくらいは許してあげるから♥」って、言ってることとは裏腹に、これを言ってるときの嬉しそうな表情を想像するだけで、リアル俺の幸福値が限界突破しそうな勢いです。
そしてすかさず、「ウフフッ――まさか、断るつもりじゃないでしょうね? ああ――使えないオトコね!」と、けん制することも忘れない氷柱。いや、当然断るつもりもないわけですが、氷柱の反応次第では、あまりにも可愛すぎてわざと渋ったりすることも考慮してしまいそう。
とまあ、そんな勢いでご機嫌になったためか、ふと口を滑らしたのか――
だから――もちろん。
決して――
私の不眠は、星花や夕凪が、
最近怪談話に凝ってるせい
なんかじゃないんだから――
……これまた可愛らしいオチがついたでござるの巻。
あばっばばばばぉ―――!!
うんば――
うんばばばばばばばば――!!!!!!
ぉおっば!
うんば!
おぅっぱ♥
今日もあさひさんの発言はやたらと雄雄しい! ええ、赤ちゃんが元気なのは大変結構なことであり、トゥルー俺としても嬉しいのですが、それと同時に、赤ん坊というのはあさひさんに限らずYASEI本能剥き出しのmonsterでもあるということは、子育ての経験者およびその傍にいたことのある人ならば誰もがうなづける話でありましょう。
そしてあさひさんは、そんなmonster性を帯びた赤ん坊という生き物に、トゥルーの血統という特殊要素を付与された、まさにmonsterの中のmonsterと表現するに相応しい存在といっても過言ではないでしょう。
……ええ、今日のあさひさんの「うんばー!」的な言動に、すでに現時点でひるむような気分なわけですよ。ほら、赤ちゃんに「うん」と来れば、その答えはやはり……
などと逡巡ばかりしていても仕方ないので、いつもの翻訳様を通しますと――
おーばーけーだーぞ―――!!
おーまーえーを――
たべちゃうぞ―――がぶがぶがぶがぶ!!!!!!
あーちゃんおばけなのだ!
もうさくらをあたまからすっかりたべてやったのだ!
まんぷくでうんちでる♥
おばけの(幽霊)の、正体見たり枯れ尾花! ……って、なにやら最後の記述で、そんなことを言ってる場合ではないという恐怖に駆られてしまいますが(予感的中という結果に――)、とりあえず氷柱の言ってたおばけの正体はあさひさんだったようです。……ええ、やはりmonster……!
それにしても、あさひさんのなんでも食べちゃうぞ属性は、ますます強烈になってきている気がしてなりません。この歳ですでにおばけの概念を(あさひさんなりにでしょうけど)理解しているという点も驚愕ですが、それを知って、まず自分自身がそれになろうという思考の向きは、赤ん坊だからというだけでなく、やはりあさひさんの本質を端的に物語っているのではないでしょうか。
昨日の氷柱が言うには、星花や夕凪が怪談を話していたせいで夜眠れないって話でしたが、あさひさんがこうして徘徊している状態が、その根源だったのでしょうかね。そういうことにしておきましょう。
そして、そんなオバケという名のmonsterであるあさひさんの毒牙に掛かってしまったのは、やはりというか――年齢的にも比較的近い、さくら。あたまから、って――「オレサマ、オマエ、マルカジリ」の世界ですね本当に。
いかに赤ちゃんの行為とはいえ、さくらにとってはきっと本気で恐ろしい思いのことだったでしょうから、即座にフォローしてあげたいところなのですが……
まんぷくでうんちでる♥
……し、消化……っていうか、まんぷく=うんちという、恐るべき赤ん坊ボディ! というか、「まんぷくうんち」という表現が頭にこびりついて取れそうにありません。
ひっ――
ひっ――
ひぃ〜〜んっ!!!!
おばけ、
こわいよぅ――
こわくてこわくて――
うわぁあああああん!!
ああ、危惧していた通り、さくらが全力で怯えて泣いてしまわれている! ……まあ、あさひさんがそのmonster性をむき出しにして襲い掛かれば、それこそトゥルー俺でさえただではすまない気もするのですが、年齢や肉体のスケールからして、まだまだ赤ん坊から一歩抜け出たばかりのさくらにとっては、その脅威度も俺たちが感じるレベルのものではないでしょうしね。
とりあえず、さくらがどんな襲われ方をしたのかは、あさひさんの「あたまから食べてやった」発言から推測するしかないのですが、
……
おなかいたい……
さくら、
おばけ、
だいだいだいだい――
だいきらい……
どうも、この口ぶりからして、さくらは今自分が怯えている「おばけ」が、あさひだと気づいていないフシがありますね。ここんちの子が、相手があさひだと認識していれば、たとえひどいことをされたとしても、嫌いだなんて言ったりはしないでしょうから。
俺が思うに、あさひさんは多分、シーツか何かを被った状態で徘徊して、それがおばけに見えたのではないでしょうか。確かに、赤ん坊サイズのものが白い布を被った状態で動いていれば、いかにもおばけって感じになるでしょうから。
ともあれ、「おばけはさくらを食べちゃうからきらい」ということで、さくらの怯え方としては実に典型的な形。ええ、あさひさんが「食べてやった!」って言ったのも、むしろこのさくらの反応が、食べられてしまうかのようなリアクションだったことから、そう感じたって気がしますね。
……などということを思ってると。
でも、ほんとうは
ちっちゃな女の子を
食べちゃうのなんて
とってもとってもとっても
いけないことなんだもの。
…………………………。
は、はい。それはとってもいけないことです。(←機械的な声で)
……い、いや、なぜ俺は、このさくらの言葉に緊張を覚えてしまっているのでしょうね。ええ、よくわかりません本当に。女の子を、その、(比ゆ的な意味で)食べちゃうとか、そんな、ハハ。
とにかく。そんなとってもとってもいけないことは、是非ともしない方向で。紳士と紳士のお約束です。
そういうわけで、さくらを(比ゆ的な意味で)食べちゃうことはいけないと、心に改めて刻み付けたわけですが――
お兄ちゃんは――
おばけ、へいき?
もうおっきいから――
食べられないの?
……い、いやいやいや、おっきくなだなんて、そんな! ……と、恒例の紳士的妄想はさて置くとして。ちゃんとこちらを心配してくれるさくらは、臆病ながらもしっかり優しい気持ちを持ち合わせてくれており嬉しいなと。
そんなさくらに「おばけをやっつけて」って頼まれたら、それはもう、断るという発想などありえませんが……いや、今回のケースに限っては、あさひさんをやっつけるわけにもいかず、なかなかに悩みどころ。まあ、もうおばけが現れないように工夫すればよいという話でしょうね。
うわぁ――
すごい、お兄ちゃん――
とってもとってもとってもとっても――
かっこいいの♥♥♥
大好き!
……ああ、このあたりの言葉から、単なる小さい子からの言葉という以上の、女の子から送られた言葉としての喜びを覚えてしまうトゥルー俺。しかしながら、ひとつ下の虹子がああなのですから、さくらだって、もうそれなりには「女」のオーラを放っていてもおかしくはないんですよね。その片鱗を垣間見たかのようです。
それどころか――
さくらを食べちゃう
おばけをつかまえて――
ぺちゃんこのちゃに
にしちゃうんだ――♥
……なにやら悪女の資質もかすかに感じてしまうわけですが、さくらですからそれもまた良し。
お化けや怪物などというものは――
実証的にも、
確率的にも。
この地球上に
存在する可能性は――
ほとんど
ありません。
…………え。
と、思わずトゥルー家の裏庭方面を振り向いて絶句せざるを得ない爆弾発言から始まりました今日の日記は、吹雪担当日。まあ、吹雪がいつも言ってることと同じではあるので、別段驚くべき主張でもないはずですし、そもそもそれ以前に常識的なものの考え方を示しているだけに過ぎないのですが……いやまてここはトゥルー世界というカオス空間であり。
まあ、最近こそ例のピンク象は顔を見せなくなりましたが、観月のつれているキュウビはばっちり健在であり、まだまだこの世界は未知なるカオスに溢れていると見るのが妥当というか、トゥルー俺としてのあるべき認識というか。まあ、観月のキュウビは、他の姉妹が知覚できていない存在って可能性も大いにありますけどね。
ともあれ、吹雪も一応「ほとんど」とは言っているので、完全にそれらの存在を否定しているわけではないとも思えるのですが――
科学的に確認された
物証はこれまで
ついになく――
実際に見ることのできる可能性は
限りなくゼロ。
ですから――
我が家にお化けが出現する確率も、
限りなくゼロ――です。
……う、うーん。
とまあ、トゥルー家ならではのカオスとこの吹雪の主張とを照らし合わせるのは、それこそキリがないので、今日のところはやめておきましょう。
ええ、なにせ、今日の本題はそもそも、先日から話題になっていた、オバケの話でありまして。これまでの日記の、さくらを「食べてやる!」と野性味溢れた発言をするあさひさんと、それにひたすら怯えるさくらという流れから、あさひさんこそがおばけ、すなわちモンスターの正体ではないかと踏んだわけですが――
まして――
昨日みながおもしろがって
騒いでいたように、
妹のあさひは――
ちっちゃなかわいい
モンスター、
などでは
ありません。
少々ヨダレの多い、
ただの赤ん坊です。
ううむ。極めて理性に溢れた意見。いくらそれらしいからといって、大事な大事なあさひさんを、モンスター扱いするのは良くないということなんでしょうね。あくまで言い方の問題ではあるのですが、吹雪としては、理屈重視の面でも表現的な意味でも、少々ひっかかるところなのでしょう。
とはいえ、遺伝情報うんぬんという言葉から、わりとマジレスしているだけという見方も可能ですが――
遺伝――
……
そう。
私達姉妹のDNAは
キミのDNAとも、
少なくとも半分程度は――
同じはずですから。
キミは、モンスターでは
ないですね?
フフ――
もしキミがモンスターだったら
おもしろかったのに。
……なんかさりげに、「(DNAが)少なくとも半分程度は」とかの見過ごせない発言が飛び出しても居ますが――それはさておき、吹雪がなんかお茶目な発言を!
いや、というか、あさひさんはモンスターなんて呼ぶべきじゃないけど、トゥルー俺だったら「おもしろかったのに」とか、これは明らかに……からかいの表現ですよ。あの吹雪が。
まあ、吹雪がこういう茶目っ気を出すのは、これが初めてって言うわけではないんですし、むしろ些細な表現まで吟味すれば、わりと頻繁に見られるとさえ思えますが、これほどまでにダイレクトな言い方をするのはかなりのレアケース。……いやあ、なんか、嬉しいです。っていうか、「フフ」とか笑ってくれちゃってますからね。これもまたレア。なんというかもう、その様子が嬉し可愛すぎて、思わず頭を撫でてしまいたくなる欲求に駆られますが、そこはもちろん我慢の子。
良い研究材料として――
私が隅々まで調べていたことでしょう。
あ、これは――冗談です。
フフフ♥
そしてさらに追い討ち! ……っていうか吹雪、なんというか、ちょっぴりS気味な属性がついてきている、ような……? これはアレですか。今まではわりと純粋な知的興味で「体を調べてみたい」と言ってのが、そういう発言をしたときのトゥルー俺の反応が面白くて、だんだんそちら方面の感情が開発されてきたとかそういう!?
――まあともあれ、冗談と微笑みを繰り出してくる吹雪があまりにも可愛すぎて、なにやら俺の内面がある意味においてモンスター化してしまいそうな気がしてなりません。ほら吹雪、僕の中のmonsterがこんなに大きくなったよ!
明日から6月。
いつのまにか――
夏が来るんだな。
うわ、もうそんな時期か! ――と、トゥルー日記での言葉に、リアル世界での季節感を確認するというのがここ最近では定着しつつありますリアル俺的に。ええ、ひな祭りとかそういうイベント、もしこの日記でトゥルー姉妹と接してなかったら、きっとほぼ忘れて過ごしているに違いありませんよ。
そういう意味で、このトゥルー生活は、リアル人生に良い影響を与えてくれているとも言えるでしょうね。ええ、ホント、成人してからはそういうイベントを実感するなんてことが少なくなってしまったので。
まあ、そんなリアル感慨はどうでもいいとして、こんな季節の移り目にはセンチメンタルになりがちなのがヒカルという乙女度の高い女の子。
とはいえ、今のこの時期に関しては、単なるセンチメンタリズムのみならず、具体的な悩み事でブルーにもなるようで。すなわち、梅雨の到来。
海晴姉の予報によると、
今年の梅雨は遅い――
みたいだけど。
本当だといいな?
……と、海晴姉さんの天気予報に疑いを向けると、「私の予報が信用できないっていうわけ――?」と、なにやら怖いのか可愛いのかどっちの想像も可能なリアクションが返ってくるようです。ヒカルも「フフ」って笑っているところから、どっちかというと可愛い方面のリアクションが期待できそうですよ。
とまあそれはさておき。体育会系のヒカルにとって、雨が多くなると、活動に支障をきたすことが多くなるわけですからね。それは憂鬱にもなろうというものです。
とはいえ、このブルーは、単に支障をきたすというだけのことでもなさそうな感じですね。
体育館や道場で運動していても、
なんとなく――
いつも身体が湿っているような
気持ちがして――
気分が悪くなる。
このように、けっこうメンタルな部分にも影響が出ていそうです。ヒカルの今までを見てきても、こういう精神面での影響っていうのは受けやすい子なんですよね。
さて、そんなヒカルの元気付けのために、なにやらホタが「梅干を食べると良い」とアドバイスが。うーむ、年下だというのに、なんと言うお母さんっぷり。こういう細やかな配慮は、本当に包容力というか、ホタがいるだけで生活の暖かさが一段違うっていう気になります。
しかしながら――ヒカルは梅干が苦手、と。ホタならヒカルの好き嫌いは知ってるでしょうから、もしかすると直接のアドバイスではなく、この時期の心得として、みんなに言っていたのをヒカルが耳にした、って感じなのかもしれません。
ともあれ。ただでさえブルーなのに、梅干を直接摂取することもできないという状況が、ヒカルの精神をよりセンチにしてしまったのでしょうか、なにやら――
もしオマエが梅干しが得意なら――
オマエが一粒梅干しを食べて。
その元気を――
私に分けて――
くれたらいいのに、な。
……さりげなくも、よくよく吟味すると、ヒカルの乙女らしさが爆裂している発言ですねコレ。なんというか……概念的な話とはいえ、これほどダイレクトにトゥルー俺を頼りにしてくれて、そのうえ、「元気を分けて欲しい」っていう発想自体がなんか可愛い。極め付けに――「いいのに、な」って語尾の溜め具合がもう。もうもうもう。これも梅雨時期のブルーゆえの反応なのでしょうか。
……ちなみに、初見で「梅干を口移しで?!」と反応してしまった諸兄は、俺と同類であり、反省を要します。ごめんなさい(←率先して)
べびプリ日記への感想や、誤字・ミスの指摘などございましたら、こちらからどうぞ。(返信)
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