もう、ダメ。
今日は――
さすがに凹んだ。
立夏が! 俺たちのスーパーシャイニーガール☆(自称)であるところの立夏までもが……ッ!! ええ、改めて言うまでもなく、8月31日が地獄だった二人の片割れなわけですが……「もう――
ダメだ。
今日は――
点滅。
ってか、
停電。
も、シんだ」……などと、これほどまでに憔悴している立夏というのを始めて見ました。アイス食べ過ぎてお腹を壊したときでさえ、それなりに余裕はありそうだったのに。
この書き出しだけ見ると、「うわ、やっぱり間に合わなかった!?」と思ってしまうような雰囲気があるわけですが……
うわぁ――――んっ!!
今日の提出、
本当に本当にっ、
緊張したヨォ〜!!
……どうやら、なんとか提出は間に合ったみたいであります! しかしながら、その喜びよりもまず、この凹みっぷりが先に出てくるほどの精神的疲労を、あの立夏が感じているというこの状況……昨夜がどれほど厳しい状況だったかを如実に物語ってますね。まさに戦場だったことでしょう。出かける寸前までやってたということは、まず徹夜だったんでしょうしね。海晴姉さんたちも、それを見て笑っていたとは言いますが、きっと可能な限りそんな立夏たちをフォローし続けてあげていたのでしょう。……ともあれ、ギリギリで間に合って、良かったねと褒めてテンションを挙げてあげるのがトゥルー兄の務めではないかと。
やっぱチュウガクセイは
夏休みの宿題もヒトアジ違うんダネ。
リッカ甘く見てたカモ。
そうそう、これですよ。立夏に限らず、大抵の新中学生が味わうであろう、宿題量とその難易度。小学生のころの感覚だと間違いなく痛い目を見ると言うアレですが……小学生のときでさえ危うい橋だった立夏にとっては、それがどれほど過酷なものであったか。あの立夏のテンションさえ低まりきっているという状況が全てを物語っております。
それを考えると、同じように昨日地獄を見ていたであろう夕凪さんは、まだまだなんとでもなりそうな宿題量だったわけですよね。3年生の宿題なんて、むしろ自由研究とか感想文のほうが大変ってぐらいのものでしょうし。氷柱を頼りにしていた算数だって、その気になればトゥルー兄がなんとでもしてあげられたでしょうし。
……というか、その氷柱ですが、立夏のほうの宿題もきちんと面倒を見てあげていたみたいですね。確かに、中学生数学の宿題ともなれば、氷柱の力がないとさすがに厳しいものだったでしょうし。……なんだかそのときの様子が頭に浮かぶかのようです。なんだかんだで妹の面倒を見ずにはいられない子ですね。無論、トゥルー俺も尽力を。
さて、そんな修羅場を味わったスーパーシャイニーガール立夏、さすがに今回は懲りたところがあるようで……
思い出すだけで
ドキドキしてくるから、
今日はもう――
寝る!
やなコトは寝て忘れるに限る!
ヨネ?
オニーチャンッ♥
……いや、立夏よ。寝たら多分、その教訓を忘れてしまいそうなんですが君の場合。いやまあ、それでも今日明日ぐらいはまだ覚えていられるかもしれませんが……問題は、次の冬休みや来年の夏まで、その気持ちを維持できるかってことでして。
「リカ、来年は絶対に絶対に、
宿題はさっさと7月中にヤッチャウ!!!
も、こんなに――ドキドキしたくないモン」 ……さて、来年7月の立夏が、この言葉を覚えているかどうか。忘れていそうなら、トゥルー兄が教えてあげる義務がありますね。
でも、オニーチャンも、
本当に色々ありがとう――ネ♥
やっぱり最後までリカのこと
見捨てないのはオニーチャンだネ♥
ラビュー♥♥♥
愛してるヨ!
チャオ〜♥
……とはいえ、トゥルー俺にしてみれば、こんな愛の篭ったお礼が返ってくるわけですから、決して悪いばかりではない夏最後の思い出ってところではあったりします。夕凪さんからもきっと同じようにムフフフゥ。
フフ♥
そういうわけで、
今年も――
いよいよ決着したわね。
夏の最後を飾る
恒例の――
宿題騒ぎ。
毎年恒例行事! ……うむむ、さもありなん。というわけで、昨日までの修羅場を終え、海晴姉さんが最年長者に相応しい感想でこの騒動を締めくくってくれるようです。海晴姉さんは長女ですから、全ての姉妹のこんな様子をそれぞれに覚えているわけですしね。あまりにも人数が多すぎて、いくらか記憶がごっちゃになっちゃうんじゃないかって気もするんですが、まあ個性派揃いの姉妹ですから、そんな心配もいらないのかも。
きっと歴代の姉妹達も、それぞれに夏休みの宿題に苦しんできたとは思うのですが――霙姉さんとか霙姉さんとか――まあ、基本的にはみんな、マジメな子たちが多いわけですから、恐らくこのような風物詩が見られるようになったのは、問題の立夏が宿題を与えられる年齢に至ってからなのでしょう。
そして、その立夏ですが、今年中学に入ってからは、当然その宿題の質・量ともに、小学生時代とは比べ物にならないものになったわけですから、「もう本当に反省した、
来年こそは――
なんて。
毎年言ってるし♥」と海晴姉さんは言ってはいるものの、さすがにその反省の量も例年とは桁違いだったわけで、来年からは少しぐらいはマシになってくれるのでは……とトゥルー俺としては思うのですが、
おまけにたぶん、
そう指摘しても、
もう、全然ちっとも――
めげないし♥
……うん。海晴姉さんの♥マークつきの太鼓判があるからには、きっと来年も。そのあたりはまあ、来年の話でもあるわけですから、気長に暖かく見守るとして――
あ、でも――
去年からはなんとウチには
優しいお兄ちゃんが
来ちゃったからなぁ――
今回もあの氷柱ちゃんまで
巻き込んでなんだか楽しくお手伝い
してもらっちゃったみたいだし――
話の矛先がトゥルー俺に! ……ううむ、やはり海晴姉さんとしては、あの氷柱まで巻き込んでの宿題お手伝いをしたってことが、相当に嬉しかったようですね。
ま。
私は夕凪ちゃん応援チームだったから
よくはしらないけど!
プン♥
――いや、表向きはこうして嫉妬してくれてるんですけど! それも「プン♥」とか、超可愛らしく! ただまあ、これはこれで、海晴姉さんも女の子というか何と言うか。
それはさて置き、海晴姉さんとしては、今回のことで味を占めた二人が、普段からも宿題を助けてもらうようになるんじゃないかという懸念を抱いておられるようなのですが、
って、そんなことキミも十分わかってるか。
最近、だんだん――
お兄ちゃんらしい顔になってきたものね?
フフ――♥
……一年半以上が過ぎて、改めて、こんな評価をいただける。これは正直、嬉しいですね。じんわりと来るほどに。
更に最後に、新型インフルへの警戒もちゃんと呼びかけて、今日の海晴姉さんは、いつもにも増して「家族みんなのお姉ちゃん」って雰囲気を色濃く漂わせているのでした。
♪(前略)
うがいができないこは
おしおきよ〜♥
のっけからマリーの素敵啓蒙ソングが! ちょうど昨日のラストで海晴姉さんが警鐘を鳴らしていたことを受けてのことでしょうか。……それにしても、後で語っていますが、この歌マリーがオリジナルで考えたものなんですよね。ううむ、なんと才能に溢れていることか……! いや、そこいらの先生が考えたものどころか、本職の人が幼稚園児向けに考えた歌詞って言っても十分通じるクオリティだと思いますよ。絵も上手い、作詞の才能もあって、きっとお歌もお上手……マリーの将来が本当、あらゆる意味で楽しみすぎです。
……と言葉の上ではそういう視点を保ちつつも、実際には、「おしおきよ〜♥」とかの部分にピンポイントで反応を見せているちょっとアレなリアル俺でありました。「おやゆび、おつめ!」という発言が、ちょとこう、エンコ的な意味にも取れてしまい、ビクッとしてしまうのはダメ人間の証明でしょうか。ほら、マリーといえばギロチンですし。……いや、かけられた側ですが。
それはさて置き。このリアルでも世間を騒がしている新型インフルですが、リアルとリンクするトゥルー世界においても当然のように猛威を振るっているようで。インフルの感染といえばやはり学校、そして幼稚園。マリーたちの組でも、その話題で持ちきりみたいですね。特に園児ぐらいの子だとかかるとシャレにならないでしょうし、幼稚園側もそりゃあ全力で警戒していることでしょう。
そんな折に、先のマリーソングは、実にタイムリーかつ効果的な素晴らしいものだと思うわけですが――
だからマリーも女王として
民をケイモウするために、
ちょっと考えてみたの♥
フフ♥
まったく優しい女王なんだから、
マリーったら!
――カタカナとはいえ、「啓蒙」という言葉を正しく使える幼稚園児……ッッ!
いや、この場合はむしろ、そういう言葉が使えるという以上に、その実際の行動そのものが、まさに人の上に立つに相応しいものというか、このマリーの王女様気取りも、単なるごっこというレベルじゃないと思わせるに相応しい貫禄を帯びてきているなあと、感心するやら空恐ろしいやら。本当、どういう幼稚園児なんですかマリーは。
とまあ、そんな偉大さを見せ付けてくれたマリーですが、その歌をどうやらトゥルー家内でも用いたいらしく……というか。
そう!
フェルゼンが家に帰ってきたら、
マリーがまずお迎えにいって
パウダールームへエスコートして――
手を洗ってる間中、
後ろで歌っていてあげるから、
楽しみにしてて!
マリー様アリガトウゴザイマスッッ!! ……いや、それはなんというか、本当に心温まると言うか何と言うか……幼稚園児とはいえ、これだけの器量のある女の子が、これだけのことをしてくれるっていうのは……ねえ? そりゃあ、兄に甘える小さな女の子、って言えばその通りなんですが、マリーの場合、それがやたらと誇らしく感じられてしまうわけですよ。
これで――手を洗うのが
本当に幸せになるわね?
フェルゼンたら本当に果報者♥
アナタが幸せで私も嬉しいわ――
……そんなトゥルー俺の内心を見事に察してくれたかのような、高貴な王女様としての一言……! ええ、ご褒美すぎてどうしましょう。
しかしながら、何よりもこちらの心を打ったのは、最後の台詞。「アナタが幸せで私も嬉しいわ――」……こんな台詞、たとえどれだけ生きた大人だって、そうそう言える人は居ないと思います。幼稚園児にして、なんというか、「女」の美学を究めてしまわれたのでは……とさえ思ったり。本当、兄として慕われるのが、これでもかというほどに誇らしい子ですよ。
新型インフルエンザのせいで――
どうも世間で通勤電車が
悪者にされてる気がして。
なんだか――
最近、気分が悪いわ。
なるほど、このインフル騒動も、麗にとってはそういう認識になるのか――と、妙に感心してしまった今日の日記。先日からの流れではありますが、こうして麗に言われてみると、なるほど、と思わせられますよね。
まあ、麗の思いはどうあれ、実際に通勤電車がかなり深刻な感染源であることは間違いないわけなのですが……しかしながら、こうして怒りを面に出す麗を目の前にして、そういう正論を振りかざす気には当然なれませんよね。「当の本人たちが聞いたらどんな思いがすると思う?」――ってレベルの思い入れがあるわけですし。
しかし、この一見無茶とも思える麗の主張ではありますが、こうして聞くと改めて、この子の感受性と、情の深さ強さが分かりますよね。……イジメ、と。なるほど。
普段はすっごい御世話になってるくせに!
通勤電車がなかったら
通勤も通学もみんなたちまち困るくせに!!
あんなに健気に毎日がんばってる
あのスマートな車両たちに対して――
もう、悔しい!!
……この、麗のまっすぐな激憤には、ちょっと心が洗われる部分があるというか……たとえ、子供っぽい感情移入であろうとも。自分が好きなものを傷つけられることに対する怒りというのは、それはそれで、人の心の中ではとても大切なものなんだ……ってことを、改めて。
そりゃあ、大人になるに従い、ものの考え方の多様性というか、摩擦の少ない生き方を自分の思考に擦り合わせるということは自然と身に付くわけですが。でもそのために、心の中にある大切な部分を磨耗させているということもまた事実なわけでして。
麗のこのまっすぐな怒りは、まだそんな摩擦に削られていない、自然のままの美しい心の表れ方というものを、リアル俺にも思い出させてくれるわけですよ。本当、無垢な子ですよね麗は。
しかし、だからといって――「だから、人間なんて嫌いよ」という思考に陥ってしまうのをスルーするわけにもいかないのですが。
それなのに傲慢にも
電車を悪者扱いして――
そんな嫌なら乗らなけりゃいいじゃない!
本当にもう――
電車の方がずっとずっと――
ああ、私。
やっぱり電車に生まれたら良かったわ――
……さすがにここで、「しかし、そんな電車を作りだしたのも、また人間なのですよ」などと、悟ったことをしたり顔で語ってしまうには、トゥルー俺は若すぎるなあと。
9月です。
いよいよ2学期も
始まって――。
……ということで、ブログのバックの背景にもそろそろ似つかわしい時期が、トゥルー世界内の風情にも迫り来ていることを感じさせる、しっとりとした今日の日記。書いているのは、姉妹の中で「ものの風情」というものを恐らく最も敏感に感じ取るであろう綿雪なわけですから、それも納得であります。
とはいえ、いかに夏がすぎていくのを感じているとはいえ、この時期の天気というのは、まだまだしんみりとした気分になるものとは程遠いですよね。そんなわけで、綿雪のそんな季節の感じ方の書きかたも――
ふんわり――
しっとり♥
街はなんだか
さわやかに――
秋の匂いがします♥
過ごしやすい季節に――
なってきましたね、
お兄ちゃん♥
……この、綿雪の使うハートマークというのは、どうしてこうも、心を極め付けに暖かくしてくれるんでしょうか。確かに季節そのものもしっとりふんわりなんですが、そんなふんわり感も、この綿雪の言葉と、それを言っているときに浮かべているであろう柔らかな笑顔には比べられないものとさえ思えるほどです。
さて、そんな秋がやってくる時期には、「なんだかウキウキしてきます」という綿雪。もちろん、こういう過ごしやすい季節というものは、大抵誰もが好きなわけですけれど、こと綿雪にとっては――
だって百日紅の花が終わって
コスモスが咲く頃になれば――
公園とか
お散歩とか――
こんなユキでも
お身体のこととか
そんなに気にしなくても
外出が好きなように
楽しめるから――。
……最近では、すっかり元気な姿ばかりのみが見られるので、ついつい忘れがちなことでもありますが。こういう何気無いことに対するユキの深い深い感じ方を目の当たりにすると、改めて、この子の背負ってきた辛い生活というものを思い起こさせられてしまうわけですよ。今改めて、初期の日記やプロフィールを読むと、その切実さが痛いほどに感じられますよね。
もちろん、それはそれで忘れてはいけないことでもありますが。今大事なのは――
ユキ、もう少し涼しくなったら、
お兄ちゃんとお散歩がしたいな
今、こうして元気に行動することを望んでいる綿雪そのものなわけですけれど。
そんな綿雪の散歩の望みですが、これがまた、ゆっくりのんびり歩いて、お花や猫を見て回りたいという、なんとも子供らしくない……というか、綿雪という子の心の形がよく表れているような内容でありまして。「それで――キレイな色がついた葉っぱや
赤い実をひろえたらしあわせ♥」だなんて、ユキにしあわせ♥言われるだけでもう、こっちはえらく幸福な気分になれるわけなのですが、さらにこの慎ましやかさ。
涼しくて過ごしやすい季節を通り過ぎて――
やがて寒い寒い冬が来ちゃうまでの
ユキの1番のお楽しみ、です♥
……そして。ダメ押しのこんな健気なお言葉。ただの散歩とはいえ、最優先事項として最大限に楽しませてあげなければと改めて使命感に燃える今日の日でありました。
1月1日は――
お正月。
(中略)
そして――
明日の9月9日は――
兄じゃは――
知っておったかの?
分かりません兄より博識な観月さん! い、いやあ、このトゥルー家に生きる者としては、この手の風情関係の知識はバッチリ押さえておかないとカッコがつかないなあとは日ごろから思っているのですが、しかしながらそれはやっぱ少しばかり敷居が高いというか、多少の付け焼刃ではあっさりボロがでそうな知識がせいぜいな自分であり、すなわちこの問いかけに対しても、「???」としか返答できず、軽く惨めな思いにさいなまれるトゥルー俺でありました。
しかも、いかに歳不相応な知識や感性を備えているのが当たり前なトゥルー姉妹とはいえ、観月はまだ幼稚園児なわけで、改めてその規格外な知識に驚嘆せざるを得ません。勿論その一方で歳相応な部分もバッチリあるわけですが。
さて――そんな観月の問いかけの答えは、「9月9日は菊の節句」とのこと。……ううむ、正直初耳もいいところであり、俺の知識としてはせいぜい、9月6日が「妹の日」だったなって程度のものでありました。
観月も、五節句の中では一番マイナーと言ってくれてはいるのですが……すいませんそもそも五節句って単語自体がわりと聞きなれない響きです。さすがに節句ってぐらいはわかりますけれど。
そんな知識レベルの俺に、その節句の風情について語ってくれている観月。ですが……
菊のおひたしに
菊の酢の物、
菊の花びらを
一片浮かべた
般若湯なぞも
なかなかどうして
粋なもの――
ムフフフフ♥
花を食べるのは
楽しいものじゃ!
その「ムフフフフ♥」笑いもさることながら、観月さんだめ、それアルコール! ええ、季節関係の言葉には無知でも、「般若湯」なる単語がお酒ということぐらいはさすがに弁えておりりますれば。
……っていうか観月さん、知識以上に食の嗜好が実年齢を超越しすぎてやいたしませぬか。般若湯に菊を浮かべ……って、どんな人生を積めばそういうのが似合う人間になれるか分からないってレベルの境地じゃないですかそれは。いや、観月には確かに似合うんですが幼稚園児にしてすでに! あとのおひたし等の普通料理も、そもそも菊の味という時点で、小さな子供が好むものとは正反対の味でありますし。その喜び方だけは園児だなあって思いますが。
しかし、そんな観月の、幼稚園児らしくないのか幼稚園児らしいのかわからないリアクションが――
さて――
ここで1つクイズじゃ。
わらわが記した
今日のこの日記の中に――
1つ間違いがある。
それがわかった兄じゃには――
きっと明日は良きことがあるであろ♥
まさかのクイズ!? しかも、昔のファミマガばりに、嘘知識を当てろ的な――! ……あー。いやあ観月さん、そもそも節句が複数あるって意識自体が極めて希薄だったレベルの俺には、出題の時点ですでに白旗をあげざるを得ないっていうか……ううう、情けない兄ここに極まれり。
ぐぐる先生などに尋ねれば答えも見つかりそうな気がしますが、ここは素直に「分かりません!」と言っておくしか。中途半端に知ったかをして観月を幻滅させるわけにもまいりませんゆえに。
うむ♥
物知り兄じゃに乾杯じゃ!
うむ、むしろ物知り観月にこそ乾杯を!
2学期が始まって、
だんだん涼しく
なってきて――
おでんの匂いが
あちこちで
していますね。
なにやら立夏あたりが敏感に反応しそうな書き出しの日記! ……でありますが、今日の担当は星花であります。そうそう、ちょうどコンビニにもおでんの器具が置かれ始めた時期ですし、これもまた現代における秋の風物詩と言えるでしょうね。
とまあ、この手の食べ物の話題だと、夏の事件などの影響もあってか、ついつい立夏の姿を思い浮かべてしまうわけですが、あそこまで極端でなくとも、女の子たちなら誰でも、がこういう美味しいものの話題を嫌いなわけがないですからね。
そして、姉妹の中でも別に小食だったりすることはないであろう星花ですから、そりゃあもう、こういう美味しそうな話題は大好きなことでしょう。さっそくその楽しそうな話し振りを見てみますが……
学校の帰りに
買い食いしてる
男の子なんかも
いるんですよ!
いーけないんだ!
えへへ♥
おおおおお……かわいいのう、かわいいのう。基本的にマジメだけど堅物ってほどではない星花ですが、そこにこういうちょっぴりお茶目なところが見え隠れするのが、本当にたまらないんですよね。この可愛い反応、純粋な子供らしいリアクションと、少しずつ芽生え始めた女の子らしさが相まって、実に実に俺の心を刺激してくれます。おでんより美味しそうです!(問題発言)
とはいえ、もちろん自分は買い食いなんてしない、と言っておくことも忘れないマジメな星花ですが、それが羨ましいと思うぐらいには勿論おでんが大好きなわけで。
星花の好きなのは――
やっぱり――
たまごとだいこん!!
あとは――
(中略)
……
えへへへへ♥
やっぱりこれじゃあ、
ちょっと――
欲張りすぎですよね?
……ええ、ほぼ全部ですね。この手当たり次第ってぐらいの名指しっぷりは、それこそ立夏顔負けの勢いすら感じさせます。ただ、言い終わった後で自省があるのが星花らしいところです。……そういうところに放たれる「えへへ」の威力ときたらもう毎回毎回俺を陥落させまくりなわけですが。
しかしながら、この食欲を抑えきれないってところは、女の子的な見方であれ、子供としての見方であれ、問答無用で可愛らしくって仕方ありませんね。ええ、たとえばまさにこのように――
あと、このもう1つ、
じゃがさんだけ、って――
えへへへへ――♥
……はああああああああああああああ……(←満面にじゃがさんを頬張る星花の顔を想像して喜悦死寸前)
更にはこれから、肉まん系が美味しい季節だということにも思いをめぐらせ、星花の食欲もまさに真っ盛り状態に。ああもう、「うわぁ――♥」とか言われた日には、それこそメタボ問題を考慮せずに好きなだけ食べさせたくなっちゃいますですよ。
眠い――
……
氷柱がえらくローテンションに! ……っていうか、単に眠たいだけのようですが。しかし、これはまた珍しいというか、氷柱といえば、立夏あたりとはまた別のベクトルでハイテンションというか、常に何らかの方向で意気盛んって印象が個人的にはあるので、こういう書き出しはちょっぴり新鮮に感じますね。
とはいえ、秋といえば、春に並んで眠気を誘う季節でもあるので、こういう反応自体はそんなに不思議でもないとは思うわけで。氷柱には、どうしてこんなに眠いのかという心当たりもないようなのですが、これはもう季節自体が原因といっても良いですよね。昨日の星花の日記を読む限り、秋に入ってトゥルー家もかなり美味しいものを味わう機会が多くなってきているっぽいので、遠因としてはそれがあるんじゃないかと個人的には思ったりするわけです。
朝からどうにも眠くって――
……
あ――
ふ。
もう――あくびが出ちゃう。
……とりあえず。トゥルー兄個人としては、この氷柱の可愛らしかろうあくびショットを拝めただけで、秋最高ってテンションに盛り上がるわけですが。うーむ、さすがに家族なだけあって、氷柱も無防備ですよね。それが自然であり嬉しくもあり。
氷柱はそれでも、何かの体調不良ではないかと思っているようですが、そのあたりは、科学的というか白黒つけたがるこの子の気性が現れてますね。
……
ほら――
なによ!
もう、ボンヤリしてないで――
下僕らしく、さっさと
何か芸でもしたら?
ご主人様の眠気覚ましに――
……とかのんびり思ってたら、とんでもない無茶フリが来ましたですよ!? おお……氷柱はやはりこうでなくては、と軽く興奮も覚えるわけですが、最近ではむしろ氷柱のこの手の反応には、M心よりもむしろS心が自動的に反応してしまう次第。ええ、高度なマゾヒストは、サディストの資質も十分に持ち合わせているものでして。逆もまたしかりですが――とまあ、そんな内心は秘め置くとして、とりあえず芸を疲労するトゥルー俺。それはもう、氷柱のリアクションが見られるなら、ってノリですよね。
……
ダメ。
全然、ダメ。
つまんない!
失格。
本当に――
能ナシねぇ?
……おふっ、おふうっ。(←M心とS心の両方が刺激されています) いや、なぜにS心が刺激されるかって、そりゃあもう、この氷柱の、遠慮の無い稚気のご披露っぷりが、なにやら兄として微笑ましいやらニヤニヤしいやらで。
それにしても本当、最近の氷柱って、トゥルー兄との距離が近まったせいか、こういう下僕扱いにもなんというか、歳相応以下の子供っぽさがかなり遠慮なく顔を覗かせるようになって来ましたよね。ちょっと前の「プリンプリンプリン!!
買ってきて!
今すぐ」とか。ああもう、かわいいのうかわいいのう。
そして。そんな氷柱の子供っぽさは、今日もまた強烈に発揮されるのでした――
ちょっと座って。
正座よ、正座!
いくら能ナシでも――
枕になるくらいはできるでしょ。
ちょっとだけ寝るわ――
5分経ったら起こして。
いいわね?
……この、実にナチュラルな膝枕の要求っぷり!!! つ、氷柱さん、もう兄に対して膝枕をしてもらいたいという欲求に、恥かしさとか遠慮とかを覚えるとかなくなっちゃってますか――! ……もしかしたら、トゥルー姉妹の中でも、この氷柱が一番、ごくナチュラルにトゥルー俺との関係を身近なものとして認識してるんじゃないでしょうかね。それこそ、この子がずっと欲しいと願っていた、理想のお兄ちゃんとして。意識してるかしてないかはさて置き。
……とにもかくにも、本当に膝枕が好きな子ですよね。ええ、みなさん覚えておられるとおり、これが日記でも二度目でありますゆえ。(参考:ホタ風呂覗き魔の徹夜見張り時) とりあえず、こんな膝でよければ、足が感覚無くなるまでいくらでも。
ぱんつ!
まるみえ!!
……のっけからいきなり吹きそうになりました今日の日記! しかしそれも、書き手が青空だというのあれば納得であります! 思わずポルナレフがやったようなジェスチャーを再現しそうな勢いすら感じますが、それもこの「ぱんつ」なる三文字の持つ魔力という他ありますまいて。
ちょうど小説版も今日買ってまいりまして、冒頭の部分がいきなりブラジャー祭りという風情で、頭の瞬間沸騰を押さえ込むのに必死な状況でありますが、このようにトゥルー姉妹とともに暮らしていれば、ブラやらぱんつやらとご対面してしまう機会は当然どこかで訪れるわけで。そういう意味では今日のこの「ぱんつ」日記というのも実にタイムリーなわけですが……ともあれ、見て行きましょう。
――ししししし♥
おにいちゃん、
おにいちゃん、
ぱんつまるみえ――
わ、るーい、
こ?
それとも――
いいこ?
くふふふふっ♥
「ししししし♥」とか「くふふふふっ♥」なんて青空の笑い方を聞くことで心の幸福度を急上昇させつつ、なるほど、どういう理由で青空がいきなりぱんつの話題なんかを振ってきたかがなんとなく分かりますね、この部分だけでも。
そりゃあまあ、青空ぐらいの子であれば、むしろおむつじゃなくてぱんつをはけていること自体が誇らしいのでは、という気もするわけですが――どうも、そういうわけにもいかないないようで。
青空がぱんつ丸出し状態で遊びまわっているのを見て、お姉さんたちはというと、
そらが、
むしさんと
おにわで
おかけっこしてると、
「そらちゃん、めーよ、
ぱんつまるみえよ!」
って。
……なるほど。状況が手に取るかのように浮かんできますが、さすがに躾がしっかりしていてそのうえ乙女揃いなトゥルー姉妹というべきか、いかに青空とはいえ、ぱんつ丸出し状態で遊ばせるのは憚られるようですね。まあ確かに、直すべきっちゃあ直してあげるべきとは思いますが、まだ一歳の子なんだから、別にいいんじゃないかなあ……って思ってしまうのは、男の子ゆえなんでしょうか。
そんなわけで、走り回る青空を追いかけるのですが――
ししし♥
そら、うれしくなって
どんどんにげるの♥
はしってはしって――
そらがいっちばん!
そしたらいいきもち♥
むしろ、それ自体を喜ばせてしまっていると言う状態に。ううむ、まさにYASEIっていうか子犬モードというか。まあとりあえず、青空が喜んでいるならば良いかな――と、ぱんつ丸出し肯定派なトゥルー俺としてはそんな感じのスタンスで。
ええ、さっきも言いましたように、青空ぐらいの子であれば、別にぱんつ丸出しでもそれはそれでいいかと思っているわけです。もちろん、お行儀良くさせるというのは大事なことでもありますが、そこはもう少し大きくなってからでも遅くはないかな、と。なにせ一歳児なわけですから。
そう、一歳児のぱんつなのです。何も、問題は――
みてみて、
おにいちゃん――
ね、ほら!
ぱんつ――
まるみえ!!
……な、何も。問題、は――(←心にほんの僅か、そのぱんつ丸出し状態に惹かれてしまう心が生まれているのから必死に目を逸らしつつ)
庭の栗の木に、
今年もたくさん
実がついたので――
食欲の秋すなわち霙姉さんの秋! ……ええ、霙姉さんの食の嗜好からして、この季節の食いネタには実に活き活きとなってくれるであろうことは、今日のこの冒頭を見た時点で十二分に察せられるわけですが、そんな秋突入な今日のトゥルー日記は、クリ……もとい、栗のお話であります。……いや、ついついカタカナ表記したくなってしまうのですが(まじこいの影響もあり)、ぱっと見た限り、今日の日記で栗をカタカナ表記することは大変恐るべき蛮行であるという気がものすごくするので、細心の注意を払って言葉を選んでいこうかと。
さて、栗です栗。餡子のみならず、基本的に和のテイストを好むであろう霙姉さんが、この食べ物を好まないはずがありませんよね。しかし霙姉さんといえば同時に、およそ食に関わる作業に関しては、完全に消費者側というか、調理する側にはつかないのだろうなあという漠然とした推測が行えるわけですが……「ああ、手が痛い」と、どうやら外側のイガイガを取る係りに回っているようですね。こういう男の子がやる系の作業を行ってる姿は、トゥルー家での各種イベント前にはしばしば見受けられますが、今回もまた。
うえっ――
渋い!
なめたらもう少しは
甘くなっているのかと
思ったけれど――
やっぱりダメか。
花や皮は少し臭うし。
霙姉さんのレア反応が! ……しかし、その原因が、栗の渋皮を思わず舐めてしまったからというあたり、実に霙姉さんらしさがあったり。とりあえず口に含んでみようという発想がまだまだ残っているのは、まだ童心が残っているからと認識すべきか、それとも立夏あたりと同じ衝動を秘めているからか。まあ、いずれにせよ女の子らしい食欲というものは、霙姉さんもバッチリ持ち合わせているのは間違いなさそうです。
とまあ、そんな霙姉さんの苦闘はさておき。このイガグリについて、霙姉さんがなにやらとても素敵な発想を行ってくれているわけですよ。
すなわち――「全身トゲトゲと
まったく、氷柱みたいなヤツだな」と。「調理をすれば
とても甘く旨いものだけれど」なんて表現は、確かに納得できるところではあるのですが、しかしその前提として、「食べる」って発想がなんか、微妙に、どことなく、えっちぃ感じが少しだけするんだよなあ……って思っていたら、
フフ。
こんなにしたって、
どうせ――結局は
さんざんに剥かれて
喰われてしまうのに。
本当に無駄なことだ――フフフフフ♥
――霙姉さん。その発言絶対深い意味を意識して言ってるでしょうええ間違いない。
「剥かれて」!「食べられてしまう」! ――ああ! ついさっき! ちょっぴりとだけ性的だなあと思った要素を、すかさず読み取ったかのように直後にニトロブーストをかけた表現で言い放ってくださるとは! しかも「どうせ――結局は」とかの表現も生々しすぎですよ! 俺たちが小説2巻を読んだ直後であることを前提にしたかのようなトローリとした甘さが残る思わせぶり表現! ああ、霙姉さんの真骨頂がここに。……ええ、今日の日記で「クリ」なんて表現、間違っても行えませんね。場合によってはアグネスにすら目を付けられるレベル。
とまあ、そんな霙姉さんの桃色表現も引きずってしまいたくはあるのですが。それとは別に、興味深い発言が。
なぜか、蛍は、
この時期の栗剥きは
私の仕事だと決めているらしく、
全面的に頼んでくるのだ。
……うん。霙姉さんの扱いを熟知しておられそうですホタ。さっきも言ったように、男の子系の仕事が割り振られることが多い印象の霙姉さんですが、この栗に関してはそれだけではなく、「栗あん」という繋がりから、積極的に霙姉さんに働いてもらおうという意図があるようです。確かに、自分で苦労したもののほうが、美味しく食べるときの感慨も深そうですからね。そういう意味では、深く考えているなあとも思ったりします。
しかしながら――
ん?
オマエも――
手伝うか?
よし。
これは明日の栗ごはんの分の栗。
全部で2キロだ。
頼んだぞ。
……いや、まあ。そりゃあ当然手伝うつもりではありましたが。2キロとか平然と仰られると、さすがはトゥルー家と改めて唖然とした気分に。……ああ、改めて、日々のお料理担当のホタ&春風さんを尊敬せざるを得ません。
本当に――
めっきり涼しく
なってきて――
すっかり、秋、ですね♥
お兄ちゃん!
秋という季節には、姉妹達の気持ちをそれぞれに高揚させる効果があるようですが、どうやらそれは、大人しめ組である小雨にとっても変わらないようで、冒頭からやたらと元気が溢れている感じじゃあないですか! うん、小雨が元気いっぱいだと、なんだか非常に嬉しいですよね。
確かに、過ごしやすい季節であることは間違いないですし、なによりも食べ物が美味しいということで、女の子の感性的に嬉しくないという根本的な部分で、喜びを感じてしまうのでしょう。小雨的にも、「空気も爽やかで
ほんのり湿っていて――
」という部分がお気に入りのご様子。……湿り気がいいというのは、小雨ならではって部分として理解するべきか否か。いや、「ほんのり」ってところが重要なんでしょうけどね。
それよりも何よりも。どうやら小雨としては、こうしてたくさん理由を挙げているように、夏と言う季節は激しすぎるので苦手、って部分があって、そのあおりで穏やかな季節である秋への印象が良くなっているという側面もあるのでしょう。「思い出すだけで胸がドキドキ」って言い方だけを見てみれば、悪くないのではという気もするんですが、まあそのあたりはいいとして。
小雨は――
優しくて穏やかで、
それでいて少しだけ
憂いのあるような――
そんな秋のお天気が好き。
……うん。実に小雨らしい、小雨に似つかわしい天気の多い季節です。まるで小雨そのもののような……って、さすがにそれを自分で言ってたらアレですけれど、意識してるところはきっとあるでしょうね。
とまあ、小雨の秋が好きって部分については、そういう感性由来の部分も大きいわけですが――しかしながら、やはり小雨とて女の子。花より団子とまではいかなくとも――
それに――秋は実りの秋。
いろんな物がおいしくてステキな季節ですよね。
今夜の夕飯は
たっぷりゴロゴロの栗ごはんに、
サンマの塩焼き、
なすの揚げ浸しに、
ほうれん草と菊のお酢の物に、
翡翠ぎんなんがとってもキレイな茶碗蒸し、
と――
サンマが苦手なチビちゃんたちのためには
きのことハムのキッシュ!
……おおう、これまた他の姉妹に負けないぐらいの勢いで、食べ物トークをこれでもかと。小雨って、たぶん小食なんだろうって思うんですが、そうだとして、そのうえでなお、こんな風に食べ物のことを楽しげに語っているのは、これまた非常に嬉しいというか。とにかく、小雨が元気だったり、たくさん食べていたりする姿というのは、トゥルー俺の心を非常に幸せにしてくれます。
――だなんて、穏やかな気分に浸っていたら――例の。昨日の、クリ……じゃなかった、栗の皮むきについて改めて御礼が。いやまあ、こうして直接喜んでもらえて、非常に嬉しいです。嬉しいのですが……
そうだ!
栗のお礼に――
小雨が皮をむいていいですか?
お兄ちゃん、はい、あーん♥
小雨、地味ですけど、
ブドウの皮むき、
得意なんですよ♥♥♥
……さりげなく破壊力の高い行為を繰り出して来られましたですよ小雨が! いや、その。皮……皮むき…って、この単語だけでこれだけ妄想が加速してしまうというのは、やや病的なので控えたいところではあるのですが……そんなハート三連打で皮むきを誇られてしまった日には。しかもわざわざ地味をアピールしつつ。いやあ、剥いてもらうのもいいのですが、小雨の……ってなんでもないです秋の陽気が俺の心をクリ皮色に!
今日の――
15時20分頃よ。
渋谷で。
ヒイッ見られたッ! ……と、身の覚えもない条件反射でついついビクリとしてしまう俺のことはさて置き、麗がなにやら過敏な反応を示しておいでです。まあ、この子が反応するものといったら、その時点で何のことかは分かりますが。
「狙ってもないのにこんなに早く目撃するとは」――という発言から、詳しいことは分かりませんが、何らかのレア車両を目撃できたということはバッチリと。そのあたりの知識は全くないため、麗の興奮そのものを共有することができないのはいくらかもどかしくもありますが――
そういうわけで――
今日は帰りについ
いっぱい買っちゃった♥
だから、あげる。
この、チョコレート。
……これほどまでに無条件にご機嫌な麗というものを、もしかしたら初めて目の当たりにしたかもしれません。いや、元々思いやりのあって優しい子だとは知ってますけど! しかしながらそれにしても、こんな素直に優しい麗……アリです。大いにアリじゃあないですか。もちろんいつものカリカリしている麗もかわいいわけですが、やはりこの子が心的に充実しているのを見ると、それだけでもこちらも幸福になれるというか。
とりあえず余った分だとか、ちっちゃい子の食べすぎをさせないようにとか、色々理由をつけてはくれていますが、なんだかんだでごく率直かつ素直なご好意ですよね。ありがてえ、チョコ以上にその行為そのものがありがてえ。
「もぐもぐ。うん――けっこう、イケる」だなんて、ごく素直にチョコを楽しんでいる麗の様子を頭に浮かべると、ある種の感動すら覚えてしまいます。いやあ、どんだけ嬉しがっているんですか麗さん。ごきげん麗はやはり可愛いです。可愛いですね。大事なことなので二度。
……
え?
うぅん、私は別に――
そんなに浮かれてないわよ!
いやいやいやいやうふふふふ。まあ、深くは追求いたしますまいて。
とりあえず、「そんなに好きじゃない」って前置きをしつつ、これでもかというほどの愛着がこめられた説明をしてくれる麗さん。いつものこととはいえ、完全にポジティブな気分のままにこういう説明を聞けることはあまりなかったですよね。普段が鉄オタ的に受難の日々を過ごすことの多い麗ですから、こうやって喜べるときには、これでもかってほど幸せを感じて欲しいものです。
フフ――でも。
なんか嬉しかったの。
一編成しかない記念車両って
偶然出会うとなんだか――
幸運の女神に出会ったような気がしない?
――ああ、素直! 素直麗! こっちとしてはむしろこんな麗を見られたことがある意味幸運の女神というか。
ゆうべ――
夢を見たの。
ふふっ♥
王子様の出てくる夢。
もう――
――きゅん♥
いきなり春風さんが開始(はじ)まりすぎておられます! まあ、いつものことといえばいつものことではあるのですが、春風さんの脳内は、春夏秋冬常に春風状態であるという認識を新たにするには十分なインパクトだと思います。本日のきゅんきゅん度も実に実にハイレベル。
……さて、そんな夢見がちな乙女属性をこれでもかというほどに突き進む春風さんですが、今日の日記はまさに夢そのもの、春風さんが見た夢のお話。……当然、その夢の中においても、あふれんばかりのきゅんきゅんっぷりが発揮されているようですが……
春風ったら、
夢の中までも
王子様と一緒で――
ステキでしょ?
夢の中のアナタは、
(中略)
春風を――
迎えに来るの。
うふっ♥
もう本当に春風の夢見る
王子様そのもの――
……うん。まさに春風さんの夢。この人が普段どんな夢を見ているのかと尋ねられたら、ほとんど全てのトゥルー俺が、これとほとんど変わらない内容の答えを返すことが出来るでしょう。ああ、この愛の重さが嬉しくもあり、怖……いやいやいや。こんな溢れんばかりの思いを真正面から受け止めてこそのトゥルー俺でございますよ。
――しかしながら。
どうもこの春風さんが見たと言う夢、それだけでは終わらないようで。夢と言えば、己の願望が反映されるわけですが、それと同じぐらいに影響を及ぼす要素があります。それは、内心に抱いている、潜在的な――恐怖。
春風さんが抱く恐怖。それはすなわち――「王子様は、悪い魔女の娘に欺されて」。そんな悪夢を、どうやら見てしまったらしいのです。
そして春風さんは――
……
王子様!
あれはいったい誰だったんですか!?
たとえ夢の中だって、
王子様が春風たち以外の女の子と
仲良くしてるのなんて――
絶対絶対!
……
泣いちゃいます――
くすん。
……今、トゥルー俺の中にたゆたっている感情が一体どういうものであるかについては、あえて詳しく言及しない方向で。全てはこの、春風さんのお言葉の勢いのままに。……ぶるぶるぶるぶる。
しかし、こういう春風さんにとっての潜在恐怖は、それはまあ、普段の言動からして、あってしかるべきものだという気はするのですが、なぜに今になってこんな悪夢を見てしまったか。
心当たりとしては……ええ、小説版2巻を読んだトゥルー俺ならば、心当たりがいくつもあるわけでして。あちらとこちらでは、必ずしも全てが同じというわけではないのですが、やはり舞台は基本的に同じである以上、トゥルー家、すなわち天使家の外の世界においても、人物などはきっと共通していることと思われます。出番があるかはさて置き。ただ、トゥルー俺が陽太郎と同じ反応を見せているかは定かではないってことで。
もしくは、小説版の世界はあくまでこの世界に近い近似値をとった世界である、という認識もまた可能ではあるんですよね。だとすると、春風さんが見たこの夢というのは、そちらの世界の様子を夢の中でちょっぴり垣間見てしまったため、という認識も可能です。
とまあ、色々と解釈の方法にはバリエーションがあるわけですが……春風さんのためにも、トゥルー俺自身ためにも、春風さんを「絶対絶対!」……なんてところまで追い詰めてしまうようなことだけは避ける方向で。出来うる限り避ける方向で。
うんにゃ!
うんにゃ!
ぶ――。
うんにゃにゃにゃ―――っ!!!
ぶっば――。
ぶべべべべべ――
ぶひっ♥
おお、ぱっと見ただけでなにやらご機嫌ななめと分かるあさひさん語の日記! うんにゃうんにゃはいいとして、後半以降の語感がもう凄いと言うか、明らかにYASEIの領域に突入しておりますが、あさひさんに関してはこれも日常的な状態でありますゆえに、ぶひっ♥とか言われても平静を保っていられるようにはなりまして候。
しかしながら、さすがにこれだけで詳しい内容の解読が不可能なのもこれまたいつものことであり、早速ながらTRANS先生お願いしますのターンなのであります。
つまんない!
つまんない!
つまんないよ――。
おにいちゃん、
なんかおもしろいことして―――!!!
うーん、なにがいいかな――。
やっぱ、おへそいじりかな――
おへそ、つんつん――ぱっくんだっ♥
……想像以上にYASEI度の高い発言内容でありました! いや、YASEIってどころか、このおへそつんつん→ぱっくんのコンボは、それを通り越して、もはやお色気の領域に突入したトゥルーお姉ちゃんたち(含む虹子)に匹敵しかねない行為ですらあるような気がいたします。さすがはトゥルーの子……! 0歳児で既に油断のならないモノを身に付けておられます。
さて、主張の内容自体は、赤ちゃんのみならず小さい子には当然ついてまわるご不満という感じですが――つい最近、これと同じようなことを言っておられた中学二年生の某六女さんに心当たりが一人。……い、いかに超0歳児とはいえ、赤ん坊とほぼ同じレベルでの要求を……。その後、ちょっと強めのスキンシップを要求してくることまで同じというあたり、年齢を超えてトゥルー姉妹に通じる根源的な愛情欲求の発散方法というものを垣間見た気分です。
あ〜あ。
タ・イ・ク・ツッ!!
なんか――
つまんない。
つまんないつまんない
つまんな〜いっ!!
久しぶりの日記で、いきなりおかんむり状態とな!?
うーむ。連休の影響でたまった俺たちのトゥルー分枯渇が、マリーにも影響を与えているのでしょうか? そういう意味においては、俺たちもまさにこんな風に暴れ出したい気分ではあったわけですが――ああ、やはりこの日記を読まないことには毎日が真に充足し得ないと再認識。
……とはいえ、真璃がこのようにぐずついておられるのは、別にそんなリアルとトゥルーの狭間にあるような事情ではなく……単に日常が退屈なだけだという、某六女のお姉さんを彷彿とさせる理由だったり。まあ、氷柱もあれで相当なお姫様気質ではありますが、やはり年齢という面でも器の大きさという意味でも、マリーのそれは更に一段上な本格っぷりを感じさせますね。
とまあ、トゥルーにおけるシルバーウィークは、この家で過ごす大型連休にしては珍しく、遠出などもない地味な休みが続いたようで、マリーの言うこともいくらか頷けるところが。海晴姉さんが忙しかったためとありますが、GWなどにはしっかり取れる休みが今回取れなかったというのは、お仕事が増えてきたってことなんでしょうか。嬉しいような、トゥルー生活としてはいくらか残念なような。
……と、そうした事情はさておき、
なんか、これって
女王様の休日としては
もう最高に――
地味じゃない?
……さっきも言いましたが、なんという本格派の女王様オーラ。
そんな鬱憤を溜め込んだところ、マリーに天啓迸る――! それも、「あ、わかった。マリーわかっちゃった!」と、夕凪さんばりに。
ねぇ――フェルゼン、
マリー、なんだかどうしても
行きたくなってきたの――
お、ん、せ、ん♥
うわぁ、いきたぁ〜いっ♥♥♥
……女王様オーラのみならず、男を惑わす強烈無比な「女の子」オーラまでッッ!! いやまあ、ここんちの子にはほぼ標準装備されているトゥルー俺殺戮兵器なわけですが、しかしそれにしても、温泉……ゴクリ。
まだ青いもみじの葉っぱの
浮かぶ露天風呂にゆったりつかる――
マリーとフェルゼン♥
うふふ――もう最高じゃない?
背中を流す役は――
もちろんフェルゼンの方よ?
――見透かされておられる! ええ、この幼稚園児なのに、分かりすぎるほどに「ワカって」おられる悠揚かつ妖艶なオーラ……「ウフフ――ほら」なんて言い方からして、男をどぎまぎさせる言い方を本格的に身に付けすぎですよ。
とまあその流れで、二人っきりとか、マッサージを要求するとかもまさにパーフェクトなわけですが、それにも増して、「いい子でできたらごほうびに――マリーのチュをあげるからね!」という表現こそが、マリーの真骨頂と言えるのではないでしょうか。い、いかにマリーが大人びているとはいえ、高校生の兄に、いい子ボーナスを匂わせて誘惑するだなんて。
とまあ、そんなマリーの超本格的誘惑にドッキドキを堪能させられましたが……って、「二人きり」というのは、どうやら、この旅行そのものを二人きりで実行するというつもりのようで……!?
問題は何でも一緒に行きたがる
チビたちやお姉ちゃまたちをどう出し抜くか――
そこはフェルゼンに任せるわ☆
名案、待ってるわね!
フフン――
なにやら、トゥルー事件になりかねない事態が発生です! いや、麗と二人で鉄道を見たりもしていますし、二人きりでのお出かけが必ずしもイリーガルというわけではないのでしょうけど……さすがにみんなに内緒でというのは通らなさそう。はたしてトゥルー俺は、マリーの誘惑に負けてしまうのか、トゥルーの絆を優先するのか。……後者を選ぶ自信があまりありません。
ねぇねぇねぇ――
お兄ちゃん!
デブとぽっちゃりの
境目って――
どのへんかなぁ?
唐突になんということを夕凪さん!
いや、このトゥルー家、みんな女の子なだけに、体のお肉のつき具合に関しては気になるお年頃の子が大半とも言えますし、中にはより具体的に、自らのぽっちゃりっぷりについて悩んでおられる子も居られることは確かです。ホタなんかは、お尻が大きめなのも、むしろこれでもかというほど健康的な女の子的脂肪の在り方って感じですし、立夏については……確かに、いくらか食べすぎなところはあるものの、それを考慮してもなお、みつどもえの長女の領域までは届かない、あくまでこの年頃の子としては健全なおなかや二の腕のお肉っぷりと言えましょう。
その他の姉妹に関しては、たとえば氷柱なんて、もっと肉をつけたほうがいいと思えるぐらいだったりと、とまあそんなこんなで、このトゥルー家において、ぽっちゃりはまだしも、「デブ」の領域に関しては、意識することはないだろうなあ、というのがトゥルー俺から見た印象だというのが正直なところでありましょう。
……しかしながら、やはりそこは女の子。自分自身の意識としては、やはりおデブ化への恐怖というものが、心身にこびりついておられるのでしょう。
さすがに幼稚園児ぐらいの子ならばそれほどシビアではなくとも、夕凪さんぐらいの年齢ともなれば、やはりそういうことが深刻に気になってくる年頃とも言えますしね。
とまあ、そんなわけで、夕凪さんも学校でそのような話題が出たからこそ、こういう話を切り出してきたのでしょうが――「やっぱりぽっちゃりはいいけど、デブはヤバイよね――」……オオウ、きつい一言を言い切っておられますよ夕凪さん。
もっとも、カッコの中への回答がどんどんズレていくことが、肥満体質と繋がるかと言うと、そのあたりはまさに夕凪さん理論だなあと微笑ましく思えたりもするのですが……夕凪さんのお肉がハミ出てしまう……いや、それは……中々……(←ちょっぴりツボに入ったようです)
ともあれ、そんな夕凪さんが友達に言われた一言が、「夕凪ちゃんって最近少し――デブってきたんじゃない?」……と。……オオゥ、オンナノコドウシ、ナカナカ、キッツイデスネ。
……もっとも、こんなことを言われた背景には、夕凪さん側にもそれなりの原因があったようで。……なるほど、休みの子の給食を巡っての奪い合い、と。男の子同士ではごく日常的な光景ではありますが、女の子同士ではなかなかに珍しいことのような気も。まあ、三年生ぐらいだと、まだまだあるのかなあ。
ともあれ、このときに限らず、夕凪さんはきっと日常のあらゆる場面で、こういう食欲旺盛なところを遺憾なく発揮しておられる気がするので、そういうことも踏まえたうえでのこの暴言だったのでしょう。
……で。それを受けての夕凪さんの反応ですが……これがまたどえらいことに。
「ちがうもん!
夕凪はたしかに
痩せてはないかもしれないけど、
これは――ぽっちゃりなんだもん!
それにお兄ちゃんは
ぽっちゃり大好きなんだもん!」
ここでこっちにそのネタを振ってくるとは――ッ!!
いやもう、その想像はまさに正しすぎるほどに正しいというか、むしろぽっちゃり系の女の子数人によってたかられて「圧迫祭り」をされたらどんなにいいだろう、と日常的に思うぐらいには大好きです。さすがは夕凪さん、自己への詭弁がそのまんま正しい推測へと導けるあたり、言葉の魔術師としての片鱗はすでにその進化を発揮しつつあるようです。
そして、やはり夕凪さんは、どちらかというと自己申告においても、やや「ぽちゃ」系に属すると言うことが大判明。……グレイトゥ。いやもう、俺の性癖としては、まさに今夕凪さんが言ったとおりなので、これを喜ばずして何を喜べと。いや、あばらが見えるような細い系の子だって好きですけどね。それはそれ、これはこれという男のロマンスです。
ともあれ、そのようなところをまさにYASEIの嗅覚で鋭敏に察した夕凪さんは、その勢いに乗じて、まさに史上最大とも呼べる究極攻撃を俺に仕掛けてくれたわけです――そう、このような。
ね、ねねねねね?
夕凪みたいな、ぽっちゃりさん♥
のこと――好きでしょ?
お兄ちゃん
ぎゅうって、したくなるよね?
ねねね?
へへへ――あーよかった!
んなら、夕凪もぎゅぎゅぎゅのぎゅ――っ♥♥♥
リアル 圧迫祭り
完了 ―― !
……ハイ。即死しました。夕凪さんのぽちゃぽちゃ幼女ボディが、俺の肉体に柔く熱っぽい圧迫となって――!! このお調子ノリノリなナチュラル甘えモードというのも、その破壊力を否応なく高めてくれております。「ねねね?」とかの愛らしさが、ぽちゃぽちゃという肉感にこれほどまでにマッチするとは……!
こうして見ると、夕凪さんはその素で強引なところに、無自覚天然小悪魔系な面が加わっているわけで、これは対男の子スキンシップ度においては、姉妹の中でも極めて強力なモノを持ち合わせていると言って良いでしょう。そのポテンシャルは、立夏にすら劣りませんね。
とそのように、トゥルー俺をその柔肉でトロントロンにさせた夕凪さんではありますが、その傍らで、しっかりと給食の余りはゲットしていたりと、更なる柔肉の養成にも余念がなさげなご様子。……これはちょっと、本気でおデブ化が心配かもしれませんが、まあトゥルー家の食事を摂っている限りは、そうそうひどいことになったりもしないかな、と。買い食いが増えたらわかりませんが、そこまでのお小遣いはまだないでしょうしね。
ちゃんとひとくちわけてあげたし!
わー、夕凪って超いい子だよね☆
さっすが、マホウ使いの子孫なのだ♥
そしてラストに、バッチリと夕凪さんらしさをアピールすることも忘れません。このノリ、この理屈……まさに夕凪さんという他なく。というか、スペシャルマホウじゃんけんとか、ある意味トンファーキックみたいな趣すら感じさせます。マホウ関係ないですよそれ!
あ――
大変大変!
もうこんな時間――
夕飯のお片付けをしてから、
ちょっとだけ。
ついにキッチンとパントリーの整理をしようと
思ったら――
こんな時間になっちゃった!
人生で恐らくは初めて「パントリー」なる単語を目にしたであります自分! いや、トゥルー家の根本的なブルジョワっぷりは今に始まった事ではありませんが、もうそろそろ三年目が見えてくるこの時期に至ってすら、このような単語レベルでの斬新な感覚を味わえるという事実に改めて驚嘆です。
さて、そんなハイソサエティーな単語をすんなりと週の初めの出だしから繰り出してくるのは、トゥルー家の実質的なお母さんであるところのホタであります。
なにやら食糧備蓄のお話をしてますが、この家で非常食を揃えるとなると、ちょっとしたシェルター並みの量になるんだろうなあ。まあそもそも、日常に用いる食料の時点で一般家庭で食べる量を超えてるんですけれどね。
そんな途方もない量の食料品を調理するのみならず管理まで行ったり、それをどうしようかと頭を働かせているホタには、改めて頭が上がらないなと思うわけです。もう10月なんて感慨を抱いておられますが、ホタの場合、毎日が忙しいため、体感的にもそうとう時間が進むのが早く感じられるんじゃないかと思います。
とまあ、そんなホタにはせめて、食べることに関しては、思うがままに堪能していただきたいなって思うわけですよ。実際ホタは、作ることだけでなく、このように食べることも大好きですしね。……先週までのおデブの話は、けっしてホタの前では行わないように心がけなければ。ただでさえお尻やらの発育具合を気にしておられるわけですし。まあその脂肪は肥満とは別のアレですが。……とまあ、そんなことはいいとして、
熱くて濃いアッサムティーに
ドロリと甘いイチゴジャムを
たっぷり落として――
きゃ――
そんな時の衣装はやっぱり、
最近イチ押しの新作ファーメイドに
決まりかな♥♥♥
おお、ハイテンションに楽しんでおられますよ。ホタはあれでけっこう興奮しやすい性質だってことは知ってますが、それを考慮してもなお、ホタにとってのかけがえのない癒しタイムであることは間違いありませんよね。
とまあそんな風に気合も入れて、改めて食材整理に「えいえい、おー!!」と気合を入れるホタさんがいとおしくて仕方ありません。
……とか思ってたら、
あら?
あららららら?
こんなところに早速、
ラベルのついてない
謎のぶどう色の液体の入った
ガラスビンが!
……なんか、この発見時のリアクションからしてハイテンションなのは、さっきのティータイムパワーの気合が迸っているがゆえなんでしょうけれど、しかしこのようなビンに入っているものときたら、それは多分……って思うところはあるようにも思うわけですが……ホタ、これはブドウジュースであると判断。
いやまあ、トゥルー家では自家製ジュースを作るのなんて頻繁でしょうから、そう思うのはテンションいかんに関わらずむしろ自然なのかも知れませんが……そこはそれ、これはいわゆる、お約束的なイベントの空気が濃厚でありまして。
どれ、まだ飲めるかどうか
ホタがひとまず、お味見お味見――
ポッ――
これ、不思議においしいお味かも――
――HORO-YOIホタが誕生した予感! いや、この反応だけでは確定できませんが、多分というか恐らくというか……
もし、この中身がワイン的なモノなのだとしたら、ママあたりが市販のものを移し変えたんでしょうかね。いかにトゥルー家とはいえ、一応はご法度となる自家醸造をしてるとは考え難いですしね。そもそもほとんど未成年ですから。……とすると、ブドウジュースを作ったつもりが、何らかの原因で酵母どもが仕事をしてしまった、という可能性もありますね。
とまあ、そんな事情はさておくとして――女の子が酔いどれ状態になったらどれほど可愛くなるか、リアル俺は某ピュアな人専用のお店で十分すぎるほど学んだわけでしてつい最近。ホタがそんな風な状態になってしまったら――自身のピュアを保てる自信、まるでありません! ピュア×トゥルー=(酔いどれホタの)破壊力!
まだまだ毎日暑くて
汗をかくなぁ――って。
思っていたのに。
気がつけばあっという間に
10月だ。
ヒカルの汗! ……と、思わず局部的に反応してしまいましたが、いよいよ9月も終わりを迎えようとしています。そんな情緒を語るヒカルは、ああ、やっぱり女の子らしく感性豊かなんだなあって思っていましたら、
うん。
そういうわけで――
いったい。
昨日のアレは――
なんなんだ!?
なんかやたらと無茶な会話の振りが! どうもあまりに衝撃的すぎて、いきなりその内容を語るのが憚られたって雰囲気ですが――ええ、昨日のアレと言われましたら、そりゃあ心当たりがないとは言いようがありませんね。――すなわち、YOI-DOREホタ。
……ああ、やっぱ昨日のアレは、酵母がいい具合に働いていた葡萄液だったわけで。それを飲んだ後のホタは、他の姉妹はおろか、あの立夏までが面食らうほどだったとのことで――。
明るい雰囲気になるとかは、それはまあ、ごく普通の酩酊反応ではありますが、どうやらそれに留まらず、
いきなりみんなに
抱きついたりキスしたり――
腹を抱えて大笑いしたり、
そうかと思うといきなり
グズり出したり――
あ、オマエもなんか
説教をされてたな。
……期待を越えたステキ反応を見せておられました!!
ちょ、抱きついたりキスしたりとかも相当ですが、個人的にツボなのは、「おせっきょうホタ」……! これは新境地。ちょっとしたM心と、自分より年下の子におしかりを受けてしまうという嬉し恥かしなシチュエーションは、甘美なトゥルー家族との暮らしに慣れてきたトゥルー俺をしてさえ酔わせそうです。それを見て海晴姉さんが大笑いしていたというのも実にツボ。
とまあ、非常に甘美なシチュエーションだったようですが……さすがに今、その後遺症(具体的には二日酔い)が出ているとなると、無邪気に喜んでばかりも居られず。うん、やっぱりまだホタにはドリームクラブで働くことはできませんね。そういう意味ではほっと一息。……いずれ、お酒に抵抗力が出来てきたら、とんでもない酔いどれっぷりを見せてくれるのかも知れませんが、それはまた未来のお話ということで。
あのね――
リカはやっぱ、
お料理――
ゼンッゼン!!
向いてないよ、やっぱ。
うわ〜〜〜ん!!
むしろ実は上手とかだったらビックリです! ……というわけで、なにやらいきなり泣き言を漏らしている立夏ですが、夏休み以来、立夏はなんだかこういう場面が多いですね。さすがに中学生になったということで、色々と増えてきた歳相応の責任が重く圧し掛かってきているということでしょうか。
まあとりあえず、なんでいきなり典型的「食べる側の人間(タベルサイダー)」立夏に料理なんていうことになったかはさて置き、
ね、オニーチャン、
かわいそうなリカに
愛の手を!
肩、もんで♥
……
あ、調子よすぎ?
エヘヘヘヘヘ☆
いえいえいえいえいえそれはもう是非。……なんだかですよ、最近の立夏は、こういう女の子の武器の使い方にも長けてきているような気がします。これもまた、中学生ならではというか、歳相応の成長ってことなのかもしれません。
さて、なんで立夏にお料理などという、本人も強く主張しているように(遊び関係には器用なんでしょうけど)相性の悪い仕事をあてがわれたかと言うと、例のぶどうジュース事件からホタがまだ回復していないためなのだとか。……ううむ、あのお説教モードは是非味わってみたいところですが、だからといって気軽に飲ませるわけには行きませんね。そりゃまあ未成年ですし、ましてこうして実際に体調を悪くしているのだから当然ですが。
しかし、残ったお料理番である春風さんがわざわざ立夏を指名したというのは、これはきっと、もうそろそろ立夏にもお料理ぐらい仕込ませなければという姉心なのかも知れませんね。……とはいえ、ここんちの年上組で、お料理が上手そうなのって、ホタと春風さんぐらいなので、必須ってわけではなさそうですが。霙姉さんとかも間違いなくタベルサイダー。その現状があるから、せめて下の子たちには今の内に、ってことなのかも。まあ、立夏はさておき、小雨あたりは結構お料理に関して有望でしょうね。
で、明らかに有望ではなさそうな立夏は、案の定、大苦戦。今日の書き出しからして、いかになれない作業で困憊してるかはワカりますよね。指やタマネギを切って涙というお約束もバッチリ行ったようですし。そんなわけで、今日の食事は量が足りない懸念があったりしたので――
足りなかったら、超ゴメンナサイ。
そしたら、おわびの代わりに
このかわいいリカを――食・べ・て♥♥♥
なんちて☆
シシシシシシシ――♥
……確信しました。立夏は生粋の「狩人」なので、お料理は苦手なんですよ。ええ、なんという狩猟者っぷりでしょう――! さっきも見せてくれた、女の子として成長しているからこその、この小悪魔的誘惑ッッ!! 本人がどれだけ自覚しているかはワカりませんが、今年のバレンタインデーのお言葉を思い出すと、案外無邪気なだけじゃない、ってこともワカりますからね。……少しでも油断すれば、トゥルー兄はあっさり食べられてしまうこと間違いなしです。……そういう意味での「料理」ならば、お手の物なんでしょうけれど。
……それにしても、いまだに「オニノカクラン」状態のホタが気がかり。ホタって姉妹の中ではかなり丈夫なイメージなんですね。そりゃまあ、普段こなしている家事の量を考えれば、タフなんだってイメージがついてもおかしくはありません。「かにゃ?」とか言っちゃってますけど。いやそれどころか――
オニーチャン、この際だから
襲っちゃえば?
クスクス♥
……ああもう、この娘は! やっぱ立夏は、根本的に考え方が、「捕食者」側の発想なんですよね。
そんなこの子が、こんなんで将来ケッコンできるのか、なんて考えるのは、それ自体がなんだか結構な成長なんじゃないかって思うわけですが、それはそれで、ちょっとだけ寂しくもあったり。
べびプリ日記への感想や、誤字・ミスの指摘などございましたら、こちらからどうぞ。(返信)
↑今月の最初へ
← 前の月へ / べびプリトップ / 次の月へ →
→ 『好き好き大好きっ』へ戻る