本殿入口の門からいま来た参道を見下ろす。木立の影を落とした小径が 涼しげに続いていた。手前にはなにやら楽しそうに会話を交わしている 若いアベックが見える。こんなところへやってくる若者たちがいることに 少々新鮮な驚きを覚えた。
薬師堂本殿である。それは夢想したとおり、緑の木立と山を従えて 堂々と正面に立っていた。茅葺き屋根のため、写真では一見豪農の民家のように 見えるかも知れないが、徐々に近づいてみると、相当に立派な建物であることが 分かる。