Windows95のDOS窓での動作も可能ですが、動作が重くなるだけでなく、不具合が出ることがあります(FM音源が認識されない、等)。CPUは486DX2-66MHz程度でも動作すると思いますが、486DX4-100MHzくらいがあるとなおよいでしょう。(PC-9801RA+CPUアクセラレータ(型番忘れた)でThe
Castle程度はらくらく動作していました。)
空きコンベンショナルメモリは550KB程度は必要です。最近ではWindows95以外は触ったことがないという人も珍しくない状況にありますが、コンベンショナルメモリとはMS-DOSで扱える640KBのメモリ空間のことで、いくらメモリを増設してもこればかりは増やせません。
空きを増やすには、CONFIG.SYS/AUTOEXEC.BATから不要なデバイスドライバや常駐ソフトウェアを取り外す(組み込まれないようにする)のが一番です。空け方がよく分からない人は、ハードディスクに専用の起動用のパーティションを作るか、MOやフロッピーで起動するのが簡単でよいと思います。特にディスクイメージを多数保管するとかなりの容量が必要になるため、起動用のMOをつくるのが簡単だと思います。
サンプルのCONFIG.SYSとしてはこんな感じでしょうか。(MS-DOS ver5.0/6.2あたり)
(余談ですが、最近はCONFIG.SYS/AUTOEXEC.BAT関連の本なんかもめっきり減りましたねえ・・・(^^;))
参考までに手元での動作環境を書いておきます。
システムROM作成 | PC-9801DO+ (88モード)
PC-8801mk2FR PC-8801FA |
動作確認および
ディスクイメージ作成 |
NEC PC-9821Ap/M2 + メルコEUA-QP(AMD5x86-133MHz)
メモリ 60.4MB (こんなに要りません(笑)) MS-DOS version 5.0A / Windows95 アイドルジャパン(M.S.I.)製スピークボード使用 現在はちょっと豪華に(笑)以下のように変わってます。 NEC PC-9821An/M2 (Cyrix M2-300MHz化,ちびおと搭載済)
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動作確認(PC/AT) | Panasonic Let's
Note AL-N2515T2 (MMX-Pentium 150MHz)
Windows95 ver 4.00.95B(OSR2) EPSON 98/V version 2.10 rel.1 98/V FM音源,MIDI音源ドライバ Ver 1.2 これまた現在は以下のように変わってます。 Panasonic Let's Note CF-S21J5 (MMX-Pentium 200MHz)
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また、実機からROMを吸い上げるには5"FDDドライブが必要です。5"内蔵型の機種であれば2Dの読み書きもまず問題なくできますが、最近ではそのような機種も珍しくなりました。5"FDDを外付にする場合は、基本的にPC-98の拡張FDDコネクタが2HD専用(そのため1MB
FDDと端子に書いてあると思います)なので、2Dの読み書きができない場合があります。(ソフトウェアで2HD/2DDの切替を行うタイプではまずダメでしょう)
ファイルスロットやファイルベイに内蔵させるタイプの場合は大丈夫のようです。
PC88側で2HDの読み書きができるMシリーズの場合は、吸出し用のディスクを2HDで作成すればOKですが、98側で2Dの書き込みができず88側でも2HDの読み書きができない場合は、ハードウェアの増設を行うか、RS-232C経由での吸い出しを行うM88付属のツールに頼るしかないでしょう。
さて、P88SR.EXEの入ったアーカイブを入手したら、LZH形式の解凍できるユーティリティで解凍します。生粋のMS-DOSユーザはLHA.EXEを使うのが正しい姿(ほんとか)ですが、LHEでもLhasaでもUNLHA32でもWINZIPでもお好きなのをお使いください。(ここに書くまでもないと思いますが。)
そうして解凍がおわると、本体とドキュメント(説明書)、関連ユーティリティがいくつか出てきます。
一通り目を通しましょう。
システムROMを作成するには、GETROM.EXEを実行します。2HDのディスクでROMイメージ作成をされる方は-hオプションを忘れずに。実行すると注意文が出ますので、2D(または2HD)のディスクをドライブに入れて画面の指示に従えば、フロッピーディスクをフォーマットし、IPLを書き込んで吸出し用のディスクができあがります。
次にこのディスクをPC88に入れて起動すると、自動的にROMイメージをディスクにセーブしてくれます。Completed.が表示されたら完了です。(らくちんですね。)
吸い上げたディスクをPC98側に戻し、再度 GETROM.EXEを実行すると、カレントディレクトリにPC88.ROMというファイルが作成されます。これはP88SR.EXEと同じディレクトリの中にいれておいてください。
試しに動かしてみましょう。P88SR.EXEをとりあえずオプションなしで実行すると、初回実行時に限りフォントファイルPC88.FNTを作成したのち、ROM
BASICが立ち上がります。懐かしの "How many files? (0-15)"が表示されたらOKです。
VF.5を押すと、DOSに戻ることができます。VFキーがないEPSON旧機種や98/Vでは、-Hオプションを予めつけておきましょう。P88SR.CFGの中に記述しておくとよいと思います。
なお、オプションは英大文字と小文字を区別します。間違えないようにしてください。
ディスクイメージを作成するためには、まずプロテクトを外す必要があります。プロテクトを解除するためのバックアップツールとしては、The
File Master 88(京都メディア)やWizard 88(WESTSIDE)等があります。
ただしAutoモードと呼ばれるモードでバックアップを取った場合、元のディスクのフォーマットを再現する形でバックアップを取りますので、プロテクトが外れていないために動作しないことがあります。動作させるためには、オリジナルとコピーを判定しているプログラム(チェッカと呼ばれます)を書き換えて誤魔化す方法でプロテクトを解除する必要があります。自力でプロテクトを外せる方は吸い出してからバイナリエディタなりで書き換えてもいいのですが、そういう人は言われるまでもなくそうしているでしょう。(笑)
当初は隠しオプションだったデバッグモード(-Dオプション)は、かなり強力なデバッガとなっています。実機ではプロテクトにひっかかって停止するとお手上げですが、このデバッガを用いると実行中のソースの状態の解析ができるので、停止している原因を突き止めるのに有効です。トレースやブレークポイントの設定、メモリ内容の書き換え等、MAIN側とSUB(FDD)側それぞれについて調べられるので、非常に強力な解析ツールとなります。腕に自信のある方はどうぞ。:-)
こうしてプロテクトを解除したディスクをMAKE_HD.EXEを使用してイメージファイルに落とします。5"2Dの直接読み書きできるPC98なら簡単で、2DのディスクをPC98の5"FDDに直接突っ込んでMAKE_HD.EXEを適当なオプションをつけて実行するだけです。このとき既に存在するイメージファイルを指定すると、そのイメージファイルにディスクを追加する形になります。
もし、5"FDDがない場合はシリアルポート経由で吸い出すことも可能です。M88と一緒に公開されているM88ToolsのXDISK(Windows95用)を使うか、またはPACさん作のRDSK(PC98用)というツールで作成可能です。
M88Tools:
http://www.remus.dti.ne.jp/~cisc/m88.html
RDSK:
http://www.vector.co.jp/vpack/browse/software/dos/util/sn065344.html
できたイメージファイルは個人で楽しむ以外の目的で使用しないようにしましょう。
ゲームを起動するには、P88SR.EXEを起動する際に、ディスクイメージをパラメータとして渡せばOKです。
A:\PC88>P88SR YS.D88
なお、複数のイメージファイルを指定することもできます。ゲームが続編だったりユーザーディスクを別にしたい場合などは、複数のイメージファイルを指定するようにすると便利です。
A:\PC88>P88SR WIZARDRY.D88 WIZRDRY2.D88
(1)オプションの指定が必要な場合
たとえばV1モードでしか動作しないソフトは -v1 が必要ですし、4MHz専用であれば
-4 が必要です。
マウスが必要な場合は-mが必要といった感じですね。
起動時に止まってしまうような場合はディスクアクセス周りでコケている場合があります。PC-8801シリーズではディスクアクセス用にサブシステムとしてZ80
CPUがメインのものとは別に載っているデュアルCPUマシンなのですが、サブ側のCPUのエミュレーションを常時行うと動作が重くなってしまうため、オプションなしの状態ではディスクアクセスがあった場合のみサブ側のエミュレーションを行います。
ディスク制御のタイミングの問題が原因で動作しない場合は、 -F オプション
(-F0 または -F60000くらい )を指定してみましょう。動作する場合があります。
また割り込み関係が原因の場合は、 -d オプションを付加すると動作する場合があります。
また動作が速すぎる場合には -w オプションでウェイトを入れる必要もあるでしょう。
これらディスクイメージ毎に付けるオプションについては、P88SR.LSTに予め記述しておくことによって、次回以降はオプションを省略することができます。
その都度コマンドラインからパラメータを実行するのが面倒な場合は、ランチャーと呼ばれるソフトを使用すると便利です。P88SR用のランチャーも、DOS用のもの、Windows用のものといろいろ制作されていますので、気に入ったものを使用するとよいでしょう。私にはVz
Editorのファイラーで十分なんですが(^^;)
各種ツールについてはAKATTAさんのページでいろいろ紹介されています。
なお、過去に動作確認ができたソフトのリストについては、anonB氏のページにあります。