えびの高原から韓国岳霧島山

今から20年近く前、学生時代に行った九州では、山は開聞岳阿蘇山、霧島山に登ろうと思っていたのだが、実際に登ることができたのは開聞岳だけで、あとの二山は天候悪化のため山を眺めただけで終わってしまった。しかも二山とも、麓の宿に着いた日は好天だったのだが、さて登ろうかという翌日になると雨が降り、しかもそれが二日続くという状態だった。傘以外に雨具を持たず、防水の効いていない靴を履いている一般旅行者としては天候を恨む以外仕方のない一日が続いた。

霧島山に登ろうとえびの高原の国民宿舎に宿を二泊取ったのだったが、こういうわけで二日目は傘をさして高原に点在する池巡りをするだけで終わった。しかも高原中がガスに覆われているので、湖面が見えても対岸が見えない、車道から見下ろす池はガスでまるで見えないという状況。泊まっている宿は温泉宿だったので何度も風呂に入り、昼御飯を食堂で食べ、写真にもある韓国岳の火口が切れているところから白いガスが次々と手前のえびの高原に流れ落ちてくるのを何度も部屋の窓から眺めながら、家や友達に宛てて手紙を書いたりしていたのだった。

だがこれこそ贅沢な旅だ。現在の自分の年齢では難しい。



1991年には新燃岳が火山活動を始めただの、高千穂峰の山小屋が経営が成り立たなくなっているだのといった話が聞こえてきており、近々行くことの出来るあてもなく、次に行くときは霧島山群の山歩き環境はどうなっていることやらと思うのであった。

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