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前日の豪雨で水量豊かな二口沢

 
6 Jun 2025

清滝小屋から両神山山頂往復。


無人の小屋で20時に寝ついたものの夜半に目覚めてしばらく眠れず、朝方二度寝。目覚めてみれば6時前。帰りのバス時刻を考えるとゆっくりしている暇がない。行動食を詰め込み、最低限の荷だけにして小屋を出る。

昨日に続けて本日も急登の連続。岩場も鎖場も出てくるが、数がやや多いだけでさほどの困難度はない。先日の釜の沢五峰のうち二峰の下りのような鎖場は両神山の稜線上にたくさんあるのだろう。

両神神社本社は山上にこの広さかと思える境内。再訪して、今まで両神神社と思っていたのは本社の少し先にある両神御岳神社とわかった。どちらの神社も狛犬がオオカミであることは共通だが、御岳神社の像のほうが手が込んでいる。石像だから雌雄を表す陰陽が明確なのはあいかわらずだった。


神社から先は短いものの平坦路もあって楽しく歩ける。山頂とされる場所は岩峰状で、多人数が休憩できるような場所ではない。初訪時はここで4人がお茶を入れて休憩したが、きっと先行者たちがみな下山した後で誰もいなかったのだろう。

その初訪時はガスでまったく展望がなかったが、今朝は眺望広大。とくに南と西とが大きく開け、浅間連峰、八ヶ岳、北アルプス、奥秩父の山並みが広々と展開する。富士山も頭を出している。北アはまだ白かったが八ヶ岳はもう雪がなさそうだった。視界をさえぎる木々を避けるため、朝早くで誰もいないことをよいことに展望案内盤に上がって座り込み、脚の間に覗く山名と彼方の山影とを対比して眺めた。

岩場のすぐ下からは山頂では窺えなかった秩父盆地方面が見渡せる。盆地周辺の山々からほぼ必ず指呼できる山から逆にその山々を見渡しているのは彼岸此岸の逆転のようで面白い。


すでに登山口から往復する人とすれ違っているので、後続者たちがさらに上がってきて山頂部は賑やかになるだろう。当初予定では早朝の人影のない山頂でコーヒーだったのだが、湯沸かし道具はすべて小屋に置いてきた。飲めないのは残念だが、短い間とはいえ静かな山頂で中部山岳の山々を眺められたので十分だ。バス時刻を考慮しても、行程上は半時以上の余裕はある。清滝小屋の炊事棟で朝食をつくり、コーヒーを淹れよう。

 
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