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17 Oct 2025
富士急行線を挟んで三ツ峠山と対峙する倉見山へ。登山者用駐車場のある西桂町の町民グラウンドを起終点に周遊。平日だからか、好天の朝8時に歩き出して一人のハイカーにも出会わなかった。
中央自動車道を潜り抜けて出る厄神社から先の登路は、全般として考えると歩きやすい。出だしはヤブが被ったように見えるがすぐ終わる。北東から南西に延びる稜線に北西から登るので傾斜は急なのだが、山道は上手くつけてあって稜線直下の急斜面もさほど疲れないジグザグ登りで高度を稼げる。
稜線に出ると梢越しだが正面に三ツ峠とは違う幅広の山体が現れる。何だろうと思えば杓子山から鹿留山に続く山塊だった。その左手奥には御正体山の鯨のような巨体が控えている。さらに左奥を見れば今倉山の三つ頭も窺える。
稜線に出てすぐの山頂では切り開きから富士山。本日は素晴らしい好天で雲一つなく、頂稜右端に剣ヶ峰がそばだつのがはっきり見える。湯を沸かして休憩した倉見山山頂から岩がちのルートを下って10分少々で細長い平坦地があり、そこからは遮るものなく霊峰が見渡せる。
しかしここで楽しいのは国内最高峰の眺めばかりでなく、右手の裾野の先に立つ山々。彼方には悪沢岳、赤石岳、小さく台形に突き出している聖岳の姿が。その手前に足和田山が三角形の形佳い姿を見せ、その左奥に連なる毛無山から竜ヶ岳の天子山塊が南アルプスに負けない存在感を発揮している。
南アの右手、三ツ峠から伸びる稜線の上には荒々しい山頂稜線を連ねる十二ヶ岳、ちょこんと尖った節刀ヶ岳。その右奥に山頂部を覗かせる農鳥岳、間ノ岳。先ほどの道志の山々の眺めといい、倉見山はじつはよい山岳展望台なのだった。
この展望地から先、下っている気がしない道のりが続くが、アップダウンが少なく散策気分で歩けるよいルートだった。しかし石碑が二基立つばかりの堂尾山公園なる小平地から町民グラウンドに戻るルートに入ると、うってかわって陰々滅々な植林の山中を行く。足元もぐずぐずな山腹道もあり、半時ほどで明るい里近くに出るものの実時間以上に長く思える道のりだった。車で来ていなければ寿駅方面に出たほうがよいかもしれない。
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