逍遥の山
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かまど倉の大洞窟奥から二股山を望む

 
2 Dec 2025

日光の鳴虫山から火戸尻山へ縦走し、新沢に下る。


ほぼ全工程が植林の山。それでも鳴虫山のヒノキは手入れされているらしく美林。山頂に近づくと日光市街側は自然林となり、葉が落ちたこの季節はやや見通しが良い。しかし本日は曇りがちで、日光表連山もせいぜい見えて山腹まで。朝のうち山頂まで見えた男体山も同様。

鳴虫山山頂からはかつては南にこれから縦走する996m峰、919m峰に火戸尻山が三つ峰を並べる姿が見えたらしいが、木々が伸びたせいか冬枯れの枝越しにでも見分けがたい。登山道がない急斜面を下ってゆるやかに登り返して969m峰。山頂部からはススキの原越しに山々が並ぶさまが見渡せる。火戸尻山も少々遠目に顔を見せている。この先どこで展望が開けるかわからないのでここで昼休憩。


996m峰からの下りは鹿柵とススキの原の境目を行った。ちょっとしたヤブ。植林が周囲を覆うようになり、991m峰の山頂はヒノキの林のまっただなか。”天平(てんだいら)”と呼びたくなる広々とした稜線が続く。GPSがなければ辿る方向にかなり注意が必要なところか。

火戸尻山との鞍部に近づくと、左手の東側に目指す最後のピークが見上げられ、その下の長い谷間の先に鶏鳴山が重量感ある姿で立ち上がっている。朝の日光線車窓からも眺めたが、じつにカッコいい。南の笹目倉山からの縦走ではあまりパッとしなかった印象だが、東西から眺めると見た目がかなり違う。この姿を認識してから登りたかったな。


火戸尻山は、あれが山頂かというのを3回か4回か繰り返して到着。偽山頂が葉の落ちた木々の立つ明るいものに対し、真の山頂は植林に囲まれて暗く、一部だけ冬枯れの木々が光を通している。996m峰での眺望はやはりすぐれたものだった。火戸尻山は腰を下ろしただけですぐに下山開始。

最近は南の大滝に下るほうがメインなのか、以前はバスも通じていた東の新沢へのルートはYAMAPでも朱線が細い。新沢への山道は実際にあまり歩かれていないようで踏み跡が不明瞭な個所が多く、登山道は枝打ちされた木々で覆われていたりで歩きにくく、かなり神経を使う。GPSを都度都度確認しつつ下っていたのに、最後の最後、林道に出る直前で下る尾根を間違え急斜面の上に出そうになった。本来は一つ隣の尾根だとわかったので、少し登り返して藪の中をトラバースし元のコースに戻った。

大滝分岐にすら道標はなく、下山地点に至ってさえも目につくのは作業用テープだけ。それでも案内はあったわけだが、登山道はないとされる鳴虫山からの縦走路のほうが遥かに楽に思えた下りだった。


かつて新沢にあったバス停はいまはない。あっても時間が遅かったことだろう。なので日没間際から林道を歩き出し、残照のなかで舗装車道に出た。月が浩々と明るいのでただ歩く分には問題ないのだが、走りくる車に注意喚起するためスマホのライトを付け、2時間かけてJR今市駅まで歩いた。予定通りの車道歩きはともかく、山中の余裕は結果的に少なすぎた。いろいろ反省点が多い山行だった。

 
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