会津駒ヶ岳 会津駒ヶ岳 キリンテへの下り

檜枝岐から尾瀬を越えて群馬の湯ノ小屋温泉まで歩いてみた。コースガイドを見ているうちにこのコースはつなげて歩くことが出来るのに気付き、紅葉のシーズンにやってみようと密かに狙っていたのだ。ほんとうは全行程を歩きたかったのだが、あてにしていた尾瀬入り口の御池ロッジが休業していたため檜枝岐で連泊し、御池までバスで出ざるを得なかった。全体の行程は以下の通り。なお、この年のこの時期は樹林の紅葉には全体的に一週間ほど早いようだった。
1日目 自宅から檜枝岐まで東武日光快速とバスで8時間かけて移動。民宿泊。
2日目 会津駒ヶ岳登山(キリンテに下る周遊コース)。同じ民宿泊。
3日目 御池から燧ヶ岳に登り尾瀬の見晴へ下る。竜宮小屋泊。
4日目 尾瀬ヶ原を縦断し鳩待峠から至仏山往復。鳩待山荘泊。
5日目 笠ヶ岳を越えて湯の小屋温泉に下る。葉留日野山荘泊。
6日目 上毛高原駅へ出て新幹線で帰京する。(10/13)
(ここでは福島の山である会津駒ヶ岳についてだけ書いている。燧ヶ岳・至仏山・笠ヶ岳は別稿にした。)


初日に檜枝岐に着いたときは一帯が雨で、有名な民衆歌舞伎の舞台を傘をさして眺めたくらいで早々に宿に入ったものだが、明けた次の日は風もあまりない秋晴れだった。宿の車で登山道入り口まで連れていってもらう。靴ひもを締めていると、昨夜食膳に出されたサンショウウオの天ぷらを歯でかみ切ったときの感触と味が口の中に舞い戻ってくる。ミント味の飴でも舐めなくては。
会津駒ヶ岳の登りは全体を通して見晴らしがよく、道幅は狭いが快適だ。急登率は20〜50%といったところだろうか。道はおおむね乾燥していて木の根や岩もあまり出ておらず全体に平坦と感じた。急なところがあるわりには登りやすい。
駒ノ池越しに見る会津駒ヶ岳山頂 駒ノ池越しに見る会津駒ヶ岳山頂
山頂から中門岳へは山上湿原の宝庫だ。まだ行ったことはないが近くの平ヶ岳もこういう感じなのだろうか。秋なので草原のきつね色に青空を映した池の表がよく映える。遠方に目をやれば尾瀬の燧ヶ岳の三角錐が抜きんでてそびえている。
中門岳往復後に山頂から延びる富士見林道に入るが、林道とは名ばかりの山道だった。とはいえロケーションがいいので見晴らしがよくて明るい感じ。最初は岩や木の根が多いがすぐ歩きやすくなり、左手に檜枝岐へと流れ落ちるカイゴイワ沢の源頭部を見下ろすようになる。草原の道なので谷底まで一望のもとだ。追い抜いていった高校生くらいの一団の何人かがはしゃいで足を滑らし、谷側に3メートルほど転がり落ちる。斜度のあるところではないが、見ていてちょっと危ない。
富士見林道から御池に向かう道と分かれてキリンテに下る道に入る。終始眺めは樹林越しにしか得られないが、幅は狭いものの急な下りが全くなく紅黄葉の広葉樹の下をリズミカルに気持ちよく歩ける。余り気持ちがよいので「これはかなりエンドルフィンが出ているな」などと思う。この時期にこの天気でこういうところを歩くのが一番いい。下り着いたキリンテから車道を歩いて檜枝岐に戻った。明日は燧ヶ岳を越えて尾瀬に出る。
1995/10/8-9(-13)

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