脳卒中は、人それぞれに異なった機序で発生するため、脳のどの部分が、どんな原因によって障害されたかによって、症状も様々です。代表的な症状を挙げましょう。
左半身の運動障害(左片麻痺) 左半身の感覚障害(しびれ) 左側の視野の障害 その他
- 手に触れる物の形を認知できない。
空間的な位置を認知できない。 左側の身体および空間を認知できない。 記憶障害 構音障害
右半身の運動障害(左片麻痺) 右半身の感覚障害(しびれ) 失語症 言語障害の一種で、話すこと、聞くこと、書くこと、読むことのすべてにわたって障害されること。筆談もできなくなります。症状の程度は、障害される部位によってさまざまです。 右側の視野の障害 その他 記憶障害 右側の身体および空間を認知できない。 構音障害
小脳は、からだの動きの統合および調整を行うところです。小脳が障害されると、からだの各筋肉が共同してうまく運動ができなくなったり、平行感覚の障害が起きます。 手のふるえ(振戦)、姿勢の異常、歩行障害が起きます。 発音が不明瞭となる言語障害(構音障害といいます)が起きます。
脳幹(のうかん)とは、大脳や小脳からの神経繊維が集まり統合されて脊髄につながるところです。 脳幹の働き 脳幹は、私たちの生命を維持するための中枢です。すなわち、呼吸、血圧および心臓の動きをコントロールしています。 また、目の動き、聞くこと、話すこと、物を飲み込むことなども制御しています。 さらに、両手足を動かすための神経はすべてここを通っています。 脳幹の脳卒中では、ひどい場合には、突然昏睡状態となり、両手足がまったく動かなく(四肢麻痺)なります。呼吸状態も悪くなり、死亡することも多いです。軽い場合には、めまい、嘔吐、手足のしびれ、舌のもつれなどで発症し、徐々に悪化するようです。