TUZIE-辻永クラフト工房
レザークラフト担当者のための
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01:使用する革


 

 左の画像は、牛革の半裁(はんさい)です。半裁と言うのは、背中で半分に切り分けられた形の革のことです。牛革などの大きな革は、この様な半裁という形で流通していることが多いです。

 革の大きさは、「デシ」という単位で表されますが、これは「デシ平方メートル」の略でありまして、10センチ四方の面積を単位としております。

 半裁の牛革の大きさは、200〜300デシ程度のものが多いのですが、大きさは1枚1枚違っています。そのため、革の価格も1枚1枚異なったものになります。カタログなどには、単価と大きさの目安が書かれていることが多いのですが、その通りになるということではありません。

 布地などの反物とは違いますので、何十センチとか何メートルという販売方法は難しい素材です。動物の革ですから、形も不定形ですし質も部分により異なります。

 レザークラフト、それも作業学習などでもっとも多く使われると思われるのは、牛革の「タンロー」という革です。「タンロー」は「タンニン鞣しローケツ染め用」の略称で、染色向きに白く全体の美観を整えた革です。模様づけなどクラフトの技法全般に適した革です。革の単価としても、タンニン鞣しの革の中では手頃な部類です。

 当工房で取り扱うことのできるタンローにも複数の商品があります。革を購入される時には、革の銘柄・革の厚さなど、いくつか指定していただかなくてはならない事柄があります。革のことがある程度わかるまでは、判断のつきにくい時があると思いますので、作業内容などをご相談いただければ、ご一緒に革の検討をさせていただきます。

 また、ヌメ革と言われる、あまり白くは作られていないタンニン鞣しの革も、作業学習などで利用されることがあります。生成りで仕上げて味の出てくる革です。模様づけなどにも適していますし、染色も問題なくできる革もありますが、タンローほどは全体の見た目が良くない場合も少なくありません。ヌメ革と言われる革にも様々な商品があり、革質や美観や加工性が異なります。




 革の表面をぎんめん(銀面・吟面)といいますが、この革の表面層の無い「床」(とこ)という素材もあります。革の厚みを決めた後の漉き残りの部分になります。この床革は、普通の革よりもコストがかかりませんので、作業学習などの教材には使いやすいものです。

 左の画像は、その床革を利用して作ったものです。刻印などを使って、表面に模様をつける技法には向きませんが、穴を開けたり成形したりという作業には向いています。

 きれいに仕上げるためには、仕上げ剤の使用量が多くなるかもしれませんが、素材自体は値段も手頃で、広い面積が使いやすくなると思います。使い方次第で、様々な可能性がある素材です。タンローなどの革を購入する予算が少ない時などにも、材料不足を補う素材として期待できます。床革を利用した教材も、検討の価値があるのではないでしょうか。



 他にも、様々な素材があり、牛革にも柔らかく袋物などに適した素材があります。また、豚や羊など牛革以外の素材も豊富にありますが、作業学習ではタンニン鞣しの牛革が主に使われているようですので、このページでは他の素材は取り上げません。その他の革については、作例のページで紹介できることがあると思います。


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